火口の位置や冷蔵庫の扉、気にせずオープンしていませんか?

経営ノウハウ

火口の位置、まな板の高さ、冷蔵庫の動線…。図面や完成直後の状態では完璧に見えても、実際に動いてみると意外な不便さに気づくことがあります。

特に厨房は、一度オープンしてから修正しようとすると多額の工事費や休業リスクが発生する「後悔ポイント」の宝庫です。
今回は、オープン前夜に必ずやっておきたい厨房チェックリストをご紹介します。

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目次

調理動線の最終確認

厨房における調理動線は、料理の提供スピードやスタッフの疲労度に直結します。
見た目では広く快適に見えても、実際に調理を始めると「ここで立ち止まってしまう」「人とぶつかる」といった問題が発生することが少なくありません。

オープン前夜には、必ず実際の動きをシミュレーションして確認しておきましょう。

仕込みから調理までの流れを試す

仕込み場から食材を持ち出し、シンクで洗い、まな板で切り、火口で加熱する。
この一連の流れを、実際にスタッフが歩いてみることが重要です。

その際に「冷蔵庫の扉を開けると後ろの人の通路をふさいでしまう」「シンクから作業台までの距離が無駄に長い」といった不具合が見つかることがあります。

盛り付け・提供までを想定する

調理が終わった後、皿に盛り付けてデシャップ(提供口)に運ぶ動作も確認してください。
このとき、皿を持ったまま他のスタッフとすれ違う必要があれば、衝突や落下のリスクが高まります。
提供直前の動線がスムーズであるかは、接客の印象にも直結します。

人数を想定して動いてみる

一人で歩くだけでは気づけない問題も多いため、スタッフ数名で同時に動いてみることをおすすめします。
仕込み担当、火口担当、ホール担当などが実際にオペレーションを想定して動けば、すれ違いや渋滞がどこで起きるかが明確になります。

無駄な動きを減らす工夫

もし動線上に「回り込む必要がある」「立ち止まって待つ必要がある」といったムダがあれば、配置変更や備品の移動で改善できます。

小さな修正でも、営業中には大きな効率アップにつながります。
オープン前夜は“最小の動きで最大の成果を出せる動線”を探すことを意識しましょう。

▶ このように細かく動線を確認しておくことで、オープン後の「もっとこうしておけばよかった…」を大幅に減らせます。

火口(コンロ)の位置チェック

火口(コンロ)の位置は、厨房設計における要のひとつです。
使いやすさや作業効率だけでなく、安全性や快適性にも直結します。
オープン前夜には、実際に鍋やフライパンを持って調理動作を試し、細かい部分まで確認しておくことが大切です。

作業台との距離を確認する

火口と作業台の距離が近すぎると、油跳ねや熱気で仕込み作業に支障をきたします。
逆に遠すぎると、カットした食材を鍋に入れる際に余計な移動が発生し、効率が下がってしまいます。
作業台からコンロへ“ひと振りで移せる距離”かどうかを、実際に食材や調理器具を持って試してみましょう。

鍋やフライパンを扱うときの高さと安全性

火口の高さも重要です。背の低いスタッフにとっては鍋を持ち上げる動作が負担になり、背の高いスタッフにとっては腰をかがめる姿勢が続くと疲労につながります。

また、複数の鍋を同時に扱うとき、取っ手同士が干渉しないかも確認してください。
ほんの数センチの位置の違いが、作業効率や安全性を大きく左右します。

換気フードとの位置関係をチェック

火口が換気フードの吸引範囲から外れていると、煙や熱が厨房内に広がってしまいます。
これにより厨房の温度が上がり、スタッフが働きにくくなるだけでなく、空調コストもかさみます。
オープン前夜には、実際に点火して火力を上げ、煙や湯気がしっかりフードに吸い込まれるかを確認してください。

隣接する設備との干渉を確認する

火口の横に冷蔵庫や調理器具置き場がある場合、熱による劣化や食品への影響が心配です。
また、火口の隣にフライヤーや鉄板が並んでいると、油跳ねや火の扱いで危険が増すこともあります。
オープン前夜には、実際に複数の調理器具を使ってみて「隣同士の作業が干渉しないか」を見ておきましょう。

将来的な拡張も想定する

オープン時は十分と思っていても、メニューが増えると「もう一口欲しい」となることもあります。
火口の配置が詰め込み型だと拡張が難しく、結果的に大規模工事が必要になるケースもあります。
前夜のチェック時に、余裕のあるレイアウトかどうかも意識してください。

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▶火口の位置は「毎日必ず使う場所」だからこそ、ほんの数センチの違いが大きな差を生みます。
オープン前夜に入念に確認しておくことが、長期的な快適さとコスト削減につながります。

作業台・まな板の高さ

作業台やまな板の高さは、厨房で働く人の体への負担に直結します。
仕込みや盛り付けなど、長時間同じ姿勢で行う作業だからこそ、数センチの差が大きな違いとなります。
オープン前夜には、実際に包丁を持ち、食材を切る動作を試して確認しておきましょう。

身体への負担をチェックする

作業台が高すぎると、肩を上げたまま作業することになり、肩こりや腕の疲労を引き起こします。
逆に低すぎると腰をかがめる時間が増え、腰痛や疲労の原因になります。

仕込み作業は毎日の積み重ねですので、無理な姿勢が慢性化するとスタッフの離職や体調不良につながる恐れもあります。

身長差を考慮する

スタッフ全員の身長が同じではありません。
ある人にとって快適でも、別の人にとっては使いづらい高さになってしまうことがあります。
前夜には複数のスタッフに立ってもらい、それぞれの視点で作業しやすいかを確認してください。

必要に応じて踏み台を用意したり、調整可能な作業台を検討したりするのも一案です。

作業内容によって適切な高さは変わる

食材を細かく切る作業と、大皿に盛り付けをする作業では、理想的な高さが変わります。
一般的に、細かいカット作業には「肘を少し曲げた位置より低め」が適し、大皿や重い鍋を扱うときは「やや高め」の方が体に負担が少ないとされています。

実際に包丁や皿を使い、複数の作業を試してみると、現場に合った高さが見えてきます。

動線とのバランスを確認する

作業台の高さは単独で考えるのではなく、隣接する火口やシンクとのバランスも大切です。
例えば、切った食材を鍋に移すときに、作業台と火口の高さ差が大きすぎると作業効率が悪くなります。
また、シンクから作業台への移動時に“持ち上げすぎ”や“かがみすぎ”が発生しないかもチェックしましょう。

小さな調整で改善できる

もし高さが完全に合わない場合でも、厚手のまな板を敷くことで数センチ調整できますし、逆に低くしたい場合は台の下にカット台を追加する方法もあります。

大規模な工事をせずとも、小さな工夫で使いやすさを改善できる場合がありますので、前夜のうちに試しておくと安心です。

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▶作業台やまな板の高さは「体の負担」と「作業効率」の両方に影響します。
数センチの違いが毎日の積み重ねになるため、オープン前夜に必ず確認しておくことが長く快適に働ける厨房づくりにつながります。

冷蔵庫・冷凍庫の動線

冷蔵庫や冷凍庫は厨房に欠かせない設備ですが、配置や扉の向きによっては作業効率を大きく下げてしまいます。
オープン前夜には実際に扉を開閉し、仕込みや調理の流れの中で支障がないかを確認しておきましょう。
後から動かそうとすると大掛かりな工事になるため、ここは“やり直しが効かないチェックポイント”です。

扉の開閉方向を確認する

冷蔵庫の扉は、開く方向ひとつで作業効率が変わります。
例えば、作業台側に開くべき扉が逆に開いてしまうと、食材を取り出すたびに余計な回り込みが発生します。
また、扉を開けたときに通路をふさいでしまい、他のスタッフが通れなくなるケースも少なくありません。

前夜に必ず実際の動作をシミュレーションしてください。

調理と仕込みの動線を分ける

仕込み担当が食材を取りに行く動線と、調理中のスタッフが使う動線が重なると、渋滞や衝突が起こります。
特に狭い厨房では、冷蔵庫前が「ボトルネック」になりやすいため要注意です。
仕込み用、調理用、ドリンク用といった目的ごとに動線を分けることが理想です。

頻度の高い食材の配置を意識する

よく使う食材が奥まった位置や取りづらい段にあると、効率が大きく落ちます。
調理中によく取り出す肉や野菜は手前や中段に、長期保存用の食材は下段や奥に置くなど、使用頻度を意識した配置が必要です。

オープン前夜には、実際のメニューを想定しながら出し入れを試してみましょう。

ドリンク・デザート用との分離

意外と見落とされやすいのが、ドリンクやデザート用の冷蔵庫の動線です。
これらはホールスタッフが頻繁に出入りするため、調理動線と重なると混乱の原因になります。
ドリンク専用の冷蔵庫をホール寄りに置く、デザート用は調理と離すなど、役割分担を考えた配置が必要です。

メンテナンス性も考慮する

動線だけでなく、メンテナンスのしやすさも重要です。
壁際に詰めすぎてしまうと清掃が難しく、排熱がこもって性能低下や故障につながります。
前夜には、背面のスペースや換気の流れも確認しておきましょう。

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▶冷蔵庫や冷凍庫は「厨房の心臓部」といっても過言ではありません。
毎日の仕込み・調理・提供をスムーズに進めるためにも、オープン前夜に必ず動線を実際に歩いて確認し、将来の後悔を防ぎましょう。

洗い場と排水のチェック

洗い場の使いやすさを確認する

洗い場は、営業中に最も頻繁に使用される場所のひとつです。
皿洗いや調理器具の洗浄がスムーズに進まないと、提供スピードが落ちてしまいます。
そのため、シンクの深さや広さ、蛇口の位置が作業しやすいかを事前に確認することが大切です。

例えば、フライパンや大鍋などを洗う際に、十分なスペースがあるかどうかは特に重要です。

動線と配置を考える

洗い場は、調理エリアから適度に近い位置にありながら、調理の邪魔にならない配置が理想です。
皿や調理器具が自然な流れで「使用後 → 洗浄 → 乾燥・収納」と移動できるように動線を設計することで、スタッフの無駄な移動が減ります。

たとえば、食洗機の位置をシンクの横に置くことで、洗浄後すぐに乾燥棚へ移せるなど、一連の作業が途切れない流れを作ることができます。

排水の詰まりやすさをチェックする

排水は、店舗オープン後にトラブルが起きやすい部分でもあります。
水の流れが悪かったり、排水溝が詰まりやすかったりする構造になっていると、営業中に深刻な問題を引き起こす可能性があります。

事前に「水の流れはスムーズか」「ゴミ受けは清掃しやすいか」「定期的なメンテナンスが可能か」を確認しておくと安心です。

衛生管理のしやすさを意識する

洗い場と排水は、衛生管理の観点でも重要なチェックポイントです。
水はねが厨房内に広がると不衛生になりやすいため、シンク周りの高さや防水性も確認しておきましょう。
また、排水口の清掃がしやすい構造であれば、日常的な衛生管理がしやすくなります。

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▶このように、洗い場と排水は「地味だけれどトラブルになりやすい場所」です。
開業前にしっかり確認しておくことで、日々の業務がスムーズに進みます。

スタッフ動線の交差ポイント

スタッフ動線の交差は「小さな渋滞」を生む

厨房内では、料理人、洗い場担当、ホールスタッフが同時に動いています。
その際、動線が交差する箇所が多いと、すれ違いが頻発し「小さな渋滞」が生じてしまいます。

ほんの数秒の遅れでも、ピークタイムには大きなロスとなり、提供スピードの低下やスタッフのストレスにつながります。

注文の流れを意識した配置

たとえば、ホールからオーダーを伝える導線と、料理が完成して出ていく導線が交差する場合、必ず混雑が起きます。
また、洗い物を下げる動きと仕込み作業の動線が重なると、衝突や作業効率の低下につながります。

したがって、注文の流れや料理提供の流れを意識して、なるべく一方通行に近い形で設計することが重要です。

ピークタイムを想定したシミュレーション

実際に厨房を歩きながら、ピーク時にスタッフが同時に動いた場合をシミュレーションしてみましょう。
「この場所で2人がすれ違えるか」「下げ物と提供が同じタイミングでぶつからないか」を確認することが、事前のトラブル回避につながります。

わずかな改善で大きな差が出る

動線の交差ポイントは、機器の位置を数十センチずらすだけで解消できる場合もあります。
ドアの開く方向を変える、作業台の向きを変えるといった小さな工夫でも、スタッフ同士の動きがスムーズになり、厨房全体の効率が大きく改善します。

▶スタッフ同士の動線が交差すると、衝突や作業効率の低下につながります。
導線を明確に分け、作業の流れを整理することで、安全性とスピードの両立が可能になります。

電気・ガス・水回りの最終確認

電気設備の最終確認

開業前には、厨房や店内の電気設備が正常に作動するか、必ず確認してください。
コンセントやブレーカーの容量、照明の点灯状況、厨房機器の電源チェックなど、実際に全ての機器を動かしてテストすることが大切です。

特に、電子レンジやオーブン、冷蔵庫など、同時使用する機器が多い場合は、ブレーカーが落ちないかも確認しておきましょう。

ガス設備の最終確認

ガスを使用する厨房では、ガス漏れや接続の緩みがないか必ずチェックしてください。
開栓前には、専門業者による点検が望ましく、調理機器が正常に点火するかも確認します。
また、火力の調整がスムーズに行えるか、十分な換気が確保されているかも確認しましょう。

水回りの最終確認

シンクや蛇口、排水管に水漏れがないか、給水・排水の流れが問題ないかを確認します。
特に、洗い場や製氷機、食器洗浄機の給排水は、運営中にトラブルが起こりやすいため入念にチェックしてください。

水圧やお湯の温度も、普段の調理や洗い物に支障がないか確認しておくと安心です。

▶開業直前の電気・ガス・水回りの確認は、安全面だけでなく、スムーズな営業にも直結します。
問題が見つかった場合は早めに専門業者に依頼し、万全の状態でオープンを迎えましょう。

後悔しやすいポイント事例

電気・ガス・水回りの容量不足

開業後に「電気が足りない」「ガスの火力が弱い」「水圧が低い」と感じるケースは多くあります。
特に厨房機器を同時に使用する場合、ブレーカーが落ちたり火力が安定しなかったりすることがあります。
事前に容量や使用条件を確認しておかないと、営業中にトラブルが発生し、作業効率や提供スピードに影響します。

配管や排水の不備

排水の流れが悪かったり、蛇口や配管の接続が不十分だったりすると、水漏れや悪臭の原因になることがあります。
特に小型店舗では、排水トラブルが発生すると営業に大きな支障が出やすいため、給排水のチェックは入念に行うことが重要です。

設備の位置や動線の不便さ

電気コンセントやガス栓、水回り設備の位置が使いにくいと、調理や洗い物の効率が大きく下がります。
厨房内での動線が悪いと、スタッフの動きが重なり作業が滞ることもあります。
開業前に設備の配置をイメージしながら確認することが、後悔を防ぐポイントです。

点検や修理の手間

開業後に設備不良が見つかると、修理や点検に時間とコストがかかります。
営業を止める必要が出る場合もあり、売上に直結するリスクもあります。
事前に専門業者に依頼して最終チェックを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

▶電気・ガス・水回りは、見落としがちなポイントですが、後悔しやすい部分でもあります。
事前の確認と配置の工夫、容量のチェックを怠らず、開業後にトラブルなくスムーズに営業できる環境を整えることが大切です。

まとめ:前夜に動いてみることが最高の投資

前夜の確認で不安を解消

開業前日の夜に、実際に店内を歩き回り、設備や動線を確認することは非常に有効です。
照明や電源の入り具合、ガスや水回りの動作、調理機器の位置など、細かい点まで目で確認することで、不安や疑問点を事前に解消できます。

紙のチェックリストを手にしながら一つひとつ確認すると、見落としが減り安心感が増します。

スタッフ動線の最終確認

前夜にスタッフの動きを想定して、調理から提供までの動線をシミュレーションしてみましょう。
厨房内での作業の重なりや、洗い場や配膳エリアでの交差ポイントに気づけます。
必要であれば、設備の配置や導線の調整も前夜のうちに行うと、翌日の営業がスムーズになります。

小さなトラブルの発見と改善

実際に機器を動かしてみることで、日中の忙しい時間では気づきにくい小さなトラブルも見つかります。
例えば、水漏れや電気の入りにくさ、火力の不安定さなどです。
これらを前夜に確認して修正できれば、開業当日のトラブルを大幅に減らすことができます。

まとめ

前夜に店を動かしてみることは、準備にかけた時間やコスト以上の価値があります。
不安を解消し、スタッフ動線を確認し、小さなトラブルを未然に防ぐ――これらはすべて、当日の営業をスムーズにし、お客様に安心と信頼を提供するための最高の投資です。

前夜のひと手間が、開業成功の大きな差となります。

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