東京で飲食店を開業する際、料理や立地だけでなく「コンセプト設計」が成功の鍵を握ります。特に、内装とコンセプトがかけ離れていると、どれだけ美味しい料理を提供していても集客につながりにくくリピーターもつかなくなります。
本記事では、飲食店専門の内装会社「スタジオテンポス」の視点から、コンセプトと内装の一貫性を持たせるための10のチェックポイントを解説します。
目次
基本コンセプトを一言で説明できるか
飲食店づくりは「どんな個性・特徴のある何屋か?」を明確にするところから始まります。20文字以内で言えるキャッチコピーのような言葉があると、他人に伝えやすく、ブランディングにもつながります。
例①「おばんざいと日本酒の“実家系”小料理屋」→ひとり暮らしのビジネスパーソンに向けた、実家のような安心感のある和食居酒屋。
例②「ひとり焼肉、10分で満腹。」→ランチタイム限定で提供する、立ち食い形式の一人焼肉専門店。オフィス街向け。
例③「薬膳×発酵の“ととのう”定食屋」→健康志向の女性をメインターゲットにした、発酵調味料と季節の食材を使った和定食。
スタジオテンポスでは、言語化しにくいイメージを整理し、伝わりやすい形にまとめるところからサポートします。

写真左:昭和レトロな鉄板焼屋
写真中央:ネオ東京×バブル期を彷彿とされるコンセプトカフェ
写真右:古民家×イタリア建築”らしくない”中華店
出店エリアの立地と物件状況を把握する
立地によって求められる店舗の雰囲気やサービスは異なります。駅前か住宅街か、人通りは多いか、どの時間帯がにぎわうか、営業時間は開業したい店舗のコンセプトに合っているかの物件診断が必要です。
たとえば、オフィス街であれば回転の早いランチ対応が求められる一方、住宅地ではゆっくりできる空間が好まれます。また、建物の間口、看板と建物自体の視認性も重要な要素です。どんな場所で開業するか、物件の特徴に合わせて内装計画を進めることが重要です。
誰をメインターゲットにするのか
どんな人に来てほしいかを明確にすることが、内装の方向性を決めるカギになります。性別・年齢・ライフスタイル・利用シーンなど、できるだけ具体的に想定しましょう。商圏からターゲット想定し、メインターゲットとサブターゲットを考えます。
たとえば、メインターゲットが30代〜50代のオフィス帰りの会社員、ランチや会食利用を想定したら、サブターゲットは20代の会社員、メインターゲットの取引先や、社内の後輩が一緒に訪れる事が考えられます。
ランチは回転率がよく、夜は会食利用もできるテーブル席を用意、落ち着いた照明、ゆったりしたカウンター、1人でも過ごしやすい空間が求められるなど内装設計を考える元になります。
利用動機に寄り添う空間をつくる
「なぜこの店に来るのか」を考えると、必要な要素が見えてきます。
特別な日に使うのか、日常的にふらっと寄るのか。
たとえば、誕生日や記念日を祝う店であれば、非日常を感じられる内装、客席が近すぎない椅子とテーブルのレイアウトが求められます。来店する同期は何かを掘り下げて考え、お客様の気持ちに寄り添った空間設計が、顧客満足度につながります。
提供するサービスと内装の関係性
料理だけでなく、どのような接客スタイルか、セルフかフルサービスかなど、サービス内容によっても必要な内装は変わります。オーダー形式や配膳方法が決まっていれば、それに合った動線や設備が必要です。何人で運営するか、運営スタイルと空間設計をセットで考えます。
メニューとの一貫性を持たせる
お店の“ウリ”となるメニューは、空間の雰囲気と調和している必要があります。
スパイスの効いたカレーなら、色彩豊かでエネルギーのある空間に。伝統的な和食なら、自然素材を活かした落ち着きある内装、クラフトビールと小皿料理を提供する業態であれば、木材とアイアンを使ったインダストリアル風の空間が相性抜群です。
メニューと空間が一致していれば、印象に残りやすくなります。
店内外のデザインはコンセプトを表しているか
外観から内装まで、すべてのデザインがコンセプトに合っているかを確認しましょう。外装がポップで内装が高級感あふれる場合、ギャップで戸惑うお客様もいます。立地に合わせて看板や外装が他の飲食店と差別化ができるか、視認性のある外装や看板にすることも重要です。
スタジオテンポスでは、ロゴ・看板・入口の色使いまで含めて、コンセプトを形にするトータル提案が可能です。

写真説明:炭火焼鳥屋の外装例。地下の店舗に開業のため、思わず吸い込まれるよう外装と提灯で一富士二鷹三茄子をイメージして縁起の良い雰囲気を出しています。
販促につながる内装演出
内装そのものが宣伝になる時代。写真映えするスポットや、SNSでシェアしたくなるようなデザインの工夫は集客に直結します。
たとえば、ネオンサインや壁画、こだわりの照明、トイレの内装デザインを工夫するなどは話題性にもなります。こうした「見せる仕掛け」は、店舗デザインの一部として設計されると差別化にもなります。

写真左:ステーキレストランの照明。ワインを提供する店舗での採用。お店の象徴になりました。
写真中央:パスタ店の照明。大きなガラス窓がある店舗で目印になるようなアクセントカラーにしました
写真右:隠れ家Barの照明。既存品ではなくオリジナル品です。唯一無二の存在感抜群の内装になります
想定客単価と空間のバランス
価格帯に対して空間が豪華すぎたり、逆に質素すぎたりすると、違和感を覚えるお客様もいます。高単価であれば高級感、低価格であれば親しみやすさや清潔感など、価格設定に合わせた空間づくりが必要です。
スタジオテンポスでは、価格と内装の“釣り合い”を意識した提案を行っています。
運営しやすさ=継続できる内装計画
素敵な内装でも、掃除しにくい、壊れやすい、使いにくいとなると長く続けることが難しくなります。
スタジオテンポスでは、将来のメンテナンスや使い勝手を見据えた設計をし、開業後の相談も継続して行えます。継続的に愛される店舗は、内装の“運営目線”が活きています。

まとめ
飲食店の開業で重要なのは、「どんな店なのか」を明確にし、それを空間でどう表現するかです。コンセプトシートの流れに沿って設計することで、お客様に選ばれるお店づくりが可能になります。
スタジオテンポスは、コンセプトの言語化から内装デザイン、施工・サポートまで一貫して対応。開業に必要なことを、プロの視点でサポートします。
コンセプトシート: