【企業解説】ゼンショーホールディングスとは?「すき家」「はま寿司」などを展開する外食大手の多角戦略と成長の裏側

飲食ニュース

外食チェーンと聞けば、「すき家」「はま寿司」「ココス」などの名前が思い浮かぶ人も多いでしょう。これらのブランドを傘下に持ち、外食・小売・関連サービスを包括的に展開する日本屈指の企業が ゼンショーホールディングス です。本記事では、同社の成り立ち・事業構造・強み・課題・今後の戦略まで解説します。

【目次】

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企業概要・沿革

項目内容
会社名株式会社ゼンショーホールディングス(英: Zensho Holdings Co., Ltd.)
本社所在地東京都港区港南(JR品川駅近辺)
設立年1982年
上場市場東証プライム(証券コード 7550)
資本金/株式発行済株式数、主要株主等:普通株式 160,733,225株(うち自己株式含む)等
企業理念「世界から飢餓と貧困を撲滅する」
規模グループ全体で 1 万店規模の店舗網、売上高数千億円規模

設立以来、南房総地域の漁港網を基盤として魚介類を扱う流通網を築き、小売・卸売・外食を横断的に運営しています。

「ゼンショーホールディングス」サイトはこちら

沿革・成長の軌跡

  • ゼンショーは 1982年に設立され、比較的若い歴史を持つ企業です。
  • 1999年に東証二部上場を果たし、2000年代以降は複数の外食チェーンを傘下に収めながら成長を加速。M&A による事業拡大を積極的に進め、売上を拡大してきました。
  • 近年では、国内外の出店、関連事業(製造・物流・小売・介護向けサービスなど)への拡張を志向。

こうした成長過程において、ゼンショーは「食」のサプライチェーン全体を自社で制御する戦略を重視してきました(後述の「MMD」構想)。

事業構造とビジネスモデル

外食中心というイメージは強いですが、ゼンショーグループはより広い領域で多角的に事業を展開しています。

主要事業領域

  1. 外食事業(レストランチェーン運営)
     – 牛丼・定食・丼ものを扱う「すき家」「なか卯」など
     – 回転寿司チェーン「はま寿司」
     – ファミリーレストラン「ココス」「ビッグボーイ」「ジョリーパスタ」など
     – その他業態(うどん、焼肉、コーヒーショップ、ファストフードなど)
  2. 製造・物流・仕入・食材供給
     – 原材料調達、加工・製造、物流までを自社管理する仕組みを整備
     – 関連会社群(ゼンショーファクトリーホールディングスなど)が製造・物流の役割を担う
  3. 小売・関連サービス・介護・高齢者向けサービス
     – スーパーマーケット運営や食品小売を手がける子会社を保有する形態あり
     – 高齢者施設向け食事提供・介護サービス事業も展開(例:Kagayaki 等)
  4. 海外展開
     – 牛丼チェーン「Sukiya」の海外展開(中国・ブラジルなど)
     – 海外のすしチェーン買収・運営(例:Snowfox)

MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)

ゼンショーのキーモデルとしてよく言及されるのが「MMD(Mass Merchandising / マスマーチャンダイジング)」システムです。これは、調達 → 製造 → 加工 → 物流 → 販売までのプロセスを自社で統合管理する仕組みを指します。こうすることで、中間コストを抑えつつ、品質・安全性の統制を効かせ、顧客に手頃な価格で提供することを目指しています。

主要ブランド(グループ傘下チェーン例)

ゼンショーグループは、多様な外食ブランドを持つ点が特徴です。以下はその代表例です。

  • すき家(Sukiya):牛丼を主力とする看板ブランド。豊富なトッピング・サイドメニューを持ち、24時間営業店舗も多い。
  • なか卯(Nakau):うどん・丼ものを中心としたラインナップで、和風業態を多く含む。
  • はま寿司(Hama Sushi):低価格帯回転寿司チェーン。コスト制御と安全性管理が重要なブランド。
  • ココス(COCO’S):ファミリーレストラン業態。ハンバーグ・洋食メニューを展開。
  • ビッグボーイ / ジョリーパスタ / その他業態:多業態展開によって来店シーンを幅広く捉える戦略。

これらブランドを組み合わせることで、ゼンショーは「用途・ニーズの異なる顧客層」をカバーし、グループ全体での集客力を高めています。

強み・競争優位性

  1. 垂直統合体制
     MMDを通じて原材料調達から製造・物流・調理・販売までを統合的に管理する体制により、コスト削減・品質統制を実現。
  2. ブランドポートフォリオの多様性
     単一業態に依存するリスクを抑えるため、牛丼・寿司・ファミレス・焼肉・コーヒーショップまで多方面に手を伸ばしている。これにより、季節変動・顧客嗜好変化に対して柔軟な対応が可能。
  3. スケールメリットとチェーン展開力
     大規模な店舗網と購買力を背景に、効率的な運営が可能。新規出店や他業態参入でも資源を投入しやすい体力を持つ。
  4. 安全・品質管理の徹底
     食の安全を重視し、各工程での管理体制を整備。O157 や異物混入対策など、飲食業としてのリスク軽減を図る取り組みも。
  5. グローバル展開と成長余地
     国内だけでなく、アジアや南米における「日本食」需要や外食文化の拡大を取り込む戦略を進めている。

課題・リスク要因

一方で、ゼンショーが直面する課題・リスクも見逃せません。

  • 原材料コストの変動
     牛肉・魚介・穀物などの輸入依存度が高いため、為替変動や国際市況の影響を受けやすい。
  • 人件費・人手不足
     飲食業という性質上、現場要員の確保・定着は困難。地方出店では特に深刻。
  • 競合激化・差別化
     外食市場は競争が激しく、低価格帯・高品質・健康志向など複数の方向で差別化が求められる。
  • 食品安全リスク
     万一事故が起きればブランド毀損リスクが大きい。
  • 国外展開リスク
     文化・食習慣・物流インフラの違い、現地規制などへの対応が必要。

今後の注目戦略・展望

  • 海外店舗拡大・現地適応
     日本食・和食文化の人気を背景に、海外都市型出店・現地調達ルート構築を強化する可能性。
  • DX・IT導入強化
     在庫管理、発注最適化、AI予測、モデルキッチン/無人化技術導入など業務効率化を進める領域。
  • 健康・高付加価値商品開発
     高齢化・健康志向の高まりを背景に、低糖・低塩メニュー、植物性食品などの開発にも注力。
  • サステナビリティ強化
     廃棄削減、エネルギー効率化、環境負荷低減など ESG 対応は必須テーマ。
  • グループシナジー拡充
     製造・小売・物流・介護などの横断連携により、新規事業や収益源を多様化させる。

まとめ

ゼンショーホールディングスは、外食チェーン運営という「わかりやすい顔」の裏に、調達・製造・物流を統合した高度なマネジメント体制を持つ「食インフラ企業」としての側面を備えています。多業態展開・国内外展開・技術導入・サステナビリティ対応などを軸に、これからも成長ポテンシャルは大きく、同時に外食業界全体の競争・変化にさらされる存在でもあります。

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