開業支援特集 イタリアン編 Step00. はじめに

イタリア料理店の開業にあたってのメリット・デメリットをご紹介します。

はじめに

メリット・デメリット


日本人は、そば・うどん・ラーメンなどの麺類を好みます。また、島国である日本は、魚介類への馴染みも深いため、パスタメニューや地中海の海の幸を使ったイタリア料理が日本人受けするのも納得できるのではないでしょうか。特に、ピザやパスタは手軽なランチメニューとなっています。

イタリア料理店の開業にあたってのメリット・デメリットをご紹介します。

イタリア料理店を開業するメリット

1. 自分色の店を作れる
一番の魅力は、自分のこだわりを詰め込んだ、思い通りの店を作れるところでしょう。
メニュー自体はもちろん、内装や店の外観まで、自分の思いをそのまま形にすることができます。自分の力に挑戦できる場でもあります。

2. 幅広い客層に支持される
イタリア料理店は、気軽に行ける西洋料理店として、昔から日本人にも馴染み深い料理として親しまれています。
子供から大人までをターゲットとした大衆向けのレストランが多い一方、最近では、女性をメインターゲットにしたメニュー、コース料理を提供するお店も増えてきています。
コンセプトによって、ターゲットはそれぞれのため、事前の準備・調査が必要になります。

3. 利益が上がれば上がるほどダイレクトに年収につながる
雇われている立場では、一気に給料が上がりるということはありません。しかし、オーナーになった場合は、頑張って儲かった分がそのまま従業員への給料や材料費などの必要経費を差し引いたとしても、月収100万円以上稼ぐレストランオーナーも沢山います。

イタリア料理店開業のデメリット

日本に馴染みが深すぎるゆえに・・・
1980年代後半「イタ飯ブーム」により、それ以降は日本人にとってイタリア料理は馴染み深いものとして親しまれました。
人気な業態ということもあり、イタリア料理業態にはライバルが多大に存在します。
また、他店のライバルだけでなく、イタリア料理は、家庭でもよく作られる料理になります。
そのため、「このお店に行ってみたい」、「また行きたい」といったお店に来る理由作ることが必要になります。
他店との差別化のための味やメニュー、サービス、その時々の時代や環境の変化への対応能力がないと生き残りの厳しい業態ともいえます。

失敗と成功の分岐点

成功のポイント

飲食店は開業しやすい一方で、同じくらいの店舗が毎年閉店しており、味だけでの勝負では厳しい業界です。


どのような点で失敗しやすいのか、また成功するためにはどこに気をつけるとよいかをご紹介いたしますので、リスク回避の材料にしていただけたらと思います。

1. 業態の現状の把握
イタリア料理店は、雑誌やTVで取り上げられる機会も多く、活気づいているかのように見える業界です。
しかし、これはライバルが多いということでもあります。その対策を曖昧ななままに出店をしてしまうと、あっという間に経営不振に陥ってしまします。味だけで勝負できないのが、現在のイタリアン業界です。
他業態以上に事前の準備・調査が重要です。明確なコンセプト、事業計画、メニュー作りを行い、他店とのしっかりとした差別化が必要となってきます。

2. コンセプト
イタリア料理店開業には、まずはしっかりとしたコンセプトを決めておく必要があります。
カッチリとした高級レストランの「リストランテ」から、大衆向けの「トラットリア」「オステリア」、ピザの専門店「ピッツェリア」などタイプは様々です。
タイプを決めた中で、誰をターゲットにするのか、出店する立地を決め、その次にメニュー構成やメニュー価格帯などを決めていきます。
ここからさらに細分化し、他店との差別化するところ、売上予測など決めていくことが重要になります。

3. 資金計画
イタリア料理店を開業する初期費用は、約20坪だと800~1000万円前後はかかります。
客単価は、コンセプトやランチ・ディナーによって異なるため、利益を上げていくためには、しっかりとした収支バランスを考えておかないと営業を続けていくことはできません。オープン後1カ月ほどは、目新しさで集客はできるのですが、2、3カ月めころから客足が落ちます。この時期を乗り越え、リピーターを地道に増やしていくには運転資金がどれだけ残せているかで決まります。イニシャルコスト(開店のための初期費用)を抑え、できるだけ運転資金に残すようにしてください。新規オープンの際には、居抜き物件を探したり、厨房機器をリサイクルで揃えるなど、イニシャルコストを抑える工夫をしてください。
客単価が低い業態ですので、売上を確保するためには、回転率を上げることも念頭に置かなければなりません。店舗設計には回転率を上げるための工夫が必要です。あとは資金計画を立て、1日の売上額を前もって想定し、万が一売上が想定額に満たない場合にどんな見直しが出来るかを考えておく必要があります。

4. 人手不足
飲食業界は人手部不足の状態が長く続いています。スタッフを確保できず営業がままならなくなり、繁盛していたにも関わらず閉店を余儀なくされたというオーナーのお話はよく聞きます。求人をしてもなかなか人が集まらず、飲食業界は「人手不足」に悩まされています。
人手が足りなければ、その負担が他のスタッフにかかってしまうため、労働環境の悪化→離職→新しく人が入っても定着しない→サービス低下によるお客様離れ・・・と負のスパイラルに陥ってしまいます。
人口減少、人件費の高騰という課題は今後ますます続いていくでしょう。そのため、より少ない人員で運営できる体制づくりや、省力化を考えた店舗づくりは必須項目です。


同業態での経験の必要性


融資を受ける際には、「過去の経験」が重要視されます。融資担当者は、事業の実績を見ることが出来ないため、その人の過去の実績、経験から融資の判断をすることになるからです。 事業に関する知識や、経験、実績を出している方が、借入れた額をきちんと返済してくれる可能性が高いと判断されやすくなります。 そのため、イタリア料理店での修行経験を積むことは必要と言えます。

最近では、最新のレシピや経営方法まで教えてくれる調理学校や製麺会社の運営する学校もありますので、そちらを活用するのも1つでしょう。 メニューの作り方以外にも仕入先、経営ノウハウ、調理器具の扱い方、回転率、平均客単価の計算などの知識ははイタリア料理店開業のためには必要なスキルとなります。

プラスαの資格

  • ソムリエ
  • イタリア料理ソムリエ
  • イタリアンコーディネーター
  • 野菜ソムリエ
  • IFAパスタスペシャリスト

単独店とFCとVC


開業するには、単独で開業する以外にもフランチャイズ、ボランタリーチェーンと3つの方法があります。
それぞれの違いをご紹介いたしますので、メリット・デメリットを見極め、ご自分に合った方法での開業を考えてください。

開業方法1:単独店

メリット

最大のメリットは、全てを自分のイメージに合わせて店作りできるという点です。メニューはもちろん、店内の内装や家具、サービス内容に至るまで、自分の思い通りに揃えていくことができます。
また、自身の求める素材や味を納得のいくまで追求し、こだわることができる自由度の高さがあります。

デメリット

開業手続き、開業資金と物件の確保、店舗の設備や調理道具・食器購入、仕入れ先や人材の手配など、開業するために必要なことはたくさんあり、全てを自分でやらなければいけません。
また、個人店の場合は、自店のPRのための営業スキルも求められます。

開業方法2:フランチャイズ(FC)

フランチャイズとは、親企業からブランド名、確立されたサービスや商品を使う権利をもらい、その対価をフランチャイズ本部に支払い営業する仕組みです。

メリット

未経験でも開業できる
通常自分で店舗を持とうとすると、まずはその職種に関する業務や経営の下積みや経験が必要となります。 フランチャイズでは、仕入れ・販売・集客・採用・商品開発などをパッケージ化し、経営や運営についてのノウハウ提供や研修制度の充実、業務がマニュアル化など基盤がしっかりと整備されていることが多いので、全くの未経験でも店舗運営が可能になっています。
店舗数が多いほどノウハウの蓄積も多いため、本部からのサポートの制度がより高くなることが期待できます。

資金の融資が受けやすい
フランチャイズで開業する場合も資金が必要です。開業資金は、加盟するフランチャイズによって違いますが、安いところで100~200万円、高いところでは2,000万円以上です。フランチャイズに加入するには、加盟金が必要です。相場は100~300万円ですが、中には加盟金が0円のところもあります。
自己資金を十分に準備できていない場合は融資を受けることになりますが、大手企業のチェーン店として申請をすれば融資を受けやすくなります。
また、フランチャイズでは、本部側で大量に購入するため安く購入できるので、内外装工事費、食材、食器、備品、什器などの初期費用を単独店より抑えることができます。 

リスクの軽減
本部が開発した仕入法・調理法・接客やサービスのマニュアルなどの経営ノウハウについて事前に研修を受けてから開業できるため、個人で開業する際のビジネスリスクに比べればはるかに低くなります。本部の販促活動支援に加え、有名店であるほど集客力が高いため、宣伝広告費にかける費用を抑えることができます。
設備の面でも、過去の店舗の実績から得た情報を基に、最適化された店舗設計や備品の提供を受けることができます。

継続的なサポート
加盟店の売上を伸ばして経営を安定させるために、定期的・長期的に 本部から担当者が訪れて支援を行います。加盟店側はスタッフの育成や業務改善などについて相談に乗ってもらえるので安心です。
全店舗の食材・備品を一括で仕入れて各加盟店に供給していることがほとんどなので、全くゼロから仕入先を探し購入するよりも、手間・価格ともに小さくなります。また、フランチャイズによっては、「セントラルキッチン」とよばれる工場での一括仕込みによって、料理の味の均一化と店舗での省力化が実現できます。 
その他にも、経営上重要な「集客」を、本部が主体でTVや雑誌などのマス広告の宣伝活動を行ったり、本部から加盟店へのチラシの配布・アドバイスなどの支援も受けることもできます。

デメリット

加盟金・ロイヤリティーなどの支払い義務
様々なノウハウやサービスを受け取る代わりに、加盟店オーナーは『ロイヤリティ』を本部に支払わなければなりません。
利益があまり出ないときでも、家賃や光熱費、材料費に加えて本部にロイヤリティーを支払わなければならないため、大きな負担になることがあります。
そのブランドに加盟するにあたり、適当だと思えるロイヤリティを設定しているフランチャイズを選ぶことが重要です。
フランチャイズで飲食店を開業するには、さまざまな諸費用を支払う必要があります。加盟者が支払う費用の例は次の通りです。

  • 加盟金:契約時に、本部から商標やブランドを提供してもらうため必要となる初期費用
    (小型店舗では100万前後、大型店舗では300~500万程が相場。中には加盟金0円のところもあり)
  • 保証金:ロイヤリティや仕入費用等の担保金
    (保証金は債務がなければ、契約終了後に返還されるのが一般的)
  • 店舗取得費用:物件費用、内外装設備費用、消耗品費などお店作りに必要な資金
    (加盟金なども含めて1,000万円以上の開業資金が必要。本部が負担する場合は、300万~500万円前後で開業可能)
  • ロイヤリティ:ブランド使用権や、指導・援助を受けるために定期的に支払う費用
    (毎月売上の4~5%程度の支払いが一般的。「月額固定」「ロイヤリティ不要」のところもあり)

上記の他にも研修費や開業準備金などの費用が発生する場合もあります。

経営の自由度が低い
フランチャイズは、ブランドイメージの保守・経営効率の向上のため、多くの制限を設けています。
契約期間中は自店でのオリジナルメニューの提供や、独自の販促キャンペーンなど本部の方針から外れた運営を行うことはできません。
例えば、地域性や客層に合わせた独自メニューの開発やサービス展開は、オーナーの独断ではできないことがほとんどでしょう。 自分の好きなように店舗経営を行いたい方にとっては、自由度が低いフランチャイズは向いてないといえます。

ブランド毀損による影響を受けやすい
フランチャイズのメリットはそのブランド力を生かせることですが、ひとたびブランドに傷がつくと全加盟店が影響を受け、負の要素となってしまいイメージダウンは免れません。たった1店舗の不祥事で、全店舗がマイナスの影響を受けてしまうことが起き得ます。SNSなどでのネットでの情報拡散が瞬時に起こってしまうネット社会の現代では、そうしたリスクもあることを認識しておく必要があります。


競合避止義務や契約期間の存在と守秘義務

各フランチャイズ本部は、契約期間を設けています。契約途中に契約解除する必要が出た場合は、違約金を支払う義務が生じます。
通常、契約終了後も同業種での営業を禁止した「競業避止義務」が規定されています。これは、フランチャイズ本部のノウハウの流出を防ぎ、ブランドを存続させるためです。
将来のビジョンがある場合は、10年後、20年後の将来のことを考え、競業の範囲や競業禁止の期間など契約内容を確認し、ベストな選択をしておく必要があります。
また、フランチャイズに加盟により得た知識やノウハウには守秘義務があることを忘れないようにしましょう。

開業方法3:ボランタリーチェーン(VC)

ボランタリーチェーンとは、加盟店同士が組織を結成して本部を形成し経営を行っていく事業形態です。
フランチャイズよりも仕組みが非常にゆるやかで、店名・内外装・看板デザイン・商品価格・営業時間・店休日など比較的自由なスタイルで店舗運営をしていくことができます。

フランチャイズとの共通点

  • 「本社や本部といった事業をまとめて運営する」本部組織と、「店舗を営業する立場」の加盟店の2つの立場から成り立っています。
  • 加盟店は、本部から一括して商品を仕入れて店舗を運営するため、どちらの場合も余計なことコストがかかりません。
  • 加盟店は基本的に本部組織から商品(食材)を仕入れることになります。
  • 基本的にボランタリーチェーンのほうが規則やノルマは緩い傾向にあります。

フランチャイズとの相違点

  • フランチャイズチェーンは本部と各加盟店がそれぞれで契約を結ぶ縦のつながりなのに対して、ボランタリーチェーンは加盟店同士(もしくは卸会社と加盟店)が組織を結成しており横のつながりが強いというところが主な違いです。
  • ボランタリーチェーンの本部は、各加盟店同士が互いに出資しあって本部を形成しています。そのため、本部とは上下関係ではなく、みな同じ立場という関係性があります。
  • ボランタリーチェーンの場合は、お店の屋号、看板、内外装、施工業者、営業時間、価格設定なども自由にできるようになっており、個々の事業者の個性を発揮していくことができます。
  • ロイヤリティはないケースが一般的ですが、発生する場合でもフランチャイズよりは低価格であることが多いです。

メリット

店舗展開が比較的自由
本部からのノルマや規則などが比較的緩いため、各店舗によって独自のメニュー開発やサービス展開を行い独創性を打ち出していくことができます。

仕入れコストの軽減
本部がメーカーからまとめて仕入れるため、コストを引き下げることができます。
仕入れコストが下がると、今までと同じ売上でも利益率はUPします。

POSシステムなどで情報共有
ボランタリーチェーンは、フランチャイズに比べて、加盟店同士の横のつながりが強い傾向にあります。
POSシステムいう、商品の販売情報の管理システムによって、商品情報を記録して売上の分析データを共有することができます。これにより、他店でのトレンドメニューを知ることができ、市場での消費者ニーズを把握することもできます。また、加盟店同士での運営ノウハウやアドバイスの授受を行うことができます。

デメリット

経営力が必要
フランチャイズのように強固なバックアップがないため、店舗の経営努力がより必要になってきます。
運営ノウハウに関しては、加盟店同士での情報交換しか手段がないため、その店に合った的確なアドバイスをもらうことができません。経営ノウハウに詳しい事業者がいなければアドバイスを受けることもできません。
比較的自由度の高い運営が可能である反面、多くの問題を自分の力だけで打開していかなければならないのです。
目下の利益の追求だけでなく、しっかりとした長期的な戦略を組む必要性もあります。

ネームバリューの低さ
大手のフランチャイズチェーンは、抜群の知名度を持つため、集客に苦労することはないでしょう。しかし、ボランタリーチェーンの場合にはそれは当てはまりません。
現在のボランタリーチェーンでは知名度の高い飲食店は少ないため、看板の力を借りるということができません。
自分たちで集客のための対策を考え、努力をしていく必要があります。

飲食店のフランチャイズ支援

フランチャイズ支援