【ラーメン店・YOKOHAMA中華そば かみ山】妻と「二人三脚」で「ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指したい。」様々な試練を乗り越えて「町中華」と「ラーメン専門店」のハイブリッドを実現させた成功秘話とは?

出店・開業

小田急小田原線 経堂駅から徒歩4分の立地にある、ラーメン店「YOKOHAMA中華そば かみ山」。2017年にオープンして以来、店主実家の町中華と、修行した有名老舗ラーメン専門店で学んだ経験を生かした数多くのメニューから、超人気ラーメンYouTuberが2度来店するなど実力店となりました。店主は、老舗ラーメン店で7年修業を積んだ神山潤(じゅん)さん。開業後、口コミやSNSで広まりあっという間に人気店となりましたが、ここまで来るには一筋縄ではいかない数多くの苦労があったのです。

開業までの経緯

男ばかり3兄弟の末っ子で、小さいころから学生時代まで両親が東京・品川区大崎で営む中華料理店を手伝っていました。残念ながら16歳の時、父がくも膜下出血で急に他界。服部栄養専門学校卒業後、21歳で実家を継ぎ、母とともに出前もやるような、いわゆる「町中華」として頑張ってきましたが、建物の老巧化で立ち退きをすることになりました。

ずっと実家で働くというよりも、一度しっかりとした修行をしなければと漠然と考えていました。また、当時「第2次ラーメンブーム」で「武蔵・くじら軒・青葉」などが一気に流行り新規の行列店が出来た頃でした。そういうのもあり「自分もラーメン屋を目指したい。」という気持ちが高まり、立ち退き後の31歳で老舗ラーメン店に就職し修業。本店で1年、そのお店が出店されていた横浜で7年間勤務をし、店長も経験しました。その複合施設で同い年だった「三ん寅」の菅原さんと出会い志も同じで意気投合。

その後、身内の紹介でうどんのフランチャイズ店で社員として4年働いた後、妻と妻の両親が背中を押してくれたこともあり、「あなたが本当にやりたいと思うのならやってみたら。」という声をもらい、臆病で二の足を踏んでいた自分の気持ちを払拭することが出来ました。

そして、2017年9月13日に小田急小田原線 経堂駅から徒歩4分の立地にオープン。新店ながら「知る人ぞ知る」人気店になったのです。

「YOKOHAMA中華そば かみ山」一番人気の看板メニュー「サンマーメン (トッピングあり)」1,100円(税込)

超人気ラーメンYouTuberが来店されて紹介された「肉ニラスタミナメン」1,000円(税込)紹介後、注文されるメニューがほとんどこちらになったそうです。

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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード

物件探しは本当に苦労し大変でした。個人で小さなキャパシティのラーメン屋を開業しようと思っても、なかなかいい物件が出てこない。たまたま良い物件があったとしても、どうしても大手の法人には負けてしまいます。飛び込みで不動産屋さんに入っても、時には相手にしてもらえないことも。「ここでやりたい」と思ってもなかなか実現させるのは難しいです。

何十件も不動産屋さんを回り、たまたま飛び込んだところから紹介をもらい、縁があって今の経堂の地に開業することが出来ましたが、これからどうなっていくかも分からないので、初期投資も大きくかけられない。スケルトンの状態から立ち上げると莫大な費用がかかります。もともとあった居酒屋を「居抜き」の状態で契約し、ラーメンの機器は新しく導入したものばかりです。

使えたのは製氷機と冷蔵庫一台、トイレのみで、カウンターも作り直しましたし、冷蔵庫、冷凍庫も買い足しました。使える機材・商材は極力使うようにしコストを抑えようと思うと、そのような物件を見つけるのは至難の業でした。

普段、経堂という場所に来ることはなかったので、全くイメージは沸きませんでしたが、駅の乗降客が多く人の流れも多い。駅から徒歩4分の場所だったので、自信というよりも「ここだったらお店に人が流れてくるんじゃないか。」という期待値の方が大きかったです。

最終的には、いくら自分の味に自信があっても、場所選びを妥協してしまうと、うまくいかないと思います。

失敗したことと言えば、大きなものはありませんが、実際に毎日小さな失敗をしながら覚えていくことが多く、この繰り返しです。「何をもって失敗というのか。」と改めて考えると、開業時に出来るだけ必要なものは揃えておいた方が良いということですかね。5年半やってみたからこそ見えてくる営業スタイルがあり、例えば、洗浄機や券売機。私たちは夫婦2人で営業していますが、最初はない状態で始めましたが、調理や接客をしながらの、洗い物やお金のやり取りはかなりしんどいです。少ない人数での営業をする場合は、最初からの導入を強くお勧めします。

自分の場合は、妻が自営をしていたこともあり、開業前に支えてもらった部分が非常に大きかったですが、開業を考えている方は、何かしらの「力添え」がないとやっていけないと思います。

開業を決めてから実際に開業するまでに半年、長い場合は1年以上かかる場合もあると思いますが、その時に副収入があれば心に余裕があるかもしれませんが、個人で開業される場合は、開業するまで無職の方も多いはず。自分は開業を決めた後、体調を崩し入院する事がありました。妻には本当に苦労を掛けましたが、その際の「力添え」があったからこそ今があり、感謝してもしきれないくらい感謝しています。この記事が「感謝状」になるかな?(笑)

本当に周りの人の支えがないと無理。精神論だけではやっていけない。ここはぜひ念頭に置いておいてもらいたいですね。

また、じぶんは開業までは雇われている立場でしたが、新しい社員・スタッフが入ってきた場合、一生懸命に戦力になるように教えて育てて、仕事後も飲みに行って相談に乗るなどしてきて、もう少しで一人前となる頃に、残念ながら辞めてしまうことが多い。期待していたのに辞められると寂しく残念で仕方がなく、人を雇ってこういう思いをするなら、家族経営がいいなと思っています。まさに妻と「二人三脚」で、様々な試練を乗り越えて来たかなと思います。

カウンター6席のため、週末は行列になることも。

たくさんありますが、初めはお店を出すことで正直精一杯。開業が目標だったので、忙しい日もあれば暇な日もある感じで。「これからどうなるかな。」という不安もありました。

徐々にお客様が付いてくるようになりましたが、最初は洗浄機・券売機もない状態だったので、器など手洗いで行っていました。また、オーダーミスなどのトラブルも起きた際に、すごく時間が取られました。現金のやり取りも意外と大変です。昼は妻と2人でしたが、夜は私だけで営業(今は昼営業のみ)だったので、ラーメンを作りながらお客様の対応はとにかく大変でした。

こういうこともあり、洗浄機を導入し、更に券売機も導入。お店がすごく狭いので設置スペースをなんとか確保しました。この2つは導入しないとお店が回らないですね。今振り返ると、洗浄機・券売機がない状況は考えらえないです。よく洗浄機・券売機がない状態でやっていたなと思いますし、よく当時の事を話しています。開業してみないと分からない事でしたが、はじめてわかったことですね。

今のいちばんの働き手は、「洗浄機様」・「券売機様」です。(笑)

オーダーミスに関して、券売機だと、お客様が購入された商品名が印字されるので、トラブル時にお客様の勘違いかどうかはすぐ分かりますが、口頭でのやり取りだと、こちらの聞き間違いかもしれないので、謝るしかないですから。

また、「手洗いの無駄」も実感しました。最初は導入スペースもなかったので何とかやっていけるかと思いましたが、省スペースでも設置できる新商品を見つけ、洗浄機の扉を開けると1cmくらいしかない状態ですが大活躍です。

当初は、自分だけでの営業を予定していたのでカウンター7席。ただ、きつくなってきたので妻の力も借りることにしました。「券売機」を設置するとお客様が食券を買っている際に、食べ終わって帰ろうとする人の道をふさいでしまうので、その際は「ごめんなさい。」と伝えてご理解をいただいています。お互いに譲りながらご対応をいただいているので、本当に良いお客様ばかりで良い人間臭さが日々見られて微笑ましいくらいです。

コロナ禍になり、夜営業を辞めましたが、逆に昼しかやっていないということで昼間に集中的に来店いただけるようになり、長い時間営業すればいいというわけでもないことを実感。コロナがいいきっかけでした。

今では、夕方に営業が終わり、夜は妻・娘との時間を過ごせるようになりました。娘がもう少し大きくなれば、夜営業の再開もあるかもしれませんが、中学に入るくらいまではこのスタイルを続けたいですね。

飲食をやられているご家庭は、皆さんお忙しく家族のすれ違いが多いと思います。妻からも「土曜か日曜は休みにしてほしい。」と言われていましたから。今は主に日曜が休み。日曜休みは飲食店にとって稼ぎ時を失い痛手と言えますが、5年半このスタイルでやれていますので、本当に「お客様に感謝」です。

こだわりは、「丸鶏ベースのコラーゲンたっぷり秘伝スープ」「豚肉とシャキっと炒めたたっぷり野菜の旨味」「浅草開化楼特製のもっちり平打ち中太麺」だそうです。

老舗ラーメン店に就職し修業。本店で1年、そのお店が出店されていた横浜で7年間勤務をした後、うどんのフランチャイズ店で社員として4年働き、2017年に「YOKOHAMA中華そば かみ山」を開業。屋号の「YOKOHAMA」は特に横浜とは所縁はないものの、メニューに神奈川のご当地ラーメン「サンマーメン」があることや、横浜=中華・中華街のイメージで伝わりやすいことが由来。店名内の「中華そば」も中華そばを提供する予定はないが、単純に麺類もやっていますの意を込めて。』だそうです。

テンポスとのかかわり

開業時に丼・小鉢・レードル・中華鍋・寸胴など、調理道具一式を新宿店で購入させていただきました。

寸胴の大きいものは、妻の父が解体屋をやっているので、店舗の解体時に出たものを使っています。

お客様からのリクエストで「大盛り」メニューを導入した際もその丼はテンポスさんで購入。テンポスさんの会員カードも持っています。テンポスさんで買ったものは丈夫なものが多く助かっています。1年に1回ほどの来店ですが、「かゆい時に手が届く。」お店として気に入っていますので、これからもお願いします。

今後の展望・開業する方へのメッセージ

今年で50歳になるので、今みたいに最前線で鍋を振り続けることも徐々にできなくなると思います。でもこの仕事が「天職」だと思っているので、細く長くではないですが、営業形態を状況によって変えていくかもしれません。「経営者」になると現場に出なくなる方も多いかと思いますが、自分は「現場主義」なので、現場で少しでもお客様と触れ合っていくことを大切にしていきたいです。

鍋を振り続けることが大変になってくれば、メニュー数を絞ったり、いろいろな対応ができなくなったりすると思います。最終的に2~3種類でやるかもしれないです。

何が一番大変かというと、中華鍋をあおり体に負担がかかることで、ラーメン屋をやっている方は共通で言えることですので、体のケアが大切ですので、しっかりしていかなければと思っています。

また、現状に満足せずもっともっと美味しくなるように工夫し、味・サービスなどを追及していきます。現状に満足をすると、そこで止まってしまうと思いますし、大切な事です。「昨日より今日、今日より明日」と追及し続けないといけないと思っています。常に自分たちがブラッシュアップしていかないと駄目だと思っています。

お客様から「変わらないね。」と言われるためには、「変わっていかなければいけない。」人の味覚はどんどん進歩していくので、同じ味を提供し続けると「まずくなった。味が落ちた。」と言われるので、気付かれない程度のマイナーチェンジを行い、一歩でも二歩でも先を行くような味作りをやっていかないと思っています。

色々なところにヒントは落ちています。常にアンテナを伸ばして情報をキャッチし「細く長く」やっていきたいですね。

自分たちは夫婦2人で経営していますが、時間が経つとお互いの考えが変わる場合もあります。自分の事だけを考えず、相手の生活パターンやメンタルの部分などを配慮していかないとやっていけなくなります。ましてや妻としてだけではなく仕事においても大事なパートナーですから。

話は変わりますが、娘も料理が好きで、両親の姿を見ているからという理由もあるかと思います。料理の世界に入ってもらいたいというのではなく、料理を楽しんでやってもらいたいですね。自分が作ったラーメンを食べて喜んでいただいているお客様の顔を娘が見てくれれば響くものはあると思います。

また、ここ最近YouTubeのような新しい媒体が流行っていて、私も超人気ラーメンYouTuberに2度紹介してもらいましたが、娘が学校で友達から「見たよ。」と言われると親としても冥利に尽きるというか嬉しくなりますね。

ちなみに動画がアップされた次の日は、来店客の数がえげつない状態でした。注文されるメニューが後ほとんど紹介された「肉ニラスタミナメン」で、影響力の大きさを感じました。2回来店され紹介してもらったことはとても光栄です。

正直、自分のお店よりも美味しいお店はたくさんあると思いますが、自分も妻も目指しているのが、「ナンバーワンではなくオンリーワン」。ここにしか来ないと食べられないというものを作っていきたいと思っています。流行りを求めると、みんなが食いつきますが、いずれすたれてしまい、また新たな流行りを求めて違うところにいってしまうと指針がブレてしまう。自分は、今後も雰囲気も味も「オンリーワン」を求めていきます。

なぜ、自分が「タンメン」や「サンマーメン」を選んだかというと、「昔からあるもの」だから。何十年も前の「昭和の頃から中華料理屋に行くとあるメニュー。そういうものを磨き続けていきブラッシュアップをし「町中華」と「ラーメン専門店」のハイブリッドを目指していきます。

自分は、たまたま実家が「町中華」で、修行先が「ラーメン専門店」、そこに「ラーメンのスペシャリスト」たる仲間が多かった。今思うと、全てにおいて恵まれていたのかもしれないですね。お客様はもちろん、妻や自分と妻の両親、「三ん寅」の菅原さんに感謝。これに尽きます。

開業してからいろいろなことが絶対にありますので、自分の場合は、妻が自営をしていたこともあり、開業前に支えてもらった部分が非常に大きかったですが、開業を考えている方は、何かしらの「力添え」がないとやっていけないと思います。これによって精神面などがだいぶ変わってくると思いますよ!ぜひしっかりとした信念をもって頑張っていきましょう!

とめ

タイトルにもあるように、妻と「二人三脚」で「ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指したい。」と、様々な試練を乗り越えて「町中華」と「ラーメン専門店」のハイブリッドを実現させた「YOKOHAMA中華そば かみ山」店主の神山潤さん、かおりさんご夫妻。

夫婦2人での経営やカウンター7席での営業など、ミニマムな経営スタイルの成功事例は、今後、夫婦での開業を考えられている方には、とても参考になると思います。

また、取材をさせていただき、店主である神山潤さんの、妻かおりさんへの感謝の気持ちを強く感じました。

妻には本当に苦労を掛けましたが、その際の「力添え」があったからこそ今があり、感謝してもしきれないくらい感謝しています。この記事が「感謝状」になるかなというお言葉、また、「本当に周りの人の支えがないと無理。精神論だけではやっていけない。ここはぜひ念頭に置いておいてもらいたいですね。」というお言葉が特に印象的で、「自分一人だけでは何もできない。」という一見当たり前のことを再認識させられました。

脱サラし夫婦2人で新規開業される方もいらっしゃると思いますが、このような経験と心構えが開業後の様々な苦労と困難を乗り越える根源なのかもしれません。

テンポスドットコムでは、様々な視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!

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#取材協力
店名:YOKOHAMA中華そば かみ山
店主:神山潤氏
住所:東京都世田谷区経堂5-29-21
TEL:なし

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