開業支援特集 イタリアン店編 Step02. 事業計画

事業計画

コンセプトが固まったら、事業計画書を作成します。事務的な作業や手続きは、開業予定日よりもはるか前に進めることが重要です。事業計画は具体的なコンセプトを決定する工程のひとつです。その後は、開業手続きや届出の提出などに移りますが、事業計画書の作成はじっくりと進めてください。

事業計画書は、金融機関からの融資を受けるために提出する重要な書類となりますが、自己資金だけで開業する場合でも事業計画は必ず作成するようにしてください。

事業計画はお店のコンセプトや商圏の市場調査や開業にかかる費用、開業時の資金調達、開業後の売上見込みの算出、資金が不足しそうな時に削る箇所などを練りこんでいきます。

計画書の内容はコンセプトと、お店の立地を考えあわせることで具体的に決まります。商圏調査などのマーケティングによって浮かび上がる客層と、お店のイメージが合致するかどうかが解ってきます。損益分岐を把握しているか、資金が不足しそうな時には何処を削るのか、あるいは借り入れを増やすのか。あらゆる条件を視野に入れ作り込んでいくことが大切です。

運営資金を融資してもらう際にも開業計画は重要な役割を担いますので、第三者が見ても理解できるように作成してください。

「資金調達セミナー」では、日本政策金融公庫から公庫担当者を講師に迎え、審査時に見る着眼点や、失敗しない開業の共通点など、事例を交えて審査の重要ポイント「事業計画」作成のコツを解説しています。

開業スケジュール

前準備物件申し込みから引き渡し
約1〜2か月
内装・外装工事期間
約2、3週間〜2か月
工事引き渡し後
約1週間
オープン後
事業計画事業計画
※大方の目安です。大型物件や一からの建設の場合は該当しません。

市場調査

参入業界の調査・分析

参入しようとしている業界の動向を調べておくことはとても重要です。


イタリア料理店の市場は6000億円と言われており、外食産業全体の売上は減少しているなかレストラン業界の売上は年々増加しています。
店舗数は全国に約8000店舗以上あると言われています。
イタリア料理店といっても、カッチリとした高級レストランの「リストランテ」から、大衆向けの「トラットリア」「オステリア」、ピザの専門店「ピッツェリア」などタイプは様々です。
同じイタリア料理店でも、パスタの価格が500円以下に設定されている大手チェーン店や、パスタ単品で5000円台で提供するお店もあります。
また、近年では、イタリア料理店の店舗数増加による競争激化により、パスタ専門店やピザ専門店など、他の店と差別化を図る専門店も増えてきており、より細分化したコンセプト設定も必要になります。
メニューの種類、出店するエリアの価格調査・分析、市場規模、成長率、参入障壁、ポジショニングなどの現状の把握、今後のイタリア料理業界の動向を推測してご自店の開業の方向性・戦略を立ててください。

商圏分析

商圏とは、来店を見込める顧客が日常的に生活している範囲のことです。
商圏の範囲はその店の業態、出店エリアの人口、店舗からの距離、顧客の移動手段や経済状況、競合店の存在などによって変わってきます。
自店を中心とした商圏の中心から辺縁部までの商圏距離は、顧客の移動手段によってその範囲は変化します。
また、「5分~10分」というように移動に要する時間で商圏を表す場合もあります。
都心か地方か、駐車場の有無、エリア生活者の年齢層などの条件の違いによって、距離や時間などが異なってきます。

商圏調査の方法

1. 商圏を確認する
移動時間を想定し、徒歩1分=80mと考え、ご自店を中心に円を描きます(徒歩5分=400m、徒歩10分=800mなど)。 商圏範囲は、下記のように設定するとよいでしょう。

  • 徒歩・・・半径500m
  • 自転車・・・半径1km
  • 自動車・・・半径5km

実際に店までの道のりを移動してみることで、人の流れや障害となるようなものの有無を確認することができます。

2. 統計データ
1で設定した商圏をもとに、商圏調査/人口密度/駅乗降客数/自動車保有台数/学校の生徒数/企業の従業員数など、生活に関わる数値を統計データから把握します。
統計データからは、商圏の規模(居住人口、就業人口、就学人口、購買人口など)と質を見極めることができます。
住民の人数が多ければ「住宅街」、オフィス人口が多ければ「オフィス街」、生徒・学生数が多ければ「学生街」の要素が強い商圏といえます。
各データの数値より、商圏内に存在する会社の業態や特性を調べることにより、ハレ食が多いのか、日常使いが多いのかなどの傾向を読んだり、単価設定の目星をつけたりすることができます。
商圏の特性や人数の把握をしておくことは、コンセプトに沿った開業には必要不可欠です。

統計データは、統計局のHPや、商圏データを扱う会社から調べることができます。

3. 顧客動向と市場調査
店舗の近くに駅がある場合は、時間帯ごとの駅の乗降客数や男女・年齢別人口などを調べたり、実際に店舗前で通行量調査を行うことも有効です。店舗前通行量調査では、時間帯による人数を調べるのですが、性別・年代なども一緒に調べておきましょう。店舗前通行量調査は、朝・昼・晩、平日・休日、晴れの日・雨の日など、様々な条件で行うことをおすすめします。この調査によって、ターゲット層の有無や顧客行動を把握できます。

4. 競合調査
商圏内に「どのような業態の店舗があるか」「顧客層」「価格帯」「メニュー内容」「営業時間」「ピークとオフピークの時間帯」など競合店を調査します。ご自店のコンセプトと重なる店舗は重点的に調査分析します。例えば、低価格をウリにするなら、競合店の価格情報収集は必須です。

特に人気店では、「店の雰囲気」「接客やサービス」「注文してから提供されるまでの時間」「どの味が人気か」などをチェックするようにしてください。
競合店は同業態の店舗だけとは限りません。コンビニエンスストアでさえもライバルとなり得ます。人気店や気になる店舗は時間を変えて何度でも訪問し、魅力になっている点をしっかり分析することが大切です。
競合店での顧客行動を見るためには店舗前通行量調査も有効です。
このような競合調査では、商圏内の消費者がどのような基準で店を選ぶかのを参考にでき、メニュー、価格帯、営業時間など自店の強みとできるような差別化戦略を立てる際に役立ちます。
競合店調査を行う際には、営業妨害と思われないように注意してください。

商圏調査サービスを行っている会社に依頼すれば、有料データを手に入れることができます。
また、この「調査結果」は融資申請書に添付する資料として、とても重要になってきます。

開業する業界自体の市場動向や商圏分析を行うことにより、予想されるリスクと対策を立てておくもできますので、しっかりと備えてください。

価格と商圏

利用動機が日常的であるほどお客の利用頻度が高くなり、ニーズが豊富になるため、メニューの価格設定は低く設定します。そして、価格設定が低くなるほど商圏は狭くなります。
同じ商圏内に同一業態が複数存在する場合は、同一業態内での価格競争が起こります。
逆に、メニュー価格設定が高くなればなるほど、日常的な利用頻度が低くなるため、商圏は広く設定しなければなりません。

店舗に関する計画

店舗の場所、建物

店舗は場所によって、毎月かかるコストや集客数が異なります。
宣伝効果も意識しながら、コストパフォーマンスを重視する必要があります。
家賃を支払えずに閉店する店舗も多いので、特に店舗の立地は慎重に選ぶべきでしょう。
簡単な売上計画を立ててから、毎月の採算シミュレーションをした上で、適正な家賃を見極めることが大切です。

詳しくは「物件探し」ページをご覧ください。

内装、外装

コンセプトを意識して、店舗に必要な内装・外装を決定します。

詳しくは「内外装工事」ページをご覧ください。

厨房設計

必要な設備や広さ、構造を決定します。
提供するメニューによって、必要な機器は異なるので注意が必要です。

詳しくは「機器・什器・備品」ページをご覧ください。

店名(屋号)

飲食店の店名は、付け方次第で宣伝効果やイメージが変わってきます。
コンセプトを意識して、魅力が十分に伝わる店名にすることが重要です。

商標調査と商標登録

商標とは、事業者が、自店の取り扱う商品・サービスを他店のものと区別するために使用するトレードマークのことです。
商標は特許庁に出願し、登録を認められ、手続きを完了することで商標権を主張できます。
商標権は、使用を開始した順番ではなく、先に出願されたものが優先して登録されます。
商標調査や商標登録はご自身でもできますが、特許事務所などの専門家に依頼することもできます。
リスクをさけるためにも、商標調査と商標登録は行ってください。
調査や登録には期間を要することがありますので、余裕をもって行動してください。

商標調査

付けたい店名やロゴが、商標登録されていないかを事前に確認してください。
商標調査をせずにオープンし、すでに商標権を持っている他店とかぶってしまうと、店名や看板、名入れした丼、紙ナプキン、ショップカード、ホームページなどを、全て変更し差し替えなければなりません。
ご自店が有名になったところで、真似をして出店した他店舗に商標登録をされ、営業をストップせざるを得なくなる場合もあるのです。
警告を無視したり、不遜な態度をとり続けたりした場合、訴えられ損害賠償請求をされてしまうケースもあります。
また、インターネットを使用することも多い現代では、他店と名前がかぶったり、同じような名前がいくつも出てきてしまうと販売機会のロスとなってしまう可能性もあります。

商標登録

多くのお客様に利用してもらえること、長期間に渡って使用することを見越すことが大事です。
お店の成長と共に多くのお客様に利用していただき、メディアで取り上げられるようになったとき、店名が商標登録されていると万が一のトラブル防止に繋がります。
商標は特許庁に出願し、登録を認められ、手続きを完了することで商標権を主張できます。
お金はかかりますが、登録することをおすすめします。

店名ネーミングの方法

店名はお店のシンボル的存在

与えるインパクトや、コンセプトを考えて決めなければなりません。
店名の由来をお客様に尋ねられることもあるかもしれません。店名を決める際のストーリーもお店の魅力となります。
長い付き合いとなると考え、ご自店にピッタリだと思う店名を熟考してください。

お店の名前を決めるうえで、気をつけたいポイントをご紹介します。

おススメのネーミング方法

1.2~7文字に収める
「店名が覚えやすい」という点は最も大切な要素になるでしょう。長い店名は人の記憶に残りにくいものです。
覚えてもらいやすいのは2文字~7文字以内の店名です。それ以上長いと言葉に出しにくい上、インターネットで検索するときの入力の手間もかかります。
お店に行きたいなと思ったとき、すぐ名前が出てくるような店名にしてください。

2.ショルダーネームを付ける
ショルダーネームとは、「ラーメン」「居酒屋」「カフェ」「カレー」などのお店の業態を表す肩書のようなものです。
ショルダーネームをつける最大のメリットは、何のお店かすぐに分かってもらえることです。ショルダーネームがあるだけで、「〇〇が食べたい」と思っているお客様への訴求効果があります。

また、「天然酵母ベーカリー 」「オーガニックレストラン 」などコンセプトとなっているメニューやサービスを付けると、より訴求効果が高くなります。

3.ターゲット層を意識した店名
「カフェ」「cafe」「喫茶」と表記するのとでは、サービスやメニュー内容が同じだったとしても、与えるイメージは変わってきます。
女性や若い方向けのお店なら、ひらがなやカタカナを使ったり、清音や半濁音を使うと優しくやわらかなイメージを与えることができます。
漢字を多用した店名なら男性や年配の方に、若い年代層向けには横文字に、逆に年配の方向けなら横文字は避けるなど、ターゲットとしたお客様層をイメージしながら考えましょう。

4.ゆかりのある人の名前を使う
「よっちゃん」や「けんちゃん」など、オーナーや開業を目指すきっかけとなった人物や、恩人など、お店にゆかりのある人の名前を使っても良いでしょう。
愛称をつかうことでと覚えやすく、親しみを持ってもらえます。ただし、ありふれた人名だと、他店とかぶりやすくなり混同されてしまう可能性もありますので注意してください。

5.お店からイメージしたキーワードから独自の店名を創り出す
お店の「コンセプト」「提供するメニューやサービス」「立地の特徴」「開店までのエピソード」「信念」などからイメージできる単語を書き出します。それを組み合わせたり外国語にしてみたりと工夫をして、独自の店名を創り出します。
ポイントは、「言いやすい」「聞き取りやすい」「印象に残る」「おいしさを連想できる」ことです。

注意する点

1.読めない、覚えられない
長すぎる名前や、漢字のみで表記する中国語の名前、馴染みのない外国語などは、読めなかったり、覚えられなかったりするため認知度を上げるのが難しくなります。

2.誤解を与える
どんな料理が食べられるのかが店名からイメージできないと、印象を残すことは難しいです。「何のお店か分からない店名」だけでなく、「字面で誤解させてしまうような店名」も避けた方がよいでしょう。

3.他店と似ている、かぶっている
店名を決めたら、商圏内にある既存店が似たような店名を使っていないか、確認しましょう。
インターネットを使用することも多い現代では、他店と名前がかぶったり、同じような名前がいくつも出てきてしまうと販売機会のロスとなってしまう可能性もあります。
また、ほかの他店が商標登録をしていた場合、同じ店名を使うと罰せられる可能性もあります。
トラブルを防ぐためにも、事前の確認は必ずしてください。

ロゴを考える

お店のオリジナルロゴやマークを作りましょう。看板・ショップカード・メニュー・ホームページ・器などにロゴがあると、お客さんの記憶に残りやすくなります。
お店のロゴを店にちりばめることにより、全体の統一感と、広告効果もあります。

イタリア料理店開業にかかる費用

イタリア料理店の開業にかかる費用


飲食店を開業するためには、物件取得費用、内装工事費用、機器やテーブル・椅子などの備品、運転資金、販促費などの費用が必要です。

イタリア料理店の開業にかかる開業資金は、条件によってまったく変わってきますが、20坪ほどの店舗でも800万円~1000万円は必要と言われています。


以前レストランだったお店をそのまま使う居抜き店舗や、家賃を抑える、機器を中古品にしたりリースにするなどの抑える方法をとり、費用を抑えることは可能です。

ご自身のやりたいお店や資金的な制限などを考慮して、物件探しや事業計画作成を行っていってください。

各費用の目安

開業資金

前述したとおり、小さな店舗でも開業資金は800万円~1000万円程度は必要となってきます。

物件取得費

家賃

売上の10%以内が目安と言われています。

仮に家賃が20万円であれば、目標月商は140~200万、年商目標は1700~2400万円程度となります。
賃貸物件を借りる場合、毎月の家賃は大きなコストになります。家賃を支払えずに閉店する飲食店も多いので、特に店舗の立地は慎重に選ぶべきでしょう。
簡単な売上計画を立ててから、毎月の採算シミュレーションをした上で、適正な家賃を見極めることが大切です。

物件取得費
  1. 初月分の賃料
  2. 初月分の管理費
  3. 敷金/保証金 : 家賃3~10ヶ月分
  4. 礼金    : 家賃0~2か月分
  5. 仲介手数料 : 家賃1か月
  6. その他 : 造作譲渡代(居抜きの場合)、家賃保証委託料(その他)

1~5が必要です。6は場合によります。

内装工事費
  • 内外装工事費(スケルトンの場合)・・・50~100万円/坪程
  • 改装工事費(居抜きの場合)・・・20~50万円/坪程
    ※面積が大きくなるほど坪単価は低くなります。
  • 設計費・設計管理費・・・3~10万円/坪程
厨房機器・備品代
  • 厨房機器+設置費・・・15~25万円/坪(10坪10席の場合で150~250万円程)
    ※メニューなどによる
  • イス・テーブル・・・1席あたり1.5~2.5万円程
  • 備品代(調理道具、食器、その他備品)・・・50~200万円程
  • その他(空調設備・PCなど)・・・100~300万円程
初期仕入代

およそ20~100万円かかるのが平均的ですが、食材費や酒類にこだわりがある場合は、さらに高額になる可能性もあります。

宣伝広告費

(チラシ、ビラ、HP、広告サイト、レセプション、オープン告知など)・・・20~100万

運転資金

お客様が定着し軌道に乗り始めるまでは、一般的に半年以上かかると言われています。
そのため運転資金は、最低でも6ヶ月分以上を用意しておくようにしてください。

人件費

人件費は店主の給料(生活費)を除いた金額です。一般には30%未満に抑えるとよいとされています。
人件費率は以下の式で求めます。 

人件費率 = 人件費 ÷ 売上

正社員・アルバイトを3人雇ったとしたら、月にかかる人件費だけで50万円~100万円はかかります。

原材料費

一般には30%程度が目安と言われています。
下げ過ぎると、顧客満足度の低下につながる可能性があり、上げ過ぎると、よほど回転率が高くないと収支が成り立たなくなる可能性が大きくなります。

水道光熱費

水道光熱費は、地域差や厨房面積の占める割合によりますが、7~10%が適正範囲です。ただし、店の営業時間や使用時間によって光熱費に差が出ます。業態によってはガス代が3~4倍程度違ってきたりと、かなり差がある経費といえます。
ご自身の修行されている店舗の料金を参考に見積もってみてください。

借入金返済

日本政策金融公庫やその他金融機関などへの借入金の返済費が毎月かかります。

コスト削減のポイント

居抜き物件

以前同業態たっだ物件で、残された機器・備品をそのまま使用することができればかなりのコストカットとなります。

中古品を利用

ホールから見えない厨房の機器・備品を中古品で揃えると費用を抑えることができます。

リース

厨房機器をリース契約にすると、初期費用は抑えることができます。ただし、所有権はリース会社にあり、契約期間満了後も所有権は移りませんのでご注意ください。

広告・宣伝費用は外注コストの削減

広告・宣伝にあたっては、広告の作成費用や送付・掲載費用等が発生します。SNSを活用したり、自ら広告案を練ったり、チラシの配布を自ら行ったりすることで、外注コストを削減することもできます。

資金計画

資金計画は、開業するときに必要な資金に対して計画することです。

1. 投資計画を立てる

まずは飲食店を開業するために、物件費用、内装工事費用、機器やテーブル・椅子などの備品、運転資金、販促費、仕入れ、人件費など最低どのくらいの必要かを計算します。
必要資金を計算する際には、設備資金・運転資金の2つに分けて計算すると良いでしょう。

設備資金

主に開業を迎えるまでにかかる費用のこと。
不動産の購入代金や設備代、内装費用など。

運転資金

事業を続けるために必要な資金のこと。
仕入費や人件費、テナント料金など。

途中で資金不足にならないよう、余裕のある見積もりをしておくと良いでしょう。
自己資金だけでは不足する場合には、公的融資などを活用して開業資金を調達しましょう。

2. 利益計画を立てる

実際に営業を開始する前には、利益計画を立てておく必要があります。
利益計画とは、毎月の儲けがいくらになるかを計画を立てておくことです。
出店する土地や条件によって、1日にどれくらい売れば黒字になるかという部分は変わります。
例:年間営業日数300日、客単価800円、客数/日100人、1ヵ月の必要経費100万円とした場合
年間の売上は2,400万円 / 1ヵ月あたりの売上は200万円
営業利益は経費100万円を引いた100万円
あらかじめ利益計画を立てることで、本当に実現性がある事業かどうかをチェックすることができ、店舗を運営していくために最低限必要な売上高や必要経費の概算を把握することができます。

経費の目安

  • 人件費率・・・・・・売上の30%以内
  • 家賃比率・・・・・・売上の10%以内
  • 材料費・・・・・・・売上の30%以内
  • 水道光熱費・・・・・売上の5%以内
  • その他の経費・・・・売上の10~15%以内

人件費・家賃・水道光熱費は、金額が大きく、努力・コントロールしだいで利益が左右されるので注意したいところです。

3. 資金調達計画

開店の資金繰りをどうするか、具体的に決めていきます。投資計画で出した飲食店の開業に必要な予算から、自己資金を差し引き、足りない分をどう調達するのか計画します。
調達方法を調査・選定し、どこからいくら借りるのかを明確にします。

4. 返済計画

返済計画では借り入れたお金の返済方法、返済期間、返済金額などを明確にします。
借り入れ計画で重要なことは、総投資額に対してどのくらいの借入金を予定するかです。 まず、必要資金額と自己資金を明確にし、借り入れ金額を決定し、資産としての返済計画を綿密に検討 する必要があります。 飲食店の減価償却期間は平均で5年~7年です。 ですので、5年程度の中期事業計画を立ててみましょう。

収支計画

売上計画

売上計画

店舗の立地や業態、規模などの特性を踏まえて、売上の見通しを立てます。平日、土曜、日曜、祝日で来客予想数を変えるなど、細かく作りこみましょう。
毎月、運転資金を捻出していくためには、どのように売るのかが重要になってきます。料理の味をお客様に気に入ってもらうことはもちろん、サイドメニューやトッピングをつけてもらうことで客単価を上げたり、回転率を上げる工夫も重要です。

売上

売上 = 1日の来客数 × 客単価 = 席数 × 客席稼働率 × 回転数 × 客単価

—売り上げを上げるには—

  • 客数(集客)を上げる
  • 客単価を上げる
  • 回転率・稼働率を上げる

という3つの方法があります

客単価

お客様の平均購入価格のことです。メニューの中心価格帯の平均額に2割~3割増で設定します。これは、プラス1品や高級価格商品の売上を見込んだ数字です。
希望するエリアにある他店舗の相場を調べ、メニュー表を作って合計金額のシミュレーションをしましょう。

席数

カウンター席は、100%、テーブル席(4人掛け)は、60%として計算します。4人掛けの場合は、2.4人となります。

回転率

回転数を求めるには、お客様の平均滞在時間を予測する必要があります。
近隣店舗に視察に行くなど客の流れを見て現実的に考えましょう。
回転率は以下の式で出します。

回転率 = 1日の来客数 ÷ 客席数

たとえば、昼食時の平均滞在時間が30分、ピークタイムが11時30分~13時30分の2時間と仮定すると120分÷30分=4回転(1席あたりの客席回転数)となります。しかしこの数字は、最大値であるため例えば75%を掛けて3回転とします。 同じ要領で夕方以降の時間帯も計算しそれぞれの合計に席数を掛けたものが回転数になります。

—回転率を上げるためには—

  • 券売機やオーダーエントリーシステムを導入し、オーダーの際の無駄な時間を省く
  • 仕込みの方法、スタッフの動線、オペレーションなどを見直し、料理の提供時間を短縮する
  • あえて居心地を良くしすぎない(背もたれのないイスにする、ピーク時にはデザートや酒類の提供をしないなど)

など

客席稼働率(満席率)

客席稼働率とは、「店にある客席の中で、何%のイスが実際に埋まっているか」という考え方です。

客席稼働率 = 満席時の来客数 ÷ 総客席数

売上予測を考える際には、席数と回転率だけでなく、この客席稼働率もかける必要があります。

—客席稼働率をあげるためには—

  • 2人席のテーブルのみにし、自由に席数を変えられるようにする
  • 無駄が出ないよう考えて客席に案内する
  • 相席に無料トッピングなどの付加価値をつけるて相席を促す

など

営業日数

営業日数を考える場合、厳密には、曜日別売上変動指数を考慮する必要があります。
たとえば、ターゲットがファミリー層で、土曜日、日曜日の来店が見込める立地であれば、日曜日120%、月曜日80%等の変動率を加味して調整します。

シミュレーションする

毎月の採算シミュレーションは、以下のポイントを意識し、何度も練り直すようにしましょう。

  • 客単価や想定客数など、売上につながる部分を過剰評価していないか?
  • 毎月の運転資金が、計画より上回る可能性はないか?
  • 計画がズレた場合の資金調達手段などの対策は練られているか?

お店の立地条件によって、昼と夜、平日と休日では客層が異なるため、その差も考える必要があります。
そのため、売り上げを考えるときは、週単位で考えましょう。

開業初月から1ヵ月ごとに計画を立て、3年分の売上計画を組んでおくと良いでしょう。

例 : 20席、客単価はランチは1,300円/ディナーは3000円、回転率はランチ2回転、ディナー1.5回転、25営業日とした場合
1日の売上=ランチ:1,300円×20席×客席稼働率70%×2回転=3,6400円
ディナー:3,000円×20席×客席稼働率70%×1.5回転=63,000円
月商=3,6400+63000円×25=2,485,000円
となります。

軌道に乗るまでの時間

オープン告知を行ってオープンした場合、開店して2~3ヶ月は客足が伸びます。
しかし、その後お客様が定着し軌道に乗り始めるまでは、一般的に半年以上かかると言われています。
※これは絶対的な期間ではないためご注意ください。
ニーズに合った商品・サービスを提供できるかが、黒字経営のためのポイントです。

収支計画

収支計画

収支計画とは、「収入」と「支出」、「借入」と「返済」などの関係を長期わたって予測することです。
見込み収入を計算し、そこから支出する金額を引いて、どれほどの利益がでるかの見通しを立てます。それにより、必要な売上金額を導き出すことができます。

そのためには、お店の運営に必要なランニングコスト(家賃などの固定費、食材費や人件費、広告料などの変動費)を把握し、利益を出せる内容にしましょう。

飲食店にかかる主な費用

  • 人件費・・・・・・売上の30%以内
    社員・パートアルバイト給与手当、通勤交通費、福利厚生、求人費など
  • 家賃・・・・・・売上の10%以内
    店舗家賃、管理費
  • 原料費・・・・・・・売上の30%以内
    料理・飲料の原価、テイクアウト原価
  • 水道光熱費・・・・・売上の5%以内
    水道光熱費
  • その他の経費・・・・売上の10~15%以内
    減価償却費、支払金利、個人店の場合はオーナーの給与、販売促進費、消耗品費、事務用品費など

減価償却費、支払金利、個人店の場合はオーナーの給与、販売促進費、消耗品費、事務用品費など

費用の合計が90%以下になるように計画します。目標とするのは「売上比10%以上の利益確保」です。

原価率と人件費率の合計値は、売上の60%以下が理想
理想は食材費と人件費の合計の割合が50%前後です。65%を超える場合には、人員配置やメニュー構成などの見直しを行いましょう。

諸経費の合計は12%以下に収める
50%を占めるのが「水道光熱費」です。節水・節電の意識することでコスト削減につながります。

家賃は賃料や共益費も含め10%以下に 
店舗家賃は固定費の中で最も大きい費用です。「店舗家賃÷0.1」で計算した金額を売上として達成できるかどうかが判断ポイントです。
できれば8%以下に抑えたいところです。

損益分岐点

損益分岐点とは、お店の経営が黒字になるのか赤字になるのかの境目になるラインのことを言います。
損益分岐点を計算する事で、「使った分を回収するにはいくら売ればいいか?」がわかります。つまり、「下回ると赤字になるぎりぎりのラインの売上額」がわかるのです。
損益分岐点は以下の計算式で求められます。

損益分岐点=固定費÷(1-変動費÷売上高)

  • 固定費:売上の増減にかかわらず発生する一定額の費用のこと。(家賃・人件費・水光熱費など)
  • 変動費:売上の増減とともに変動する費用のこと。(材料費や仕入原価、販売手数料など)

FL比率(FLコスト)

FL比率とは、飲食店経営においては、最も大きなコストである「食材原価(Food)と人件費(Labor)」の比率を求める数字で、飲食店経営で最も重視すべき指標の1つとして知られています。
FLコストとFL比率は以下の計算式で求めることができます。

FLコスト=食材費+人件費

FL比率=(食材費+人件費)÷売上高

「売上計画」や「収支計画」を練ることで、売上が足りない場合の原因の究明や、対策がしやすくなります。
シミュレーションは何度も行って、開業に備えるようにしてください。