物価高の影響に伴い、食材の価格が増加傾向にあります。鳥インフルエンザが激しい勢いで増加しており、卵の供給量が大きく減少しています。
それに伴い卵価格の高騰は止まらず、飲食業界にも深刻な影響が及んでいます。
すかいらーくホールディングスは運営する「ガスト」「バーミヤン」「しゃぶ葉」では、鶏卵を使用する一部メニューの販売休止や、卵の提供方法の変更を発表しています。
このように、今まであったメニューが販売休止などで提供できず、お客様満足度低下につながる恐れがあります。
今回は、卵が価格高騰している本当の理由とは？飲食店でできる対策について紹介していきます。
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目次
卵の価格高騰の理由とは？
近年、日本国内で卵の価格が高騰している背景には、いろいろな要因が複雑に絡み合っています。
ここでは、卵の価格高騰の理由について紹介していきます。
主に以下の理由があげられます。
鳥インフルエンザの影響
鳥インフルエンザは、卵の供給不足を引き起こす最大の要因の一つです。日本では、毎年のように発生していますが、特に2022〜2023年にかけて過去最悪レベルの被害が発生しました。
感染が確認された養鶏場では、鶏の大量殺処分が実施され、国内の産卵鶏の数が大幅に減少しました。これにより供給量が減り、価格が上昇したと言われています。
飼料価格の高騰
養鶏に必要な飼料の多くは、海外からの輸入に依存しています。しかし、近年のウクライナ情勢や円安の影響で、飼料の主原料であるトウモロコシや大豆の価格が上昇しています。
特にウクライナは、穀物輸出国として重要な役割を担っていたため、戦争による供給不安が世界的な飼料価格の高騰を招いたのです。
円安による輸入コストの増加も重なり、養鶏業者の負担が大きくなったと言われています。
エネルギーコストの上昇
養鶏場では、鶏舎の温度管理や照明などに多くの電力を使用しています。しかし、電気代やガス代の上昇により、これらの運営コストが増大しました。
特に冬場は、鶏舎を温めるために暖房設備が必要となり、電気料金の高騰が経営に大きな影響を与えたのです。
人手不足による生産コストの増加
養鶏業界では、人手不足が深刻化しています。特に、地方の農場では労働力を確保するのが難しく、人件費が上昇しています。
また、高齢化が進み、後継者不足も課題になっています。こうした人手不足が生産効率を低下させ、結果的にコスト増加につながっているのです。
卵の価格高騰は一時的なものではなく、長期化する可能性があります。
鳥インフルエンザの発生状況や、国際的な飼料・エネルギー市場の動向によっては、さらに価格が変動することも考えられるでしょう。
一方で、政府の支援策や新たな飼育技術の導入により、価格が安定する可能性もあります。
お客様としては、卵の価格動向を注視しつつ、代替食材の活用など柔軟な対応が求められます。
卵の価格はいくら上がったのか？
近年、卵の価格は大きな変動をみせています。2023年4月には、出荷価格が1キロあたり300円（Mサイズ）を超えるなど、過去最高値を記録しました。
（出典元：SBS NEWS）
これは、飼料費やエネルギーコストの上昇、鳥インフルエンザによる供給減少など、複数の要因が重なった結果です。
一方で、2024年1月末には価格が180円まで下落し、約1年10か月ぶりに200円を下回りました。
しかし、200円という価格でも生産者にとっては厳しい状況が続いています。農林水産省によれば、飼料やエネルギーコストの上昇により、生産コストが高止まりしており、適正な価格設定が求められています。
これらの価格変動は、お客様にとっては一時的な安値を享受できるものの、生産者への影響も大きいことを示しています。
安定した供給と適正な価格を維持するためには、お客様の理解と協力が必要不可欠です。
飲食店でできる対策とは？
卵は多くの料理に欠かせない食材であり、その価格高騰は飲食店にとって大きな負担となっています。
特に、オムライスや親子丼、プリンなどの卵を主原料とするメニューを提供しているお店では、経営への影響が深刻化しています。
ここでは、飲食店が取るべき具体的な対策について紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。
代替食材の活用
卵を完全に置き換えるのは難しいものの、部分的に代替食材を使用することで、コスト削減が可能です。
スクランブルエッグの代替
豆腐を潰してカレー粉や、ターメリックで風味を加えると、スクランブルエッグのような見た目と食感を再現できます。
プリンやケーキの代替
ゼラチンや寒天を使い、卵を減らしたレシピを開発します。豆乳を加えることで、コクを出す工夫もできます。
つなぎとしての代替
ハンバーグなどのつなぎに卵を使う場合、おからやパン粉＋豆乳を活用するとコストを抑えられるでしょう。
完全な代替は難しいものの、部分的な工夫でコスト増加を緩和できます。
メニューの工夫と価格調整
卵を多く使うメニューをそのまま提供するのではなく、以下のような工夫を施すことで、コスト上昇の影響を和らげられます。
卵の使用量を減らす
親子丼であれば、卵の量を減らし、ダシの風味を強化できます。
ハーフサイズメニューの導入
たとえば、「ハーフオムライス」を提供し、単価を下げつつ利益率を維持できるでしょう。
セットメニューの変更
卵料理中心のセットは別の副菜に切り替え、コストを抑えられます。
また、必要に応じて価格改定も検討すべきです。特に、高級卵を使っているお店では、「国産ブランド卵使用」などの付加価値を明確にし、値上げを正当化する戦略が有効です。
仕入れの見直しと安定確保
価格高騰時には、仕入れ先の見直しが重要です。
複数の業者と契約する
1社だけに依存せず、複数の卸業者と交渉し、もっともコストパフォーマンスのよい卵を確保しましょう。
業務用スーパーの活用
大手業務用スーパーでは、比較的安定した価格で仕入れられることが多いです。
地元農家との直接取引
地域の養鶏場と直接契約し、市場価格に左右されにくいルートを確保しましょう。
特に、地元農家との取引は、新鮮な卵を安定供給できるだけではなく、地産地消をアピールすることで集客にもつながります。
これらの対策を実践することで、卵価格の変動に対応しながら、お客様満足度を維持し、持続的な経営を目指せるでしょう。
（これらの対策は、テンポスフードメディア独自の視点で分析し作成しました。）
卵料理に使う調理器具や食器
テンポスで扱っている、卵料理に使う調理器具や、おすすめの食器をご紹介！
卵中内ウズ深小鉢
卵焼き 玉子焼き 鉄
まとめ
今回は、卵が価格高騰している本当の理由とは？飲食店でできる対策について紹介してきました。
卵の価格高騰の理由には、鳥インフルエンザの影響や飼料価格の高騰などがあげられます。
代替食材の活用やメニューの工夫と価格調整などを行い、お客様に満足していただける提供をしていきましょう。
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