飲食店を開業する際、多くの人が物件や内装、メニュー作りに気を取られがちですが、実は「食器」や「調理器具」の準備も同じくらい重要です。
「とりあえず家庭用のもので始めよう」「足りなければ後で買い足せばいい」と安易に考えてしまうと、営業が始まってから慌てることになりかねません。
本記事では、飲食店を開業する方に向けて、必要な食器や調理器具の種類、数、選び方、購入先、予算の立て方まで、実践的なポイントをお伝えします。

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目次
飲食店に必要な食器・調理器具とは?【基本編】

まず理解しておきたいのは、飲食店の「業態」と「提供スタイル」によって必要なアイテムが大きく異なるという点です。
以下では代表的な飲食業態別に、具体的な食器・調理器具の例を詳しく紹介します。
● カフェの場合
提供スタイル:ワンプレート、ドリンク中心、軽食メニュー
必要な食器類
・プレート(ワンプレートメニュー用、大・中・小)
・マグカップ(コーヒー・紅茶など)
・グラス(アイスドリンク、水用)
・サラダボウル、デザートカップ
・カトラリー(スプーン・フォーク・ナイフ・ストロー)
調理器具
・小型フライパン、ホットサンドメーカー
・電子レンジ、トースター
・ミルクフォーマー、ミキサー、コーヒーマシン
・軽量カップ、計量スプーンなど
● 居酒屋の場合
提供スタイル:小皿料理・酒類中心・シェアスタイル
必要な食器類
・小鉢、取り皿、焼き物皿
・刺身皿、長皿、盛り皿
・酒器(徳利・おちょこ・ビールジョッキ・グラス)
・卓上コンロ用の鍋・鉄板
調理器具
・包丁(刺身・野菜・肉用)
・卓上ガスコンロ
・揚げ物鍋、天ぷら鍋
・魚焼き器、炭火台(必要に応じて)
・保温・湯煎機器(おでん、煮込み用)
● ラーメン店の場合
提供スタイル:一品料理、セルフサービス要素が多い
必要な食器類
・ラーメン丼(サイズ違いで数種)
・レンゲ、箸(洗える再利用タイプが主流)
・小皿(トッピングやチャーシュー用)
・水用グラス、コップ
調理器具
・大型寸胴鍋(スープ用)
・製麺機、麺ゆで機
・中華鍋、揚げ鍋
・包丁、まな板、キッチンタイマー
● 洋食店の場合
提供スタイル:コース料理、盛り付け重視
必要な食器類
・大皿(メインディッシュ用)
・スープカップ、ソーサー
・小鉢、デザート皿
・ワイングラス、カトラリー(ナイフ&フォーク各種)
調理器具
・オーブン、スチームコンベクション
・鍋・フライパン(サイズ違いで複数)
・フードプロセッサー、ブレンダー
・焼き型(グラタン・テリーヌ・キッシュなど)
● 共通して必要な器具・備品
どの業態にも共通して必要となる備品・消耗品も忘れてはいけません。
・計量器具(スケール、温度計)
・清掃用品(スポンジ、たわし、洗剤)
・ステンレスバット、ボウル
・トング、ゴムベラ、泡立て器
・食器棚、作業台、シンク、排水設備
【ポイントまとめ】
・業態により必要アイテムの種類・数・グレードが違います。
・家庭用では耐久性が不十分なことが多いです。
・まずは提供予定メニューを明確にし、逆算して揃えることが重要です。
数はどれくらい用意すればいい?【実践編】

食器の数を決めるときの基本的な考え方は、「席数×2〜3セット」が目安です。
これは、ピーク時にフル回転しても足りなくならないようにするための備えです。
例えば、
20席のカフェの場合
・コーヒーカップ:40〜60個
・サラダボウル:40〜60個
・スプーン・フォーク:各40〜60本
居酒屋の場合
・小鉢や取り皿は1人あたり2〜3種類を想定して、それぞれ50個以上
・酒器(グラス、徳利など)もメニューの内容に合わせて種類ごとに20〜40個程度
ラーメン店の場合
ラーメン丼:最低でも40個程度(回転率が高い店では60個以上)
レンゲ、グラスも同数程度
このように、業態や提供スタイル、回転率を踏まえて個数を設定します。
また、食器は破損や紛失もつきものです。
仕入れ時に予備を含めて発注しておくことで、突然のトラブルにも対応できます。
特に陶器やガラス製品は「数ヶ月で数パーセントが破損する」と見込んでおくと安心です。
さらに、開店当初は予想よりもオペレーションに時間がかかる傾向があるため、洗浄が追いつかずに食器が足りなくなるというケースも多く見られます。
洗い替えの余裕を見越した数量設定が、ストレスの少ない営業を支えます。
補足ポイント
・ピークタイムをシミュレーションして、使用量を逆算しましょう。
・洗浄・乾燥・保管スペースとのバランスも考慮しましょう。
・初期投資を抑えたい場合は「必要最低限+α」で開始し、営業しながら徐々に買い足しましょう。
このように、数量設定は単なる掛け算ではなく、「営業効率」と「店舗運営の安心感」を支える重要な要素です。
買う前に考えておきたい!選ぶときのポイント

食器や調理器具は、ただ見た目が良いものを選ぶだけでは不十分です。
ここでは、実用性と経済性、デザイン性をバランスよく考慮するためのポイントを詳しく解説します。
耐久性
業務用であることが基本条件です。特に陶器やガラス製品は、強化加工されたものや業務用仕様の厚手のものを選ぶことで、破損リスクを減らせます。
また、金属製調理器具も厚みがある方が変形しにくく、長期間の使用に耐えられます。
洗いやすさ
食洗機対応であるかは大きなポイントです。形状が複雑すぎると洗浄がしにくく、時間がかかってしまいます。
飲食店では洗い物の回転が命なので、縁が滑らかで汚れが落ちやすいものを選びましょう。
食洗機を使用しない場合でも、手洗いが楽な構造であることが重要です。
収納性
収納スペースには限りがあります。積み重ね可能な食器や、取っ手が取り外せる鍋などは、限られたバックヤードスペースを有効に活用できます。
また、同じサイズ・形の食器で揃えることで、収納時の安定感が増し、作業効率も向上します。
統一感とデザイン性
お店のコンセプトや雰囲気に合った食器を選ぶことで、料理の見栄えがよくなり、顧客の印象にも残ります。
たとえば、ナチュラル系のカフェであれば木目調のプレートや陶器、スタイリッシュなバーならモノトーンの皿やガラス器など、デザインにも意味を持たせることが重要です。
コストとのバランス
良いものを選びすぎてコストが膨らむのも避けたいところです。
「見せる食器(客席に出すもの)」にはある程度こだわり、「調理用やバックヤード用」は価格重視で選ぶと、全体のコストを抑えることができます。
補充や買い足しのしやすさ
継続的に購入できるシリーズ・ブランドを選んでおくと、後から数を追加する際にも困りません。
特に破損や数の調整が発生しやすい飲食店では、同じ型番の商品が長く販売されているかも確認しましょう。
このように、選ぶ際には「見た目」だけでなく「使いやすさ」「壊れにくさ」「店の雰囲気との一致」など、総合的な視点で検討することが重要です。
どこで買う?おすすめの購入先・ルート
飲食店向けの食器や調理器具は、購入先によって品ぞろえ、価格、サポート体制が異なります。
中でも、実績と利便性の面で特におすすめなのが「テンポスバスターズ」です。
「テンポスバスターズ」「テンポスドットコム」
・全国に実店舗を展開する業務用厨房機器・食器の専門店です。
・新品・中古ともに豊富な品ぞろえがあり、コストを抑えながら必要なアイテムを揃えられます。
・店舗では実物を手に取って確認でき、スタッフからの専門的なアドバイスも受けられます。
・オンラインショップもあり、地方の事業者にも対応可能です。
・食器や厨房機器だけでなく、開業支援や資金調達の相談も可能な点が大きなメリットです。
その他にも、以下のような購入先が考えられます。
厨房機器専門業者
大型設備とまとめて食器や調理器具も揃えたい場合に便利です。
テンポスでもセット購入による割引や提案が可能です。
業務用食器専門店(問屋街など)
実際の店舗では、多様な業態に合った商品をじっくり選べます。
中古市場・リユース店
初期費用を抑えたいなら、中古の活用も選択肢に入ります。
テンポスの中古品は点検・整備済みで安心感があります。
展示会・見本市
トレンドの食器や新しい調理器具に出会えるチャンス。
店舗に足を運んで実物を確認するのが理想ですが、時間や距離の問題がある場合は、信頼できる業者のオンラインショップを活用するのも賢明です。
テンポスバスターズのように、リアルとオンラインを組み合わせた選択肢があると非常に心強い存在になります。
予算の立て方とコストダウンのコツ
開業時の食器・調理器具の予算は、業態にもよりますが30万〜100万円程度が一般的な目安です。
ただし、厨房機器と食器のバランス、提供メニューの数、席数によって大きく変動します。
予算の考え方
厨房機器に多くを割く必要がある業態(例:ラーメン店、焼肉店)
調理器具・設備に重点を置いた配分に。
料理の盛り付けや雰囲気重視の業態(例:カフェ、フレンチ、創作和食)
食器のデザインや種類にも予算を割きましょう。
コストダウンのポイント
新品 vs 中古の使い分け
見た目や耐久性を重視する食器類は新品で、バックヤード用の調理器具などは中古を活用するのが賢明です。
セット購入による割引を活用
テンポスなどでは、まとめ買い割引や開業セット商品が用意されています。
レンタル・リースの活用
大型機器(冷蔵庫、製氷機など)はリースを活用すれば初期投資を軽減できます。
優先順位を決める
すべてに完璧を求めず、「料理に直結する部分」や「お客様の目に触れる部分」を最優先に選びましょう。
補助金や助成金の活用
各自治体や商工会議所が実施する支援制度も調べてみましょう。
設備投資に使えるケースもあります。
コストをかけるべき部分と節約すべき部分をしっかり見極め、長期的な運営に耐える設備投資を心がけることが重要です。
開業後に「足りなかった!」を防ぐには?
プレオープンを実施する
実際に営業してみることで、オペレーションの不備や不足品が明確になります。
簡易メニューでのテスト営業や、知人を招いた招待営業などを活用しましょう。
スタッフと相談する
調理やホール業務を行う人の意見は非常に参考になります。
実際に使う立場の視点で「足りないもの」や「あると便利なもの」を洗い出すことができます。
想定導線をチェック
開業前の段階で実際の厨房・ホールの導線をシミュレーションし、どこで何が必要になるのかを具体的に検討しましょう。
器具の置き場所や動線上の障害を事前に確認することで、開業後の混乱を避けられます。
チェックリストを活用する
事前に必要な食器・調理器具のリストを作成しておき、実際の作業に照らし合わせながら確認することで、漏れを最小限に抑えられます。
他店舗の事例を調査する
同業種の既存店舗や成功している飲食店の事例を調べて、「最初に何を用意していたか」「開業後に追加購入したもの」などを参考にするのも有効です。
まとめ
飲食店を開業する際、食器や調理器具の準備は、見た目やコストだけでなく、使いやすさや耐久性、収納のしやすさといった実務面も考慮することが非常に重要です。
これらはお客様の満足度やスタッフの作業効率に直結し、店舗運営の基盤を支える「縁の下の力持ち」と言えます。
まずは「業態に合った基本的な食器・調理器具を必要数揃えること」がスタート地点。
多すぎても管理が大変ですが、少なすぎると営業中に慌ててしまうので、席数の2〜3倍の数を目安にするのがおすすめです。
さらに、開業前のプレオープンやスタッフの意見を取り入れて、現場の声から必要なものを見極めていく柔軟な姿勢が成功の鍵になります。
購入時は耐久性や洗いやすさ、収納性、デザインの統一感を重視しつつ、予算に応じて新品と中古を上手に使い分けましょう。
購入先としては、専門店や業者、信頼できるオンラインショップ(例えばテンポスバスターズ)を活用し、実物を確認しながら納得できるものを選ぶことが大切です。
また、初期費用を抑えるコツとしては、セット購入やレンタル、助成金の活用も検討しつつ、「お客様の目に触れる食器は妥協せず、バックヤードの器具はコストを抑える」など優先順位をつけて計画的に揃えることがポイントです。
最後に、準備は「完璧」を目指しすぎず、まずは必要最低限から始めて、営業を通して足りないものを補充・改善していく段階的なアプローチが賢明です。
これにより無駄なコストや手間を避けながら、安定した店舗運営が可能になります。
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