2020年から流行した新型コロナウイルスによって、飲食店は「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の影響で飲食店は大きな痛手を受けました。
それに伴い、店頭販売を新たに検討された飲食店が多かったと思います。
ただ、店頭販売のやり方やコツ、資格など分からない方もいるでしょう。
本記事では、コロナ禍明けの今、関東地区において、これから店頭販売を始める方や既に始めている方向けの、店頭販売に関しての疑問を解決致します。
目次
関東地区で飲食店の店頭販売をする5つのメリット
関東地区で飲食店の店頭販売をするメリットはいくつかあります。以下にいくつかのメリットを挙げてみます。
1.プロモーションと集客
店頭販売は、通行人や近隣の人々に直接商品を見せる機会を提供します。看板やディスプレイを活用して魅力的な商品をアピールすることで、新規の顧客を引き付けることができます。
2.即時の売上増加
店頭販売は即時の現金収入をもたらします。飲食店では、テイクアウトや持ち帰りメニューを提供することで、需要のある商品を即座に販売することができます。
3.ブランドの認知度向上
店頭販売は、ブランドの認知度向上にも役立ちます。地域の人々が直接接触することで、飲食店の存在や特徴を知る機会を得ることができます。その結果、店舗のブランドイメージを構築し、ロイヤルティを高めることができます。
4.直接の顧客フィードバック
店頭販売は、顧客との直接的な対話の機会を提供します。顧客の要望やフィードバックを受けることで、商品やサービスの改善点を把握し、より良い顧客体験を提供することができます。
5.競合他社との差別化
店頭販売は、他の競合店舗との差別化を図るための手段として活用できます。魅力的なディスプレイや特別なオファーを通じて、顧客に独自の価値を提供し、競争力を高めることができます。
これらのメリットを活かすためには、店頭販売を戦略的に計画し、適切なプロモーションやマーケティング活動を行うことが重要です。また、地域の規制や流通ルートにも注意しながら実施することが必要です。
今回は、飲食店の店頭販売にあたり、「効果・コツ・許可・注意点」について深堀し、「これはありがたい。」と思っていただける、惣菜製造許可・菓子製造業・食肉製品製造業・魚介類販売業・食肉販売業など各エリアごとに異なる連絡先窓口などをダウンロードできる便利な「コンテンツ」をご紹介します。
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店頭販売の効果
店頭販売とは、店先や店舗入口でテイクアウト用にお弁当屋や惣菜などを販売する方法です。
お客様に立ち止まってもらうことで、お店の雰囲気やメニューを知ってもらうきっかけになります。
そして店頭販売での対応や味、価格などでお店を好きになってもらえれば、その後店内飲食にきてくれる可能性も高まります。
このように新規顧客を獲得し、更にそこからリピーターになってくれる可能性が期待できますので、店頭販売は売り上げに貢献する一つの手段といえるでしょう。
店頭販売のコツ
店頭販売を利用するお客様は、店の雰囲気や販売しているメニューに惹かれて商品を購入します。
そのため、店を意識していない方にも興味をもってもらうことが重要です。
お店の前を通る方を観察し、ターゲットを絞り込み、ニーズのあるメニューを店頭販売するようにしましょう。
ここではお客様に足を止めて商品を見てもらうコツをご紹介致します。
シズル効果
シズル効果とは音や香りなどによって消費者の五感を刺激し、それによって購買意欲を生じさせる効果です。
できあがったメニューを売るだけでなく、注文を受けてからその場で料理を作ると、音や香りでお客様の購買意欲が湧きます。
店頭販売では販売しているメニューの実物を目にしたり匂いを感じたりできるので、見た目・香り・音を十分に活用することで集客と販促に繋がります。
おすすめ商品
その店の看板商品やおすすめ商品を大きく宣伝すると、足を止めてメニューを見てくれる可能性が高まります。
行きたい店や食べたいものが決まっていない方は選択肢が多い状態ですので、おすすめ商品をPOPやA型看板を使ってアピールします。
メニュー名や値段だけでなく、特徴やおおすすめの理由も合わせて掲示するようにしましょう。
接客態度
どんなにメニューや店の雰囲気が魅力的でも、スタッフの態度が悪く近寄りがたいと思われてしまっては、集客に悪影響を及ぼしてしまいます。
清潔感のある身だしなみ、丁寧な言葉遣い、そして最も大切な笑顔で良い印象を持ってもらえるようにしましょう。
マスクをしていると口元が見えないため、目元を意識して接客することがポイントです。
また、お客様に声をかけるタイミングも重要です。
お客様がメニュー表を見て考えているのにスタッフは声をかけない、逆に足を止めただけで勢いよく声をかけられる、など良かれと思ってとった行動でも、お客様によっては気分を悪くされてしまいます。
お客様が興味を持っていそうなタイミングで挨拶することで、商品について聞いたり、会計をお願いしたりしやすい雰囲気を作ることができますので、意識して接客しましょう。
販売時間
せっかく店頭販売をするのに、人が全く通らない時間帯に行うのは労力の無駄になってしまいます。
集客するには人通りの多い時間帯に実施するようにしましょう。
時間帯によってターゲットを変え、販売するメニューを変えることも一つのポイントです。
例えばオフィス街にある店であれば、平日のランチ時お弁当販売。
住宅街にある店であれば、中食にも対応できるおかずのみの商品や、お子様向けの商品のニーズもあるでしょう。
それぞれの時間帯のターゲットのニーズを考慮して、メニューを決めることが重要です。
外装・POP
外装は店の業態や扱うメニュー、雰囲気などを想像できるデザインにすることがポイントです。
周囲に似たコンセプトの飲食店がある場合、外装まで似ているとご自身の店の印象が薄れてしまいますので、周囲の飲食店の外装は必ず確認しましょう。
ご自身の店ならではの特徴が伝わるデザインを意識してみてください。
また、通行人に店舗を知ってもらうには、POPや看板が有効です。
POPや看板は歩きながらでも目に入るものでなければ効果がありませんので、離れた所からでも目に留まる大きさ・デザインにすることを心がけましょう。
POPや看板を確認できても、魅力的なメニューや利用するメリットがないと購入にまで至らないので、写真やメニューの売りを載せるなど、テイクアウトしたいと思われるように作成しましょう。
テイクアウト容器
店頭販売では、持ち運びしやすく美味しそうな盛り付けを維持できる容器を選ぶ必要があります。
せっかく味が美味しくても、持ち運んでいる間に料理が崩れたり、寄ったりすると次回購入に繋がりません。
そうならないようにメニューごとに合う大きさや形状の容器を選ぶようにしましょう。
汁ものはフタ外れにくい容器、カレーはルーとライスの仕切りがある容器、丼ものは高さのある容器を選ぶなど、お客様目線で考えることが大切です。
店内で使用する食器にこだわるように、店頭販売で使用する容器にもしっかりこだわるようにしましょう。
容器以外にも持ち運び用のビニール袋、おしぼり、割り箸やスプーンなどを用意すると、どこでも食事が楽しめてお客様に喜んでいただけます。
店頭販売の許可
店頭販売を行う場合、メニューによっては製造業や販売業の許可の取得が必要となるものがあります。
事前にしっかり確認して店頭販売するようにしましょう。
弁当・惣菜
飲食店営業の許可を取得している場合、弁当や惣菜の店頭販売や仕出しは可能です。
ただし、弁当や惣菜であっても「卸売販売」を行う場合は、惣菜製造業の許可が必要になります。
仕出しの場合は、配膳台等の設備が必要となる可能性もあるので注意しましょう。
ケーキ・焼き菓子
飲食店営業の許可を取得していても、ケーキや焼き菓子等を製造して店頭販売するためには、別で「菓子製造業」の許可が必要になります。
食肉製品(ソーセージ等)
ソーセージのような食肉製品の店頭販売は、飲食店営業許可の他に「食肉製品製造業」の許可が必要になります。
また、長期保存が可能となる製品等を製造する場合はも食肉製品製造業の許可が必要となる場合がありますので注意が必要です。
刺し身
飲食店営業の許可を取得していても、刺身を店頭販売する場合は別途「魚介類販売業」の許可が必要になります。
酒
店の調理場内で紙コップ等に注いだものを提供することは可能です。
また、市販のお酒を開封せずにそのまま販売する場合も、食品衛生法上の営業許可を取得する必要はありません。
しかし酒税法に基づく免許を受ける必要がありますので、税務署にご相談ください。
生肉
飲食店営業の許可を取得していても、生肉を販売する場合は、「食肉販売業」の許可が必要になります。
ラーメン
麺・スープ・具材を詰め合わせたセットを販売する場合、麺を製造する場合は「めん類製造業」の許可、チャーシューを製造する場合は「食肉製品製造業」の許可が必要になります。
店頭販売の注意点
店頭販売にはやってはいけないことや、気をつけるべきポイントがいくつかあります。
それらを知らないまま店頭販売を始めると、法に触れてしまう可能性もあるので注意しましょう。
店頭での盛り付け
ご飯を盛り付ける行為は調理行為に該当しますので、調理場以外の場所で行うことができません。
飲食店営業の営業許可を取得している盛り付けは必ず店の調理場内で行うようにしてください。
また、屋外で食品を調理して提供する場合,飲食店営業(屋台)の営業許可が必要となります。
しかし当該営業許可を取得している場合であっても、米飯類を調理して提供することはできないことになっていますので注意してください。
衛生面
店頭販売されるメニューは、店内で食べるものよりも食べるまでの時間が長く、食中毒危険性が高くなります。
そのため、原材料の仕入れから販売までの衛生管理を徹底することや、早めに食べるよう呼びかけすることが重要です。
冷蔵設備等がない店頭販売する場合、冷蔵設備等がないと食品の温度管理が困難です。
必ず冷蔵設備を設けるなどをして温度を管理し、店頭販売するようにしましょう。
冷蔵設備がある場合でも、サラダや生もの販売はおすすめしません。
食品表示
あらかじめ容器包装された加工食品には、食品表示が義務付けられています。
ただし、メニューを店内で容器包装して販売する場合は、表示を行う必要はありません。
しかし、アレルゲンや期限など、お客様が知りたい場合は情報提供できるようにしておく必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
店頭販売はお店を知ってもらうきっかけにもなり、新規顧客の開拓にも繋がります。
また出来上がったメニューを実際に見て確認できるので、メニューの魅力をお客様に伝えることができます。
販売許可や、店頭販売の注意点をしっかり確認して、売上に繋げられるようにしましょう。