東京で飲食店を開業する際、メニューや立地と同じくらい大切なのが「椅子選び」です。
椅子はお客様が長時間触れるものであり、快適さやデザイン性だけでなく、回転率や売上にも直結します。
・「居抜きに残っていたから」
・「安かったから」
という理由だけで選ぶと、思わぬ失敗につながることも。
本記事では、飲食店専門の内装会社スタジオテンポスの視点から、サイズ・素材・形など椅子選びの基本を解説します。
目次
椅子のサイズ選びで「滞在時間」と「回転率」が変わる
椅子のサイズは、飲食店の経営に大きな影響を与えます。
例えば、座面が広く背もたれが高い椅子はリラックス感を与え、長時間の滞在につながります。カフェやダイニングバーでは有効ですが、回転率を重視するランチ主体の定食屋には不向きです。
一方、座面が小さく軽量な椅子は出入りしやすく、短時間利用に適しています。テーブルとの高さのバランスも重要で、一般的には座面からテーブルまで30cm前後が快適な基準とされます。
スタジオテンポスでは業態や商圏に合わせた最適な椅子サイズを提案し、回転率と居心地のバランスを実現しています。

椅子の素材で変わる「印象」と「メンテナンス性」
素材選びは、椅子の雰囲気と運営コストに直結します。
木製の椅子は温かみがあり、ナチュラルな印象を与えますが、水や油汚れに弱いため定期的な手入れが必要です。金属製はモダンでスタイリッシュですが、冷たさを感じやすいためクッション性の工夫が求められます。
合皮(レザー)は清掃性に優れ、日常的なメンテナンスが容易なため飲食店では人気の素材です。ただ、夏は蒸れやすく冬は冷たいので業態や設置場所によっては考慮することが必要です。
布張りは温かみがあり、高級感を演出できます。ただ、シミがつくと目立ちやすいため長期的には張替えコストがかかることも。
スタジオテンポスでは、素材のデザイン性と耐久性の両立を重視し、店舗ごとにどんな素材が良いか、内装デザインとの調和する椅子選びをします。

椅子の形で「雰囲気」と「客層」をデザインする
椅子の形は、店の世界観を決定づける大切な要素です。
背もたれ付きの椅子は安定感があり、ファミリーやシニア層に好まれます。スツール型は軽量で動かしやすく、バーや立地回転型の店舗に適しています。
また、アームレスト付きの椅子は長時間滞在を想定するレストランに向いていますが、席間隔を広く取る必要があります。さらに、カウンター用のハイチェアは、視界を広げて活気を演出できる一方で、安定性や安全性の確保が重要です。
椅子の形は「誰をターゲットにするか」と直結しています。
スタジオテンポスでは客層・滞在時間・利用シーンを基準に最適な形を提案しています。
客単価に合わせて椅子を選ぶ
椅子は商圏や立地だけでなく、【客単価】に合わせて選ぶことが重要です。
例えば、客単価が高いフレンチやイタリアンで背もたれのないスツールを使うと、落ち着いて食事ができず、お客様は「価格と居心地が釣り合わない」と感じてしまいます。
逆に、低単価で回転率を重視する定食屋やラーメン店で、クッション張りの椅子やアームレスト付きの椅子を使うと、座り心地が良すぎて回転率が下がり、売上に悪影響を及ぼします。
つまり、
・「高単価=ゆったりできる椅子」
・「低単価=短時間利用向けの椅子」 が基本です。
スタジオテンポスでは、客単価・業態・ターゲットを分析し、最適な椅子を提案することで、売上につながる空間設計を実現します。
▼椅子の形別導入事例

デザイン性と実用性を両立する椅子選びの工夫
椅子はデザイン性だけでなく、実用性とのバランスが必要です。
写真映えするデザイン性の高い椅子はSNSでの拡散効果が期待できますが、重すぎて動かしにくい椅子や掃除が大変な形状は、運営面で負担となります。
特に狭小物件の多い東京では、軽量でスタッキングできる椅子を採用することで、営業時間外の清掃やレイアウト変更がスムーズになります。
さらに、椅子の色や形を一部変えるだけでも、空間にリズムが生まれ、視覚的な訴求力が増します。スタジオテンポスでは「魅せる椅子」と「使いやすい椅子」の両方を考慮した提案を行い、店舗の魅力を最大化しています。

▲とんかつ屋の例。
ワンオペでも掃除がしやすいよう、軽くて移動しやすい椅子を採用。
安っぽく見えないように布生地を張地にし、内装と調和する白木の素材でスタイリッシュに。
まとめ
飲食店の椅子選びは「サイズ」「素材」「形」の3要素を軸に、商圏や客層に合わせて検討することが成功のカギです。単に居抜きで残っているから使うのではなく、戦略的に椅子を選ぶことで回転率や売上に直結します。
スタジオテンポスは、内装設計と家具選定をトータルでサポートし、東京の競争が激しい飲食市場でも「選ばれる店づくり」を実現します。