パン屋を開業すると、毎日が新しい気づきと課題の連続です。
売上よりも「仕込み」や「体力」のほうが問題になる日もあります。
でも、そこに“続けるためのコツ”が隠れています。
今回も、見習いのユミさんと師匠の対話形式でお届けします。

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目次
■ 売上より大事な「仕込み量コントロール」

パン屋を続けるうえで最初にぶつかる壁――それが“仕込み量”です。
実は、開業直後ほど「売上よりも仕込みの精度」のほうが店の未来を左右します。
ここでは、ユミさんと師匠の会話を通して、その考え方をわかりやすくお伝えします。
● 「作りすぎ」と「売り逃し」はどちらも損
ユミ「師匠…毎朝、どれくらい仕込めばいいのか自信がなくて。多く作りすぎた日は廃棄が出るし、少なすぎるとすぐ売り切れて“もっと欲しかった”って言われちゃって…」

師匠「最初は誰でもそこに悩むよ。パン屋にとって“作りすぎ”と“売り逃し”は、どっちも同じくらい痛いんだ。だからこそ、売上より“仕込み量のバランス”が大事になるんだよ。」

● 見るべきは「売れた数」より「売れなかった理由」
ユミ「でも、毎日読めなくて…。天気でも変わるし、平日と土日でも違うし…。」
師匠「だからこそ“当てにいく”んじゃなくて“分析して微調整する”んだよ。大事なのは“売れた数”じゃなくて“売れなかった理由”なんだ。」
ユミ「売れなかった理由…?」
師匠「そう。たとえば、
・焼き上がりが遅くて売り逃した
・いつも買う常連さんが今日は来なかった
・雨で人通りが少なかった
こういう情報を毎日メモしていくと、1〜2週間で“店のクセ”が見えてくるんだ。」
● 仕込みは「当てる作業」ではなく「調整の仕事」
ユミ「なるほど…なんとなく作るんじゃなくて、ちゃんと理由を探すんですね。」
師匠「そう。仕込みって、正解をズバッと当てるゲームじゃないんだよ。昨日と今日の差を少しずつ調整していく仕事なんだ。」
ユミ「調整の仕事…たしかに、それなら怖くないかもしれません。」
師匠「その通り。小さな変化を積み重ねていけば、やがて“外さない仕込み”ができるようになる。売上よりも大事なのは、そこをつくる力なんだよ。」
開業直後は不安が多いものですが、「毎日の微調整」を続けることでお店のリズムは必ず見えてきます。
仕込み量のコントロールこそ、パン屋の未来を支える大事な土台なのです。
■ 開業して3ヶ月でつまずく理由

開業してしばらくすると、多くの人が共通して“疲れ”の壁にぶつかります。
実は、この3ヶ月というタイミングには理由があります。
ここでは、ユミさんと師匠の会話を通して、その原因と解決のヒントをお伝えします。
● 「毎日ヘトヘト」になるのは普通のこと
ユミ「師匠…最近もう毎日ヘトヘトで…。最初の頃は楽しくて走り続けてたんですけど、体力がついていかなくなってきました。」
師匠「3ヶ月でそう感じるのはごく普通のことだよ。勢いだけで乗り切れる時期がちょうど終わるころだからね。」
ユミ「勢い…たしかに、最初は“やりたい”って気持ちだけで動いてました。」
師匠「でも店は、勢いじゃ続かない。続く店は“疲れない仕組み”を作るんだよ。」
● “仕組み”がないと、どんな人でもバテる
ユミ「疲れない仕組み…ですか?」
師匠「そう。たとえば、
・仕込み量を毎日見直して“無駄な作業”を削る
・営業日や営業時間を無理なくできるラインにする
・体力を奪うメニューを減らす
こういう“負担を下げる工夫”をしていかないと、必ず息切れするんだ。」
ユミ「たしかに、全部“気合い”で続けてました…。休みも削ってましたし。」
師匠「休みを削るのは、最初はできる。でも続かない。店を長く続ける人は“無理をしない工夫”をしてるんだよ。」
● 3ヶ月つまずき問題は「弱さ」ではなく「仕組み不足」
ユミ「じゃあ私が疲れてるのは、根性がないからじゃないんですね…?」
師匠「全然違うよ。根性の問題じゃない。開業して3ヶ月で苦しくなるのは“仕組みが整っていないだけ”。誰でも同じだよ。」
ユミ「そう言ってもらえると、少しホッとします。」
師匠「無理を続ける店より、工夫して疲れにくくしていく店が勝つ。これが開業3ヶ月の一番大事な学びなんだよ。」
開業して3ヶ月は、勢いだけでは乗り越えられない“現実の波”が押し寄せてくる時期です。
でも、それはあなたが弱いからではありません。
疲れにくい仕組みを作れば、店の続け方は必ず変わっていきます。
■ 続けるパン屋になるための“3つの習慣”

パン屋は“続ける力”が何より大事な仕事です。
急に大成功するより、毎日少しずつ改善しながら積み重ねていくお店が、結果として強くなります。
ここではユミさんと師匠の会話を通して、“続けられる店”になるための3つの習慣を見ていきます。
● 1. 毎日の“微調整”を欠かさない
ユミ「師匠、長く続けるために今できることってありますか?」
師匠「もちろんあるよ。まずは“毎日の微調整”。昨日の仕込みが多かったなら今日は少し減らす。焼き時間をちょっと変えてみる。お客さんの流れに合わせて並べる順番をいじってみる。」
ユミ「そんな小さいことでいいんですか?」
師匠「むしろそれが大事なんだよ。パン屋は“微調整の積み重ね”でどんどん働きやすくなるんだ。」
● 2. 設備のメンテを後回しにしない
ユミ「たしかに最近、オーブンの調子がちょっと不安定で…。」
師匠「それは放っとくと危ないよ。設備が止まると営業が止まる。パン屋は特にオーブン、ミキサー、冷凍庫の3つが命綱なんだ。」
ユミ「でも忙しいとつい後回しに…。」
師匠「忙しい時こそメンテだよ。月に1回でいいから“全部ちゃんと動いてるか”のチェックをする。それだけでトラブルの8割は防げるんだ。」
● 3. お客さんの声を“拾い方”で武器にする
ユミ「お客さんの声も大事ってよく聞きますけど、どう受け取ればいいのか迷うんですよね。」
師匠「全部を真に受ける必要はないよ。でも、常連さんの何気ない一言にはヒントが多い。“ちょっと固めが好き”“小さなサイズがあったら嬉しい”なんて声は、ときに新しい看板商品につながるんだ。」
ユミ「たしかに、よく話しかけてくれるお客さんっています。」
師匠「そういう人の声は宝だよ。“何が求められているか”を知る一番の近道だからね。」
ユミさんのように、特別な才能がなくても大丈夫です。
毎日の微調整、設備メンテ、そしてお客さんの声――この3つを習慣にすれば、パン屋は必ず強くなります。
焦らず、一歩ずつ続けていきましょう。
■ まとめ:店は“続ける工夫”で強くなる
開業後の数ヶ月は、とにかく毎日の判断や作業に追われやすい時期です。
しかし、店が強くなるかどうかは「がんばる量」ではなく、「続ける工夫」を積み重ねられるかどうかで決まります。
ここでは、ユミさんと師匠の会話を通して、その本質をまとめます。
● “続ける工夫”が店を育てる
ユミ「師匠、今日いろいろ話してわかったんですけど…店って“がむしゃらにやる”だけでは続かないんですね。」
師匠「その通り。続ける店はね、“頑張り続ける店”じゃなくて、“頑張らなくても回る仕組みを作った店”なんだよ。」
ユミ「仕込みの調整とか、疲れない仕組みとか、毎日の習慣とか…小さいことの積み重ねなんですね。」
師匠「そうそう。店は急に良くならない。でも、小さな工夫を毎日やれば、気づいた頃には“前とは比べものにならないほど働きやすい店”になっているんだ。」
● 無理を減らすほど、長く続く
ユミ「私、正直“気合いでなんとかする”って考えてました…。」
師匠「気合いはスタートダッシュには必要だけど、長距離には向いてない。パン屋はマラソンみたいなもんだよ。疲れないフォームに変えないとゴールにたどり着けない。」
ユミ「じゃあ、私が今疲れてるのって…失敗じゃなくて“見直しのサイン”なんですね。」
師匠「その通り。それに気づけた時点で半分成功しているよ。」
● 小さな変化の積み重ねが未来をつくる
ユミ「今日の話、すごく前向きになれました。明日から、少しずつ工夫してみます。」
師匠「うん、それでいい。毎日の微調整、設備メンテ、お客さんの声…。そういう“続ける工夫”を積み重ねた店が、最終的に強くなるんだ。」
ユミ「焦らず、でも止まらず…ですね。」
師匠「その気持ちが一番大事だよ。」
店は、急に成功するものではありません。
でも、今日の小さな一歩が、半年後・一年後の“働きやすさ”と“続けやすさ”を大きく変えます。
あなたのお店も、明日の小さな改善から強くなっていきます。焦らず、確実に進んでいきましょう。

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