飲食店開業に必要な準備とは?チェックリスト・費用相場・よくある失敗を解説

出店・開業

「飲食店を開業したいけど、どこから手をつければいいのか分からない」「準備にどれくらい時間やお金がかかるの?」と悩む方は多いでしょう。

飲食店の開業は、夢や情熱だけでは進められない現実的なプロジェクトです。資金調達、物件選定、許認可、設備導入、スタッフ採用、販促…。多岐にわたる準備を抜け漏れなく進めるには、時系列に沿ったチェックリストと、それぞれの注意点を理解することが不可欠です。

この記事では、飲食店開業の全体像を「やること・注意点・費用感」を交えながら、時系列で徹底解説します。

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目次

飲食店開業に必要な“全体の流れ”を知ろう

飲食店を開業するには、「物件探し」や「設備選び」から始めると思われがちですが、実際はその前にやるべきことが数多くあります。

コンセプト設計、資金計画、行政手続き、人材採用など、開業までには数ヶ月〜1年程度の準備期間をかけて進めるのが一般的です。

まずは、飲食店開業の全体像とステップを把握し、どの段階で何をするのかを理解しておきましょう。

なぜチェックリストが重要なのか

飲食店開業には多くの工程があり、それぞれに適したタイミングと順序があります。
1つでも抜けたり遅れたりすると、開業時期がずれ込んだり、余計な費用が発生したりする恐れも。

そこで役立つのが、時系列で整理されたチェックリストです。
「今、自分はどこまで進んでいるか?」「次に何をするべきか?」を把握できるため、準備の抜け漏れを防ぎ、スムーズに開業を迎えられます。

準備不足が招くトラブル事例

実際に起きやすいトラブルには、次のようなものがあります。

  • 厨房レイアウトを決めた後に営業許可基準を満たしていないと発覚し、工事をやり直す羽目に
  • 資金計画が甘く、開業後すぐにキャッシュが尽きて閉店に
  • 物件契約後に消防や保健所の要件が合わず、追加費用が発生
  • 内装や厨房設備の納品が間に合わず、オープンが延期

いずれも「事前の準備や確認が足りなかった」ことによる失敗です。
これらを避けるためにも、段取りよく準備を進めるためのチェックリスト活用が非常に重要です。

開業スケジュール&チェックリスト

開業6〜12か月前|コンセプト設計と資金計画を固める時期

やることチェックリスト

□ 店舗コンセプトの設計(業態・メニュー・ターゲット層・価格帯)
□ 商圏調査・競合分析
□ 事業計画書の作成
□ 自己資金の把握・資金調達方法の検討(融資、親族援助、クラウドファンディングなど)
□ 融資申請の準備(日本政策金融公庫など)
□ 出店エリアの候補選定

注意点

  • 事業計画書は融資の合否に直結します。市場分析・損益計画・運転資金の3点を具体的に書き起こしましょう。
  • ターゲットを曖昧にすると差別化が難しくなります。ペルソナ設定が重要です。
  • 家賃の目安は「月売上の10%以下」が理想です。

費用感の目安

創業資金の平均:800万円〜1,500万円程度(小規模店舗の場合)
うち、設備費・内装費が大きな割合を占めます。

開業3〜6か月前|物件選定と厨房設計に着手する時期

やることチェックリスト

□ 出店物件の契約
□ 不動産契約時の用途地域・排気・水道・電気容量確認
□ 店舗レイアウト・内装設計
□ 厨房レイアウト・機器の選定
□ 見積取得・設備業者の選定
□ 食材業者のリサーチ・契約
□ 食品衛生責任者の資格取得(必要な衛生管理者研修の受講手配)

注意点

  • 契約前に用途地域や排気制限を確認しないと、後から「飲食営業不可」が発覚する例もあります。
  • 厨房レイアウトは「動線」や「熱源・排気」に大きく関わるため、専門業者との設計相談が必須です。
  • 衛生管理者の資格取得には、受講予約が必要です。早めに取得しておきましょう。

費用感の目安

  • 内装・厨房工事:300万〜1,000万円
  • 業務用厨房機器:一式で150万〜400万円

業態により大きく異なります。
(例:ラーメン店は火力・排気が重要、カフェは冷蔵ショーケースなどが必要)

開業1〜3か月前|許認可・採用・設備発注を進める時期

やることチェックリスト

□ 保健所へ食品衛生責任者の設置届
□ 保健所へ営業許可申請(図面・設備が整ってから)
□ 消防署へ防火管理者の届け出(客席30名以上)
□ 税務署へ開業届の提出
□ 青色申告承認申請書の提出
□ メニューの試作・原価計算
□ スタッフ採用(求人広告、面接)
□ 雇用契約書・労働条件通知書の作成
□ POSレジ・予約システムなどの手配
□ 備品・消耗品・制服の選定
□ メニュー表・価格決定

注意点

  • メニュー開発と厨房設備は連動するので、試作と機器選定は並行して行うのが理想です。
  • 営業許可はオープン10日前までに取得が基本。スケジュールを逆算しましょう。
  • 雇用契約や労災保険加入は義務です。開業届提出後にハローワークへ行きましょう。
  • POSや決済端末は、申込から納品まで2〜3週間以上かかることも多いため早めに動きましょう。

費用感の目安

  • 営業許可申請:1〜3万円前後
  • POSレジシステム:初期導入5〜10万円+月額1万円〜
  • 求人広告費:5万円〜30万円(媒体と掲載期間による)

開業直前〜当日|オペレーションと販促を仕上げる時期

やることチェックリスト

□ スタッフトレーニング(接客、衛生、レジ操作など)
□ 店舗マニュアルの整備(開店準備〜閉店作業まで)
□ プレオープンの実施(招待客によるテスト営業)
□ チラシ、SNS、グルメサイトでの集客施策
□ 備品・消耗品の最終準備(ラップ、洗剤、トング、ゴミ袋など)
□ 初回仕入れと在庫チェック

注意点

  • トレーニング不足はクレームや回転率低下につながるため、最低2〜3日間の実地研修を行いましょう。
  • プレオープンは「親しい関係者のフィードバック」をもとに改善できる最後のチャンスです。
  • 集客は最低でもオープン1か月前から準備開始が理想です(SNSアカウントの育成を含む)。

飲食店開業に必要な主な手続きと提出先

食品衛生責任者【必須】

◦届出先:保健所
◦時期:衛生責任者の選任は保健所に報告しなければならないため、早めの準備が重要
◦内容:衛生責任者は食品衛生に関する知識を持ち、店舗の衛生管理を担当
    各都道府県で実施される衛生責任者講習を受講し、資格を取得する必要がある
◦備考:営業許可を受けた飲食店は「衛生責任者」を店舗に必ず配置する義務がある
    栄養士、調理師、製菓衛生師などの免許を持っている場合は、申請のみで資格の取得ができる

飲食店営業許可【必須】

  • 届出先:保健所
  • 時期:開業10日前までに
  • 内容:店舗の衛生基準や設備が法令に適合しているかの確認
  • 備考:図面と工事後の設備が基準に適合している必要あり

防火管理者選任届

  • 届出先:消防署
  • 時期:開業前
  • 内容:消防設備の設置や防火計画の作成など
  • 備考:客席30人以上の店舗で義務付け

開業届【必須】

  • 届出先:税務署
  • 時期:開業から1か月以内
  • 備考:個人事業主の届け出(法人設立の場合は設立届出なども必要)

青色申告承認申請

  • 届出先:税務署
  • 時期:開業から2か月以内
  • 備考:節税メリットあり(帳簿作成要)

深夜酒類提供飲食店届出

  • 届出先:警察署
  • 時期:開業の10日前まで
  • 備考:深夜0時以降に酒類提供する場合は必須

その他の届出・許可

  • 従業員を雇う場合は、労災保険の加入手続き(労働基準監督署)や、雇用保険の加入手続き(ハローワーク)が必要になります。
  • その他、酒類販売許可(酒類を扱う場合)、音響設備の使用届出、取り扱うメニューによって菓子製造業許可などが必要になる場合もあります。

飲食店に必要な厨房設備・備品リスト【基本構成】

● 厨房機器(業態共通)

【1】冷蔵・冷凍設備(保存)

【主な機器
□業務用冷蔵庫(縦型・コールドテーブル)
□業務用冷凍庫(縦型・台下)
□冷凍ストッカー(食材の長期保存向き)
□製氷機(ドリンク・調理用)

【補足と注意点

  • 冷蔵庫は「保管+作業台」として使える台下タイプ(コールドテーブル)が人気(作業効率アップ)です。
  • 縦型は容量重視。狭小厨房では扉数・開閉方向に注意しましょう。
  • 製氷機は「1日あたりの使用量」に応じたサイズ選定が必要(例:40kgタイプ/60kgタイプ)です。

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【2】加熱調理機器(調理)

【主な機器
□ガスレンジ(卓上 or 据置)
□IHクッキングヒーター(火気を避けたい場合に)
□業務用フライヤー(揚げ物対応)
□焼き台・グリドル(鉄板焼き・ハンバーガー等に)
□スチームコンベクションオーブン(加熱・蒸気調理両対応)

【補足と注意点

  • ガス機器を導入する場合、ガス容量(号数)の確認が必須。ビル設備とのマッチングを怠ると火力不足になります。
  • IHは省エネ・安全面で優れますが、大量調理には不向きなこともあります。
  • フライヤーは油量(リットル)と槽数(1槽 or 2槽)が選定のポイントです。

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【3】洗浄・衛生設備(清掃・衛生)

【主な機器
□2槽シンク(洗い・すすぎ分離が保健所基準)
□食器洗浄機(アンダーカウンター/ドアタイプ)
□手洗い器(厨房内・トイレ近くに必須)
□グリーストラップ(油脂処理設備)
□浄水器(地域によっては導入推奨)

【補足と注意点

  • 2槽シンクは「シンク幅×槽深」が作業効率を左右します。大きすぎるとスペースを圧迫します。
  • 食洗機は水道容量・排水設備が必要なため、厨房設計段階での確認が重要です。
  • グリーストラップの清掃は店舗側の義務です。メンテナンス性も考慮して設置をしましょう。

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【4】作業・下処理・保管設備(調理補助)

【主な機器
□作業台(調理台・まな板置き場)
□吊戸棚・引き出し(収納)
□サラマンダー(焼き色・保温に)
□ミキサー・フードプロセッサー(調理補助)

【補足と注意点

  • 作業台はステンレス製で高さ調整可能なものが理想です。
  • 収納は「床に置かない」保健所基準に沿い、吊り戸棚やラックで空中活用しましょう。
  • 小型機器の電源(100V or 200V)も要チェックです。

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【5】排気・空調・防火設備(環境整備)

【主な機器
□ダクトフード(レンジフード)
□給排気ファン(強制換気)
□エアコン・空調機
□防火ダンパー(建築基準法による)
□一部自治体で消火装置の設置が必要な場合も

【補足と注意点

  • 火気機器の直上には必ずフード設置が必要です。グリースフィルター付きのものが望ましいです。
  • 排気量に対して給気量が足りないと、「換気不良」で煙が店内にこもることもあります。
  • 内装業者と厨房業者が別の場合、ダクト設計を連携しないとトラブルの元になります。

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● サービス備品・店内設備

【6】店内・接客用設備(フロント)

【主な機器
□テーブル・椅子・カウンター
□メニュー立て・POPスタンド
□POSレジ(クラウド型・据置型)
□タブレット注文端末
□キャッシュレス決済端末(Airペイなど)

【補足と注意点

  • POSレジと注文端末は連携できるシステムを選ぶと、オーダーミスが減少します。
  • キャッシュレス決済の申請〜導入には約1か月かかる場合があります。早めの準備が必須です。
  • 店内家具はデザイン性だけでなく「掃除しやすさ」「高さ・導線」を重視しましょう。

【7】備品・消耗品類(必需品)

【主なアイテム
□調理器具(包丁・鍋・ボウル・トングなど)
□食器(皿・グラス・箸・フォーク)
□調味料入れ・保存容器
□ラップ・ホイル・洗剤・スポンジ
□ダスター・ゴミ箱・バット・番重

【補足と注意点

  • 備品は「初回仕入れリスト」として一覧化しておくと管理がスムーズです。
  • 食器は破損を見越して、開業時点で2〜3割多めに確保しておくと安心です。
  • 清掃・衛生用品は「業務用まとめ買い」でコスト削減が可能です。

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業態別に必要になる主な追加機器

カフェ:冷蔵ショーケース・エスプレッソマシン・ミル・ワッフルメーカー
ラーメン店:寸胴鍋・強火力ガスレンジ・茹で麺機・スープストッカー
焼肉店:無煙ロースター・卓上排煙フード・炭保管庫
居酒屋:多機能フライヤー・おでん鍋・一升瓶ラック・焼き台
テイクアウト専門:コンパクト厨房・小型フライヤー・包装機・持ち帰り対応設備

このように、厨房機器・備品は「業態×メニュー×オペレーション」に応じて選定が大きく変わります。
また、中古機器の活用やリース導入でコストダウンも可能ですが、厨房設計と機器導入は必ず専門業者と相談しながら進めるのがベストです。

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成功するための開業準備3つのコツ

  1. 開業準備は“逆算スケジュール”で考える
     許可・設備納品・人材確保は、想定より時間がかかる場合がある。常に“早め”に動くこと。
  2. 専門家に頼るべきところは頼る
     厨房設計・許認可・会計はプロに相談することでロスが減る。無料相談を上手に活用。
  3. 「やりたいこと」より「儲かる仕組み」を意識する
     理想の店づくりにこだわりすぎて採算が合わない事例は多い。コンセプト×利益構造の両立が重要。

まとめ|飲食店開業チェックリストで“抜け”のない準備を

飲食店の開業は、情熱と戦略を同時に求められるチャレンジです。準備不足や情報不足が命取りになることも珍しくありません。

本記事で紹介した時系列チェックリストと注意点を活用することで、あなたの開業がよりスムーズに、そして成功に近づくことを願っています。

「準備の全体像が見えた」と思った今こそ、実行に移すタイミングです。

関連記事:初めての飲食店開業:成功のためのステップと注意点

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