【ラーメン店・麺屋つくし】「味噌ラーメンを地元富山でもっと広めたい。」北海道・札幌の名店「すみれ」から「のれん分け」後の成功秘話とは?

出店・開業

富山地鉄バス「太郎丸口(郊外方向)・富山市民病院前・富山市民病院口」 各バス停から徒歩約2分の立地にある、ラーメン店「麺屋つくし 本店」。2005年にオープンして以来、『ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版』で「ミシュランプレート(調査員おすすめ)」に選出や「富山県食べログラーメンランキング1位」を受賞などした実力店となりました。店主は、北海道・札幌にある味噌ラーメンの名店「すみれ」で10年近く修業を積んだ岩崎均(ひとし)さん。「すみれ」の系譜を継ぐ公認店ですが、地元富山から札幌に行き修行され、ここまで来るには一筋縄ではいかない数多くの苦労があったのです。

開業までの経緯

元々は大手運送会社に就職しセールスドライバーでした。人に雇われるのがあまり好きではなかったので、「いずれ何かをやりたい。」と思っていて、資金を貯めようということで20歳ごろから6年半、給料は高かったですが、寝る暇もないくらい働き詰め。

そんな中、独立を考えていた頃、食べ歩きが好きで、全国を食べまわっていて、ひとまず富山に帰り出直して、今度は東京・横浜に行ったのですが、新横浜のラーメン博物館で、出会ったのが、当時出店されていた北海道・札幌にある味噌ラーメンの名店「すみれ」。15~16時ごろに入館したら唯一行列が出来ていて、「すみれ」を知りませんでしたが、家族ですみれの味噌ラーメンを食べた時、感動と衝撃で思わず無言で顔を見合わせました。急いでラーメンを平らげ、車の中から本店に即電話しました。

弟子入りをしたいとすみれの社長に直訴するも、当時は地元以外からの弟子の受け入れを行っておらず、手紙も出しましたが、3回断られました。その後、「すみれ」の社長に挨拶をしに行こうという目的で札幌に行きましたが、社長には会えませんでした。しかし、たまたま、今はすみれから独立され暖簾分けをされている「麺屋 彩未」の奥さんが店長をやられていて、伝言を残したら「改めて面接をしようか。」という話になり、最終的には、私の押しと熱意に負けて弟子入りを認めてもらえたのです。

体力には自信がありましたが、弟子入り後は、慣れない立ち仕事の連続と素人という立場で、1~2年は工場勤務でした。故郷富山の家を出て退路を断ち、札幌に移住して弟子入りできましたが、最初の2年位はほぼ雑用的な仕事。工場で、当時やっていたお土産用の「すみれ」のストレートラーメンを毎日作っていました。その後、ようやく厨房に入れましたが、3年目くらいで「辞めようかな」と思ったほどきつかったですね。富山から札幌に修行に行くといった他県からの人間は自分だけで、アパートも自分で探し借りていました。妻と子供も一緒に富山から連れていき、弟子入りの面接時に「10年働いたらのれん分けを認める。」ということで、「すみれ」2号店の店長を務め、24時間365日ラーメンに没頭しました。

当時を振り返り、初めて店長になり自分の名刺をもらえたのは嬉しかったですね。今でも取ってあります。(笑)

その後、2005年9月22日に地元富山で念願の独立をして今年で18年になります。出店場所は、味でとことん勝負するために、あえて大きな道路から1本入った人通りの少ない裏路地を選びました。最終的に富山地鉄バス 太郎丸口(郊外方向)・富山市民病院前・富山市民病院口 各バス停から徒歩約2分の立地にオープン。新店ながら「知る人ぞ知る」人気店になったのです。

「麺屋つくし」一番人気の看板メニュー「もつ味噌ラーメン」1,000円(税込)※ほとんどの方が、小ライス170円(税込)も注文をされるそうです。

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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード

東京での開業に憧れもありましたが、地元富山に「すみれ」の味を味わっていただきたいという気持ちが熱く最終的には富山で開業を決めました。

2005年当時、東京ではある程度「すみれ」の知名度はありましたが、北陸で「すみれ」の知名度はそれほど高くはなかったんです。また、地元で「すみれ」の味が受け入れられるかという不安もありました。

開業時には、周囲に富山にも「北海道ラーメン」の有名店が出店されていましたが、今は全て閉店。開業後は、毎日死に物狂いで働いていましたが、「富山では北海道ラーメンが受け入れられないのじゃないか。」という不安は常にありました。また、どこのお店にも言えることかもしれませんが、スタッフがなかなか集まりづらく、今は友達が友達を紹介という流れでなんとか確保が出来ています。

また、物件探しは本当に苦労しました。ロードサイドではやりたくないという思いがあり、「すみれ」のルーツ同様、あえて大きな道路から1本入った人通りの少ない裏路地を選びましたが、半年くらいかかりましたね。

売上に関しての失敗はそれほどなく赤字続きではなかったですが、2020年からのコロナには影響を受けました。他の「すみれ」からの独立店は1店舗での運営はほとんどですが、「麺屋つくし」は3店舗経営。複数店舗経営は人材の事もあるしリスクがあります。しかも富山駅前の「きときと市場とやマルシェのれん横丁」に出店した3店舗目は2020年1月に契約。2020年4月27日のオープンを予定していましたが、4月に緊急事態宣言が発令されたため、実際に6月1日にオープンを延期。閉店させることをいつも考えていたくらいです。外出制限もあり、郊外の本店は常連さんでなんとかなりましたが、駅前は難しい。駅前のオフィスからの来店客も減り1年半くらい赤字が続き苦労しました。

今思うと、企業努力で、富山駅前のソーシャル活用とかスタッフのサービスの向上、味への追求、限定メニューの実施などで認知度を上げる努力をし続けて何とか乗り越えられた感じです。通販はコロナ前からやっていましたが、コロナ禍前は、店舗が忙しすぎて通販は後回し的な存在でしたが、コロナ禍では、外部コンサルタントから1年半くらい勉強をさせてもらい強化をし、外部委託から自社運営にし、カバーの要因となりました。

25席(カウンター11席、テーブル14席)のため、行列が絶えない日が続いています。

開業してみてはじめてわかったこと

本店が『ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版』で「ミシュランプレート(調査員おすすめ)」に選ばれたこと。ミシュランガイド掲載は、「すみれ」からの独立店では「麺屋 彩未」だけ。本当にやっていて良かったなと思いました。「すみれ」では自分はセンスがあったわけではなく素人からの修行だったので感慨深いです。

また、お客様との関係。「すみれ」時代は、対職人的な感じでしたが、常連さんが増えてくると、お客様と話す機会が増えてきて、自分が作ったラーメンを食べ終えたお客様を、自分がレジでお会計をする際に、笑顔が見られたり「美味しかった。また来るね。」なんて言ってもらえたりするのが嬉しかったです。

元すみれ2号店の店長を勤めた後、2005年に「麺屋つくし」を開業。食べ終わるまで冷めないアツアツのスープに溶け込んだ生姜がアクセントで濃厚な味噌味が特徴。店名は『大地に力強く根付き、親しみやすく永く愛される「つくし」の様に、地に根をおろししっかりと育っていきたい、との思いから』だそうです。

テンポスとのかかわり

開業当時からのお付き合いで、富山店にはお世話になっています。今は立山町にありますが富山市内の呉羽にあった時から利用させてもらっています。

「麺屋つくし」開業時、最初は地元の関係者から買っていましたが、鍋に制服(甚平)など、厨房機器関連は9割がテンポスさん。

最近来店できていませんが、電話で店長の細川さんとは仲良くさせていただいており、とてもいい方で相談することもありますね。

今後の展望・開業する方へのメッセージ

自営業を始めて勉強になったのは「人を雇うこと」の難しさです。人それぞれ色んな考えや思いをもっています。
今でも日々勉強させてもらっています。そのおかげで、私も、若い時より人間に深みが出たと思っております。

富山といえば、「ブラックラーメン」のイメージが強く有名ですが、自分は、地元の皆さん、北陸の皆さんの1人でも多くの方にそれを覆す感動をもらった「すみれ」の味を伝えたい一心で店舗を展開しました。
しかし、1店舗と3店舗ではトラブルの多さは倍以上になり、残念ながら儲けは倍になるわけではないのです。
やはり、店舗を増やすとなれば費用は倍以上かかりやり方によっては違う結果もあると思いますが私の場合はそうでした。

そんな中コロナが流行し始め、営業の規制、時間の規制があり、人との距離、ソーシャルディスタンスが設けられなかなか思うように行きませんでした。
そこで、テイクアウトでの冷凍食品の技術の進歩に驚き目の当たりにし、こういったやり方も良いのではないかと感じました。

小さいお子様をお連れのお客様や、歩行困難なご年配の方には、お店にはなかなか出向くことは難しく、テイクアウトならご自宅でもお店の味をそのままに喜んでいただけるのではないかと感じました。お店だけではなくそういった違う目線にも目を向け、テイクアウトや冷凍自販機の販売などをして、地元の方やお世話になった方に恩返しをして行きたいと思います。

とめ

北海道・札幌にある味噌ラーメンの名店「すみれ」で修業後、地元富山に凱旋され、当時定着されていなかった「味噌ラーメン」を軸に2005年にオープンして以来、『ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版』で「ミシュランプレート(調査員おすすめ)」に選出や「富山県食べログラーメンランキング1位」を受賞など、『「すみれ」では自分はセンスがあったわけではなく素人からの修行だったので感慨深いです。』というお言葉が印象的でした。

「若いころの苦労は買ってでもしろ。」というと時代遅れなのかもしれませんが、「当時の苦労があったからこそ今がある。」と強く感じました。また、富山というと「ブラックラーメン」が有名ですが、『それを覆す感動をもらった「すみれ」の味、「味噌ラーメン」をもっと富山に広めて盛り上げたいですね。』というお言葉がとても印象的でした。

地方から上京されて新規開業される方も多いと思いますが、このような経験と心構えが開業後の様々な苦労と困難を乗り越える根源なのかもしれません。ただ「息抜き」も忘れないようにしてくださいね。

テンポスドットコムでは、様々な視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!

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#取材協力
店名:麺屋つくし
店主:岩崎均氏
住所:富山県富山市太郎丸本町3-10-1 第2サクラギビル
TEL:076-423-2941

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