【ラーメン店・徳島NOODLEぱどる】「いつか自分の店を持ちたい」と修行も準備もせずに開業!その後、店主が苦悩の末たどり着いた「納得のいくスープ」でつかんだ成功秘話とは

出店・開業

元住吉駅から450mにお店を構える、すき焼き風味の美味しいお肉の乗った、ごはんと合わせても美味しい徳島ラーメンが売りの『徳島NOODLEぱどる』。

TRYラーメン大賞にも輝き、食べログでは★3.59、ラーメンデータベースでは91.327ポイント(2023/11/7現在)を獲得しています。

奥様と二人三脚で歩んできた『徳島NOODLEぱどる』の開業から現在のような人気店に至るまでの苦労話や失敗談、今後の展望から今後ラーメン屋開業を目指す方へのアドバイスなどを伺いました。

開業までの経緯

やるなら「徳島ラーメンがいいな」

18歳まで徳島県にいて、何のあてもなく上京をしたという坂井さん。
ふらふらしながら過ごし、26歳の頃、中華料理屋でバイトをして「いつか自分のお店を持ちたい」と漠然と思いながら過ごしていました。

36歳頃、40代を手前にして、やりたいと思っていた飲食店をやるなら生まれ育った「徳島ラーメンをやりたいな」と思い立ったそう。しっかり考えて開業しようというより、ラーメン店で修業もしていないし、40代手前になった今、「40歳を超えるとお金が借りにくくなる」と聞いていたので、ちょっと焦りつつも、まだ何をやっていいか分からなかったそう。

まずは、働きながら「物件探し」をしていて、ネットで内見できるところを探し、「新規でラーメン屋開業」希望で50件くらいメールを送りましたが、まったく返事が返ってきませんでした。
しかし、1通だけ返信があり、それが今の店舗だったとのこと。

「どこで融資を受ければいいか」わからなかった坂井さんは、ネットで検索し、「PR」で出てきたところで融資を受けて開業。
それが、思い立ってから半年くらいでの開業でした。

屋号の由来は奥様の趣味から

屋号の由来は、奥様が大のミスチルファンだったことから。

「パドル」って曲が好きなのでそれをひらがなにして名付けたそう。
「漕がなきゃ沈んでしまう」という意気込みが表現されているとのことでした。

一番人気メニュー:徳島ラーメン並850円(税込)
すき焼き風味の豚バラが美味しいごはんにも合うラーメン

おすすめメニュー:徳島ラーメン並 肉増し 1,200円(税込)
すき焼き風味の豚バラが沢山入った一杯。トッピングに生卵を入れても美味しい!

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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード

未経験からの開業

開店に関しては、オープンの日にちだけ決めて、そこを目標にスープを何度も試作しました。
でも、経験もないし修行もしていないから「何が正解で失敗かもか分からなかった」と坂井さんは言います。

仕上がっても、ガラの入れすぎて焦がしたりとか、スープとたれが合わなくて全然美味しくないラーメンが出来てしまったりとか、何度も失敗をして。

でもオープン日が近づいてきて、焦りながらやっていましたが、オープン日が来ても正直「これだ」と納得できるものが出来ませんでした。

徳島の友人にも食べてもらいましたが「これじゃ厳しいんじゃない?」って言われるぐらいの状態だったそう。
これはもう、旨くない。しかし、オープン日が来てしまい、その状態でオープンするしかなくなってしまいました。

しかし、いざオープンしてみると、意外とお客様からの口コミとかでも悪くなく、残して帰る人もいなくて、「結構美味しかったよ」って言ってもらえて。反応は悪くありませんでした。
開業当時は、『「徳島ラーメン」を食べるお店がほとんどなかったこともあるかもしれないですね。』と坂井さんは語ります。

それでも納得がいっていなかった坂井さんは、スープ作りを繰り返します。
開業後1~2年は、毎日3時間睡眠で、残りの18時間は店で試行錯誤を繰り返す日々。
それでも正解が分からず、「疑心暗鬼」になって答えのほうに向かっている気もしなかったそう。

五里霧中の中の救いの手

でも、そんな状況でも妥協することだけはしませんでした。
開業1年目、まだ「これ」といったスープへの手ごたえがなかった頃でしたが、ラーメンウォーカーさんやTRYさんとかに取材してもらえました。正直「徳島ラーメン」が珍しかったというのが大きかったと思うんです。

そんな中、そういった取材のおかげもあって、横のつながりが出来てきました。
ラーメン店の先輩方に、「どうやってスープを炊いているのか」って聞いてもらうことが出来たんです。
自分のやり方を聞いてもらうと「それは無駄なことやってる」「こういう方が効率がいいよ」と教えてもらえたのが大きかったです。

「水に対して、ガラをそんなに入れたからといって、美味しいものが出来るわけではない」と言われました。僕は、経験もないし、知らなかったので「足し算のラーメン」作りになっていた。
材料費はかかるし、すぐ濃くなって作ったスープを捨てることになるし、儲けが全くない状態でした。毎月売っても売っても赤字になっていく感じ。

しかし、先輩たちのおかげで、修行していなかったから「スープにガラをいっぱい入れりゃうまくなるだろう」と思っていましたが、そうじゃなかったと知ったのです。

見えてきた「答え」への道筋

いちばん力になってくださったのは「ラーメン星印」の沖崎さんでした。「スープに入れるガラは、鶏だったらいちばん動く部分が運動していて味が出る」とかいろんなアドバイスをいただきました。

そこからやっと「答え」という道筋が見えてきたんです。
答えに向かい、スープの作り方を学ばせてもらいました。
どこかで修業したということではないけれど、アドバイスをもらいながら試行錯誤でやってきましたた。

正直に「ラーメン星印」の沖崎さんが作るラーメンが好きだったんです。実際によく食べに行っていました。その際は、こちらから声をかけたわけではなくても、向こうから気が付いてくれました。
それから一緒に飲みに行くようになり、その際にいろいろなアドバイスをもらうようになりました。

また、「麺やでこ」の中島さんには業者を紹介してもらいました。
「いろんな人から救ってもらいながらやってきました」と坂井さんは力強く語りました。

カウンター7席で行列は必至です。

開業してみてはじめてわかったこと

焦りと間違っていた「ゴール」

自分の中で「40歳くらいまでに店を持ちたい」という焦りもあったと思います。
「開業」がひとつの目標になっていて。そこがゴールって勘違いが起きていました。
物件にしてもまったく相手にしてもらえず商店街のはずれの位置で立地としてもよくない状態でした。

その物件は僕の前にラーメン店が4回も閉店している物件だったんです。しかも、1年以上持った店がなかったほどだったようです。
近所のお店の人にも「解約金払ってでも解約してこい。不動産屋に騙されてるんだよ」と言われるほどでした。

根拠のない自信で突っ走りました

けど、人の通りがないわけじゃないし「何とかなるだろ」と思ってしまって。逆に「見返してやる」っていう気になって。
とにかくここで決めちゃったし引き下がれないっていうのもありました。

そこに腕もないのに「旨かったらきっと人も来るだろう」って変な自信があったんです。
うまかったら場所とか関係ない。っていう。
しかし、オープンしてからが地獄の始まりでした。「毎月必死に働いても、運転資金が減り続け精神的にも眠れない日が続きました。」と坂井さんは苦笑します。

後悔と反省

今となって分かったのですが、本当にいろんな人に助けてもらって、「僕は運が良かった」と思います。
しっかり修行して準備して、ここの街には若い人が多いなとか、働き盛りのサラリーマンの方が多いなとか、主婦が多いなとか、そういった人たちに合わせてラーメンを作るとか。

「きちんとそういったことを調べて理解してちゃんとやらないといけないな」と。
また、「旨いラーメン作ったら来てくれるだろ」と思っていたけど、そんなことではないな、ということが今になって身に染みてよく分かりました。

自分のラーメンを美味しいと思えるようになった

「自分のラーメンを、美味しいと思えるようになったのは、ここ2~3ヶ月です」と坂井さんは言う。

3年目までは。まかないのラーメンも半分くらい残していました。自分のスープに自信がなくて疑心暗鬼になっていたから、美味しいと感じなかった。それで自信がどんどんなくなっていったんです。
でも、ここ半年、2~3ヶ月前位から、自分のラーメンを食べていて「うまいな」と思えるようになりました。完食完飲できるようになったんです。

ようやく、「先輩方のアドバイスを味に変換できるようになったんだな」って思っています。
ここに到達するまでに、ガラも何回も変えましたし、鶏だけ豚だけ両方とか比率とか、醤油もブランドも変えましたし。創業から毎日試行錯誤して、やっと納得がいくラーメンができるようになりました。

奥様との二人三脚で、ようやくたどり着いた納得の一杯を作り上げます。

テンポスとのかかわり

横浜西口店の永島さんにお世話になっています。
1年前くらいにゆで麺機が壊れちゃって。その頃半導体不足で半年待ちとかで、「麺やでこ」の中島さんから紹介してもらったのがきっかけです。

中古ではありましたが、納得のいく商品を見つけられて。2日で用意できるということで、取り付けまで親身になってやってもらって、すごく恩を感じています。

今年の夏も製氷機が壊れて、永島さんに言ったら一生懸命探してくれて、二日くらいで探して取り付けに来てくれました。本当に助かっています。お盆ギリギリだったので困り果てていたのだけども。対応してもらえて助かりました。

今後の展望・開業する方へのメッセージ

今後の展望

今後の展望は「徳島ラーメンじゃないラーメンを展開していきたいな」という野望があります。
まずは。従業員を探さないと出来ないのでそこからですね。
現在、平日は妻と2人で、土日はバイトの人にも入ってもらっています。

妻には本当に申し訳ない。四六時中一緒にいたくないだろうけど、ぶつかりながらも一緒にやってくれていて。
「本当に大変です。」しかし、大変ですけど妻には本当に感謝しています。「いてくれなかったら営業できないので。」と坂井さんは感慨深げに語ってくれました。

「7席しかない狭い店舗なので、少し大きい店舗に移転したいなとは思っていますね。従業員も増やして。」と展望についても坂井さんは力強く語ってくれました。

開業する方へのメッセージ

開業はゴールじゃない

開業するのがゴールではない。誰でも夢を持って開業まで頑張ると思うんですけれど、それは違います。
僕は準備しないで開業したので、開業してからが「後悔と失敗の連続」で、赤字が続き、大変で何ひとつうまくできなかったので。

修行するなり勉強するなり後悔がないようにちゃんと準備して「これで失敗したらしょうがないだろう」と思えるくらい準備したら開業してもいいと思います。

「勢いだけで開業してもうまくいくわけないじゃん」って今ひしひしと感じていますので。と笑いながら坂井さんはお話してくれました。

まとめ

夢と勢いで開業をした坂井さん。
「飲食店をやりたい」という思いから開業自体がゴールになってしまっていて、納得のいくスープが出来ないままオープンを向かえてしまいながらも、その後、妥協することなく「これだ」と思えるスープを追求し続けた姿勢が、お客様から愛されるお店へと進化させたのだろうなと考えさせられました。

印象に残ったのは「開店がゴールじゃない」そして「いろんな人から救ってもらいながらやってきました」という言葉と、奥様への感謝です。

「ラーメン店の先輩や、奥様など人に恵まれいろんな人に助けられてやってきました」と語る坂井さんですが、ご自身のその「ほがらかな雰囲気」が人を集めるのだろうなと思いました。

これからラーメン店開業を目指す方々にとって「開業」がひとつの目標点になって来るとは思います。しかし、それはあくまで一つの通過点でもあり、そこからが新たな道の第一歩となるスタートです。

十分な準備と勉強や修行をひとつひとつ積み上げていき、自分の目指すラーメン店、美味しい一杯を目指して頑張っていきましょう。

テンポスドットコムでは、様々な視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!

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#取材協力
店名:徳島NOODLEぱどる
店主:坂井征史氏
住所:神奈川県川崎市中原区木月3-13-30
TEL:044-750-8449(予約不可)

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