飲食店を始めるにあたって、まず必要になるのが「厨房用品」です。厨房用品は単なる道具や小物ではなく、料理のクオリティや提供スピード、そしてスタッフの働きやすさを左右する“お店の心臓部”ともいえる存在です。
しかし実際には、「何から揃えればいいのか分からない」「新品と中古、どちらを選べばいいのか」といった疑問を抱える人も多いはず。特に開業直後は資金が限られているため、選び方を間違えると「使いにくい」「すぐ壊れる」「追加で買い直し」という事態になりがちです。
本記事では、厨房用品の基本的な考え方から、大型機器や調理道具の選び方、業態ごとの注意点、さらにコストを抑えながら賢く揃える方法まで、プロの視点で解説していきます。

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目次
厨房用品とは?基本の考え方
まず整理しておきたいのが、「厨房機器」と「厨房用品」の違いです。
- 厨房機器:冷蔵庫、製氷機、ガスレンジ、フライヤー、食洗機などの大型設備
- 厨房用品:鍋や包丁、まな板、ざる、バット、トング、食器、調理小物などの道具類
一般的に「厨房用品」というと、大小さまざまな調理器具や道具を指すことが多いですが、飲食店経営の現場では「大型機器」と「小物用品」を分けて考えることが大切です。
さらに厨房用品は次の2つに分類すると管理しやすくなります。
- 消耗品:まな板、トング、菜箸、ペーパータオルなど → 定期的に交換が必要
- 耐久品:包丁、鍋、フライパン、ホテルパンなど → 長期的に使う前提で選ぶ
この考え方を持っておくと、開業時に何を新品で揃えるべきか、中古でも良いものは何かが判断しやすくなります。
厨房用品を選ぶ際の共通ポイント
厨房用品を選ぶ際には、以下の4つの視点が欠かせません。
【1】衛生管理のしやすさ
飲食店において衛生面は最優先。抗菌まな板やステンレス製のざる・バットなど、洗いやすく菌が繁殖しにくい材質を選ぶことが基本です。
特に包丁やまな板は業態ごとに使い分けが必要で、色分けで管理すると食中毒防止にもつながります。
【2】耐久性とコストパフォーマンス
消耗品は安価なものでも十分ですが、鍋やフライパン、包丁など使用頻度の高いものは耐久性を重視しましょう。
安価なものを買っても、数ヶ月で買い替えになれば結果的にコスト高となります。
【3】作業効率を高められるか
調理から盛り付けまでの流れをスムーズにする道具を選ぶことで、提供スピードが上がり、人件費の削減にもつながります。
例えば、重ねられるホテルパン、ワンタッチで開閉できる調味料入れなどは、現場での時短効果が大きいです。
【4】業態とのマッチング
居酒屋、ラーメン店、カフェ、寿司店など、業態によって必要な厨房用品は大きく異なります。
例えばラーメン店なら寸胴鍋とスープ用の漉し器が必須ですが、カフェならエスプレッソ周りの小物やベーキング用品の方が重要です。
厨房機器&調理道具の選び方と業態別の注意点

厨房機器

飲食店に欠かせない厨房機器には、冷蔵庫・製氷機・ガスレンジ・フライヤー・食洗機などがあります。
厨房機器は一度導入すると10年以上使うケースも多く、選定ミスは「日々の作業効率」と「ランニングコスト」に直結します。
【選び方のポイント】
- 設置スペースと搬入経路
・よくある失敗が「厨房に入らない」「通路を塞ぐ」ことです。
・設置スペースの寸法だけでなく、搬入口の幅や階段の有無を必ず確認しましょう。
- 電源・ガス・排水の容量確認
・200V専用機器や三相200Vなど、電源工事が必要な機器もあります。
・製氷機・冷蔵庫などには排水が必要です。排水口が遠いと工事費が高額になることもあります。
- メンテナンスのしやすさ
・床置き冷蔵庫はフィルター清掃口が前面にあるかどうかで、日常清掃の手間が大きく違います。
・フライヤーは油槽が取り外しやすいかどうかで作業効率が段違いです。
- 保証・アフターサービス
・中古を買う場合でも「保証付き」「整備済み」のものを選ぶと安心です。
・製氷機や食洗機は故障が営業停止につながりかねないので、修理対応の速さを確認しておくべきです。
【業態別の注意点】
- ラーメン店:
スープを安定的に炊き続けるための強火力ガスレンジが必須です。冷蔵庫も寸胴鍋ごと入るサイズが望ましいです。
寸胴鍋を複数使うため、レンジは「強火力&安定供給」が必須です。さらに「スープこし器」「麺茹で機(湯切り付き)」の性能が提供スピードを左右します。
- 居酒屋:
ドリンク需要が多いため、製氷機の容量不足は大きな失敗につながります。氷が切れると営業が回らなくなるため、余裕あるサイズを選びましょう。
多品目を少人数で調理するケースが多いため、作業効率を重視しましょう。
バットやホテルパンを規格で揃えると仕込み・保存・盛り付けがスムーズです。
- カフェ:
冷蔵ショーケースでデザートやドリンクを魅力的に演出しましょう。
ドリンク系の小物(シェーカー、メジャーカップ、バリスタツール)を忘れがちなので注意しましょう。
デザートや焼き菓子を扱う場合は「小型オーブン」「シリコンモールド」などベーキング用品が重要です。
- 寿司店:
ネタケースと冷蔵庫の性能が売上に直結します。鮮度保持機能や温度ムラの少ない機種を選ぶべきでしょう。
包丁とまな板の使い分けが命です。生魚を扱うため、衛生用品(アルコールスプレー、殺菌灯付き包丁差し)が欠かせない。
調理道具

日々の調理を支えるのが包丁・鍋・フライパン・ざる・バットといった調理道具です。
調理道具は「料理の質」と「スタッフの作業効率」に直結します。
【選び方のポイント】
- 包丁:
洋食:牛刀、筋引き、ペティナイフ
和食:柳刃、出刃、薄刃
中華:中華包丁(1本で万能だが重さがある)
用途別に専用の包丁を揃えましょう。
ポイントは「最低限必要な種類を、信頼できるブランドで揃える」ことです。安物を買い揃えるより、職人が研ぎ直して使えるレベルのものを厳選した方が長期的には得です。
- 鍋・フライパン:
洋食:ソースパン(小鍋)、スープ鍋、ソテーパン
中華:中華鍋(鉄製が主流。IH対応なら底平タイプ)
和食:雪平鍋(土鍋も業態によって必須)
素材ごとの特徴を理解し、使い分けることで調理の幅が広がります。
アルミは軽くて扱いやすいが変形しやすく、ステンレスは耐久性が高いのが特徴です。
また、IHかガスかによって素材の相性が変わります。
- 消耗品:
トング、まな板、ゴムベラなどはまとめ買い+色分け管理。
食中毒対策で「肉用トング」「魚用トング」を色で分けるのはプロの常識です。
まな板やトングは定期交換を前提に、まとめ買いでコストを抑えると良いでしょう。
【業態別の注意点】
- 洋食店:オーブン調理に耐えるホテルパンや耐熱容器が必須です。
- 和食店:木製まな板や飯台など伝統的な道具を揃えると仕上がりが格段に変わります。
- ファストフード店:大量調理を効率化するために、大鍋やフライヤーの油こし器などを重視しましょう。

プロがやっている配置の小ワザ
- 「磁石付きフック」で金属壁にトングやレードルを吊るす → スペース効率アップ
- 「ホテルパンのサイズ統一」で冷蔵庫から取り出してそのまま加熱・提供できる
- 「調味料の色ラベル化」で新人スタッフでも迷わない
- 「仕込み台下にキャスター付きストック収納」を置き、補充の手間を削減
コストを抑える賢い調達方法

新品と中古の使い分け
- 包丁・まな板など衛生面に直結するもの → 新品推奨します。
- 鍋・バット・ホテルパンなど耐久性のあるもの → 中古でも十分です。
中古厨房用品ショップの活用
中古厨房用品の専門ショップなら、整備済み・保証付きの中古品を購入可能です。
新品の半額以下で手に入るケースも多く、開業資金を大幅に節約できます。
リース・レンタル
製氷機や食洗機など、高額な機器はリースで導入する方法もあります。
開業初期の資金繰りに余裕を持たせられる点がメリットです。
まとめ買い・オンライン購入
消耗品はオンラインショップでまとめ買いすることで単価が下がり、ランニングコストを抑えられる場合もあります。
関連記事:厨房用品専門店のおすすめはどこ?各社の店舗数から見る規模の特徴や開業の流れも含めて解説!
導線を考えた厨房用品の配置ノウハウ
厨房用品は揃えるだけでは意味がなく、配置の工夫が売上に直結します。
調理動線の基本:
「冷蔵庫 → 下処理 → 加熱調理 → 盛付け → 提供」
ワンアクション配置:
包丁やトングなど使用頻度の高い道具は、取り出しやすい位置に設置します。
「引き出しに入れる」より「吊るす・立てる」ことが効率的です。
洗浄動線:
食洗機と食器棚の位置関係はホールとの連携を左右します。
業態ごとの実例
・ラーメン店:丼を提供口の近くに置くと提供スピードが格段に上がる
・居酒屋:ドリンクカウンター横に製氷機とジョッキ洗浄機を設置すれば無駄な動きが減る
まとめ
厨房用品は「何を揃えるか」だけでなく、「どう選び、どう配置するか」でお店の効率や売上が変わります。厨房の大型機器は業態ごとの必須ポイントを押さえ、調理道具は耐久性や使い勝手を意識して選びましょう。
また、新品と中古を賢く使い分けることで、開業資金を無理なくコントロールすることも可能です。
厨房用品選びは、飲食店経営のスタートを左右する大切な工程。専門ショップの知見を活用しながら、自店に最適な道具を揃えていきましょう。
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