「やる気のないアルバイト」はどうすれば変わる?時給やシフトではなく、厨房から見えた教育法と声かけの力

経営ノウハウ

「シフトには入っているけれど、どこかやる気が感じられない…」
「言われたことしかしないから任せられない…」

飲食店を経営していると、そんなアルバイトスタッフに頭を悩ませることは少なくありません。
しかし実は、“やる気のなさ”は本人の性格だけではなく、教育の仕方や声かけの工夫で驚くほど変わることがあります。

さまざまな飲食店の皆さんに関わってきた立場から、今回は「やる気が変わる瞬間」と「伸びるスタッフの特徴」をご紹介します。

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目次

時給やシフトでは解決しない本当の理由

一時的なやる気アップにしかならない

経営者の多くが

「時給を上げればもっと頑張ってくれるのではないか」
「シフトの希望を柔軟に聞けば定着するのではないか」

と考えます。

確かに、給与や勤務条件の改善はスタッフの満足度を上げる効果があります。
しかし、それはあくまでも不満を取り除く効果にすぎません。
「これでやる気が出る」というよりも、「不満がないから辞めにくい」というレベルにとどまってしまうのです。

人は「待遇」ではなく「承認」で動く

アルバイトスタッフの多くは、生活費や学費のために働いています。
そのため時給は大切な要素ですが、それだけでは心からのやる気につながりません。
人が本当に動くのは、「自分が必要とされている」「自分の仕事が役立っている」と実感したときです。

つまり、待遇よりも承認や信頼の声かけのほうが、長期的なモチベーションにつながります。

厨房で感じる“やる気スイッチ”の瞬間

私が厨房でスタッフを見ていて強く感じるのは、やる気が芽生えるのは「任されたとき」「感謝されたとき」です。
例えば、初めて調理補助を任されたスタッフが「本当にやっていいのかな?」と戸惑いながらも、終わったあとに「ありがとう、助かったよ」と声をかけられると、次から主体的に動き出すことがあります。

このように、スイッチは待遇ではなく「人との関わり」で入るのです。
まとめると、時給やシフト調整はスタッフにとって必要条件ではありますが、それ以上に「自分の存在意義を感じられる教育や声かけ」が本当のやる気につながるのです。

厨房目線で気づいた“伸びるスタッフ”の共通点

ただの「指示待ち」では終わらない

厨房に立っていると、同じ新人でも成長のスピードに大きな差があります。
大きな違いは、「指示を待つだけで終わるか」「次の行動を考えられるか」という点です。

例えば、皿洗いを任されたスタッフが、洗い終わった後に手持ち無沙汰で立っているだけなのか、それとも「次に何を手伝えばいいですか?」と声をかけてくるのか。
ほんの一言ですが、この差が成長の大きな分かれ道になります。

ミスの後に“切り替えられるか”

伸びるスタッフは、失敗をしても立ち止まりません。
「次からどうすればいいか」をすぐに考え、実行に移そうとします。
例えば、スープをこぼしてしまったときに、

「すみません」と謝るだけで終わる人
「次はこの高さで運んでみます」と具体的に修正する人

この違いが、厨房での成長スピードに直結します。
ミスを恐れるより、改善の行動を素早く取れることが、伸びる人の大きな特徴です。

周囲を見て“気づける力”がある

厨房は常に同時進行の作業が多く、余裕がなくなりがちです。
そんな中で、「隣の人が仕込みで手一杯だから盛り付けを手伝おう」と気づけるスタッフは、自然に評価が上がります。

この“周囲を見る力”は最初から備わっている人もいれば、教育や声かけによって少しずつ身につけていく人もいます。
重要なのは、小さな気づきを見逃さず評価することです。

これが積み重なって、スタッフ自身が自発的に動けるようになります。

「考える習慣」を持っているかどうか

厨房ではスピードが求められますが、その中でも「考える習慣」を持つスタッフは伸びやすいです。
例えば、カットした野菜を並べながら「この切り方だと火の通りが均一になる」と考えられる人と、ただ「言われた通りに切るだけ」の人。

前者は早い段階で調理工程全体を理解するようになり、結果的に料理の質にも責任を持てるようになります。

厨房目線でのまとめ

伸びるスタッフは決して「特別な才能がある人」ではありません。

・指示を待たずに次を考える
・ミスを改善のチャンスにできる
・周囲を見て気づける
・作業を“考えながら”取り組む

こうした特徴を持つ人は、教育や声かけ次第でどんどん伸びていきます。
そして、これらの力はほとんどが後天的に育つものです。
だからこそ、厨房のリーダーや経営者がどう接するかが大きな鍵になります。

教育法の工夫:ただの作業指示を「学び」に変える

「やらせるだけ」では身につかない

アルバイトスタッフに作業を任せるとき、つい「この野菜を切っておいて」「皿を並べておいて」といった単純な指示だけで済ませてしまうことがあります。
しかし、このやり方ですとスタッフは「言われたからやった」という感覚で終わり、学びが残りにくいのです。

つまり、作業が作業のままで終わってしまい、成長につながりにくいのです。

三段階で教える「やって見せる → 一緒にやる → 任せる」

厨房で効果的なのが、次の三段階の教育法です。

やって見せる

まずはリーダーや先輩が実際にやって見せます。
例えば、野菜の切り方や盛り付けなどを「こうすると早い」「こうすると見栄えが良い」と説明しながら実演します。

一緒にやる

次にスタッフと一緒に同じ作業をします。
「ここは包丁を寝かせてみて」「盛り付けは高さを意識して」と具体的に声をかけながら進めます。

任せる

最後に一人でやらせます。
このとき、すぐに口を出さずに見守ることが大切です。

終わったあとに「ここは良かった」「次はこうするともっと良い」とフィードバックを与えることで、本人の自信と学びが深まります。

「なぜ必要か」を伝えることで理解が深まる

指示を与える際に「理由」も一緒に伝えると、スタッフの理解度は格段に上がります。
例えば、

「この切り方をすると、火が均一に通りやすいから仕上がりが安定する」
「この順番で盛り付けると、提供時に崩れにくい」

といった背景を共有することで、ただの作業が「意味のある行動」に変わります。
こうした理解があると、同じ作業でも意識が高まり、自然に工夫や改善を考えるようになります。

小さな成功体験を積ませる

教育の中で重要なのは、スタッフに小さな成功体験を積ませることです。
例えば、サラダの盛り付けを一皿だけ任せて「いいね、すぐに提供できるよ」と認める。
最初は小さな役割でも、「自分の仕事が役立った」と感じることで、自信とやる気が大きく高まります。

厨房目線でのまとめ

スタッフ教育は「作業をやらせること」ではなく「学びを与えること」が目的です。

・単純指示で終わらせない
・三段階で少しずつ任せる
・理由を伝えて納得感を持たせる
・成功体験を積ませて自信を育てる

これらを意識するだけで、同じ仕事でもスタッフの吸収力と成長スピードは大きく変わります。

声かけの力:一言でやる気が変わる瞬間

何気ない一言がスタッフを動かす

厨房やホールの現場では、忙しさのあまり無言で作業を続けてしまうことが少なくありません。
しかし、たった一言の声かけが、スタッフのやる気や安心感を大きく左右することがあります。

たとえば「助かったよ」「ありがとう」「いいペースだね」といった短い言葉でも、スタッフは「自分の仕事が認められている」と感じ、自然と次の行動にも前向きになれるのです。

指摘は短く、感謝は具体的に

改善を促す指摘はシンプルに「もう少し小さめに切って」「盛り付けを揃えて」と伝えるだけで十分です。
その一方で、感謝や評価の言葉はできるだけ具体的に伝えると効果的です。

「今日の盛り付け、すごくきれいでお客様に喜ばれそうだね」といった表現なら、スタッフは達成感を覚え、「また頑張ろう」と思えるようになります。

雰囲気を変える魔法のスイッチ

声かけの大きな力は、現場の空気を一瞬で変えることにあります。

忙しい時間帯に厨房全体がピリピリしているときでも、「もう少しでピークを乗り越えられるよ、みんなありがとう!」と声をかけるだけで、緊張感の中に前向きな一体感が生まれます。
これは、モチベーション管理だけでなく、チームワーク強化にもつながる大切なポイントです。

実例紹介:やる気が変わったスタッフのストーリー

アルバイトから“戦力”へ成長した学生スタッフ

ある学生スタッフは、入店当初は飲食業の経験がなく、皿洗いや簡単な片付けが中心の業務を担当していました。
最初はミスも多く、本人も「自分は向いていないのでは」と悩んでいたのです。

そこで店長が行ったのは、厳しい指摘ではなく「この作業が早くできると、ホールの回転もスムーズになるんだよ」と背景を説明する声かけでした。

スタッフは「自分の作業が店全体に役立っている」と理解し、次第に前向きな姿勢で取り組むようになりました。
半年後には仕込みや簡単な調理補助も任されるようになり、戦力として大きく成長しました。

主婦スタッフが自信を取り戻した瞬間

別の例では、ブランク明けで働き始めた主婦スタッフがいました。
最初は新しい環境に戸惑い、「若い子についていけるだろうか」と不安を抱えていました。

しかし、ある日仕込み中に店長から「この切り方、家庭料理の経験があるからこそできるね。すごく助かるよ」と一言声をかけられたのです。

その瞬間、彼女の表情はぱっと明るくなり、自分の経験が店で役立つと実感しました。
それ以来、調理場での工夫を積極的に提案するようになり、若いスタッフへの指導役も担う存在へと変わっていきました。

小さな成功体験が大きな自信につながる

これらの事例から分かるのは、「スタッフは小さな成功体験を積むことでやる気を高める」ということです。
単なる作業ではなく、自分の行動が店やお客様の役に立っていると実感したとき、人は大きなモチベーションを得ます。

そしてその積み重ねが、自信や主体性となって表れ、結果的に店全体の力を押し上げていくのです。

経営者・リーダーが心に留めたいこと

「指示」ではなく「育成」の視点を持つ

経営者やリーダーは、日々の業務に追われるあまり「効率よく仕事を回すこと」ばかりを優先してしまいがちです。
しかし、スタッフにただ仕事をこなさせるだけでは成長につながりません。

指示はあくまで最低限の行動を伝える手段であり、その一歩先にある「なぜこの作業が必要か」「どのように工夫すればもっと良くなるか」を伝えてこそ、人材育成になります。

声かけの積み重ねが「店の文化」になる

スタッフは、日々の小さな声かけから「自分は大切にされている」「期待されている」と感じ取ります。
この積み重ねが、やがて店全体の雰囲気や文化を形作っていきます。

褒められる文化があれば自然に前向きな空気が広がり、逆に注意や叱責ばかりの文化では、萎縮した職場になってしまいます。
リーダーの一言は思っている以上に大きな影響力を持つのです。

スタッフのやる気は「お客様満足」に直結する

経営者が心に留めておきたいのは、スタッフのモチベーションがそのままお客様の満足度に表れるという点です。
元気のない接客はお客様に伝わり、逆に楽しそうに働くスタッフの姿はお客様に安心感と心地よさを与えます。
スタッフ一人ひとりのやる気を引き出すことは、売上やリピート率にも直結する大切な経営判断なのです。

リーダー自身が学び続ける姿を見せる

また、リーダー自身が「学び続ける姿勢」を見せることも重要です。
スタッフにだけ改善や努力を求めるのではなく、経営者自身も新しい知識を学んだり、自ら行動を振り返ったりすることで、自然に「この店では常に成長することが当たり前」という雰囲気が生まれます。

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まとめ:人は「扱い方」で変わる

スタッフは「資源」ではなく「人」

飲食店においてスタッフは単なる労働力ではなく、一人ひとりが感情を持ち、モチベーションの波もある「人」です。
リーダーや経営者がどのように接するかによって、その力は大きく変わります。

ちょっとした声かけや態度の違いが、やる気を引き出したり、逆に失わせたりするのです。

接し方ひとつで成果が変わる

「ありがとう」の一言でスタッフが前向きになり、接客が明るくなることもあれば、不機嫌な態度でスタッフが萎縮してしまい、パフォーマンスが落ちることもあります。
つまり成果や売上は、スキルだけでなく「扱い方」によって大きく左右されるのです。

店の雰囲気づくりはリーダー次第

スタッフのやる気が高ければ、自然に店全体の雰囲気も明るくなり、接客の質が向上します。
それはお客様の満足度につながり、リピートや口コミの拡大へと結びつきます。
逆にリーダーが「人」をないがしろにすると、良い循環は生まれにくくなります。

「扱い方」で未来が変わる

結局のところ、人材育成やチームづくりにおいて大切なのは「人をどう扱うか」です。
人は適切に認められ、大切にされることで成長し、力を発揮します。
リーダーがその意識を持つかどうかが、店舗の未来を左右するといっても過言ではありません。

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