飲食店の厨房は、単なる調理スペースではありません。それは、お店の“利益を生み出すエンジン”です。
特に10坪前後の小規模飲食店では、厨房の面積が限られるため、どの業務用機器を選び、どこに配置するかによって、料理提供スピード、スタッフの動きやすさ、ひいては利益率まで大きく左右されます。
「厨房が狭くてオペレーションに無駄が多い」「設備にお金をかけすぎた割に効率が悪い」
──そんな悩みを抱える店舗も少なくありません。
本記事では、小〜中規模の飲食店オーナー向けに、業務用厨房機器の選定ポイントと、動線を意識したレイアウトの考え方を徹底解説します。
限られたスペースでも“稼げる厨房”をつくるヒントを、ぜひお役立てください。

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目次
なぜ厨房に業務用機器が必要なのか?
飲食店において、家庭用機器では営業に耐えうる性能や耐久性が不足しており、トラブルや衛生上の問題が発生しやすくなります。業務用機器には、以下のような明確な違いがあります。
比較項目 | 業務用機器 | 家庭用機器 |
---|---|---|
稼働時間 | 長時間連続使用可 | 短時間前提 |
出力 | 高火力・高冷却力 | 出力制限あり |
衛生性 | 保健所基準を満たす設計 | 一般家庭レベル |
耐久性 | 業務前提の構造 | 日常使用前提 |
掃除性 | ステンレス製が多く清掃しやすい | 凹凸や樹脂で手入れが大変 |
例えば冷蔵庫。飲食店用には24時間稼働を前提とした台下冷蔵庫(コールドテーブル)があり、作業台としても活用できます。
フライヤーやグリドルも、同時に複数品目を扱える設計で、回転率に大きく差が出ます。
厨房における業務用機器の導入は、もはや“必須条件”です。
厨房レイアウトで失敗しないための基本原則
原則①:厨房の「導線(動線)」は“回遊型”が理想
厨房での動線が悪いと、スタッフがぶつかったり、調理が止まったりと非効率です。狭い厨房ほど「行き止まりがないレイアウト」、つまり回遊導線が望まれます。
- 通路幅は最低70cm、できれば90cm以上が理想
- 調理と洗浄が交差しないよう、作業の流れを一方向に設計
- 例えば冷蔵庫の開閉方向、通路の曲がり角など、スタッフの手の動きも想定して設計
原則②:「加熱・冷却・洗浄」のゾーンを明確に分離
厨房内は「火」「水」「冷」の要素が混在するため、ゾーンを分けることが効率と安全の鍵です。
ゾーン | 主な設備 | 注意点 |
---|---|---|
加熱 | ガステーブル、フライヤー、グリドル | 排気ダクト、防火対策が必要 |
冷却 | 冷蔵庫、製氷機、冷凍庫 | 熱源との距離をとる |
洗浄 | シンク、食洗機 | 水はねと動線分離が重要 |
例えばフライヤーの隣に冷蔵庫を置くと、熱で庫内温度が上がり、機器寿命が縮まる原因になります。
原則③:作業の要所を「三角形」に配置(ワークトライアングル)
「冷蔵庫→シンク→加熱機器」の3点を結ぶ三角形を形成することで、調理中の動作がスムーズになります。
- 各辺の長さは90〜180cm、三辺合計360〜600cmが理想
- この距離感が崩れると、ムダな移動が発生し効率低下
原則④:機器の“使用時サイズ”と配線・搬入を想定
- 冷蔵庫の扉が壁や隣接機器に当たらないか?
- 機器の上に排気フードや作業棚を取り付けられるか?
- 電源の位置やアンペア数は?
- 機器の搬入ルートに90度曲がり角や段差がないか?
見落としがちな部分こそ、設計段階でチェックしましょう。
原則⑤:洗浄エリアは最初に決める
保健所の指導や衛生面からも、2〜3槽シンクや手洗器は必須です。
後から無理やり押し込むのではなく、厨房設計の初期段階でスペース確保を行いましょう。
業務用厨房機器の選び方|業態・面積に応じた最適化
厨房面積が限られる場合、1台で複数役割をこなす機器や、サイズ展開が豊富な機種が便利です。
カテゴリ別おすすめ機器と選定ポイント
カテゴリ | 機器例 | ポイント |
---|---|---|
冷却 | 台下冷蔵庫 | 作業台兼用、省スペース |
加熱 | ガステーブル(小型) | 高火力・鍋のサイズに合うか |
揚げ物 | 卓上フライヤー | 揚げ数・油量・清掃性 |
洗浄 | 2槽シンク+小型食洗機 | 時短・衛生・節水 |
仕込み補助 | 真空包装機・ミキサー | 衛生的な仕込みと保存 |
業態により求められるスペックは異なります。
例えば、居酒屋では複数品同時揚げ対応のフライヤー、カフェではスチーム対応のオーブンなど、業態とオペレーションを想定して選ぶことが重要です。
厨房レイアウトと機器構成の業態別実例
ラーメン店(8〜10坪)
- I型一直線配置でスープ→麺→盛り付けの最短動線
- 寸胴鍋対応のガステーブルと、スープ専用ストッカーを併設

カフェ(10〜12坪)
- L型レイアウトでドリンクと軽食を分離
- エスプレッソマシン横に製氷機、オーブンレンジ下に台下冷蔵庫を配置

居酒屋・定食屋(12〜15坪)
- 調理エリアと洗浄エリアを分離したU型またはゾーン分離型
- 調理側に冷蔵庫・フライヤー・グリドル、洗浄側に2槽シンクと食洗機

中古業務用機器の活用でコストを抑える
新品の厨房機器は高額なため、状態の良い中古機器を活用することで初期投資を抑えられます。
中古機器のチェックポイント
□ 製造年・型番の確認:製造から10年以上経過しているものは故障リスクが高まります
□ 保証の有無:保証があるかどうか、保証期間・範囲をチェックしましょう
□ 整備済みかどうか:専門業者が点検・整備しているかは重要な判断材料です
□ 庫内の臭い・サビ・キズの状態:目視と匂いで簡易チェックできます
□ 搬入経路に合うサイズか:幅・奥行き・高さを事前に確認し、導入に支障がないかを確認しておきましょう
業務用厨房機器のリサイクル専門業者を利用すれば整備済みで安心です。
保証付き商品も多く、初心者にもおすすめです。
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まとめ|狭い厨房でも“回る設計”ができる
- 厨房業務用機器は、飲食店経営の基盤
- 小規模店舗こそ、レイアウトと機器選定が重要
- 導線・ゾーニング・三角配置・搬入計画が設計のカギ
- 中古活用でコスト圧縮+導入スピードアップ
狭い厨房でも、考え抜かれたレイアウトと業務用機器があれば、利益を生む“よく回る厨房”は実現可能です。
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