飲食店の開業準備はいつから始める?失敗しないための実践スケジュール解説

出店・開業

「いつか自分のお店を持ちたい」
「料理の腕を活かして独立したい」

そんな夢を持ち、飲食店開業を目指すかたが毎年たくさんいます。
しかし、理想と現実のギャップでつまずき、オープン前に心が折れてしまう人も少なくありません。本記事では、個人飲食店を開業したい方向けに、成功の鍵となる「リアルな開業スケジュール」を完全ガイド。
やることの全体像から、よくある落とし穴、プロが教える時短&コストカットのコツまで、開業支援20年のプロ目線で解説します。

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なぜ「開業スケジュール」は最重要なのか?

飲食店開業は、一言で言えば「総合格闘技」です。
料理の腕や接客のセンスだけでは成り立たず、

  • 物件契約
  • 融資
  • 許認可取得
  • 内装・厨房機器の発注
  • スタッフ採用
  • メニュー開発
  • 集客・宣伝

など、1人のオーナーが同時並行で進めるにはあまりに多くの工程があります。

特に個人開業の場合、「人手が足りない」「情報が足りない」中で動くため、スケジュール管理の精度が明暗を分けます。

例えば、

  • 許可申請が間に合わずオープン延期 → 家賃だけ先に発生
  • 内装業者の手配が遅れて工期がずれこむ → 業者のスケジュールで半年後に…
  • 融資実行が遅れ設備費が払えない → 一部機材を後回し → オペレーション崩壊

こうした「想定外」は、スケジュールの甘さから生まれます。

飲食店開業までの理想的なスケジュール|最短でも6ヶ月前から準備を!

理論上「半年で開業」することは可能ですが、現実的には最低でも6〜12か月を想定すべきです。
以下に、一般的なスケジュールを時系列で整理しました。

▼【6~12か月前】方向性を固めるフェーズ

  • 業態・コンセプトの決定(ターゲット・価格帯・提供価値)
  • 事業計画書の作成(売上シミュレーション、経費、利益予測)
  • 収支モデル作成(原価率、人件費率など)
  • 家族やパートナーとの相談(ここは重要です)
  • 開業資金の見積もり、融資情報収集
  • 競合調査(地域性・マーケットニーズ確認)
  • メニュー原案の作成(主力商品・客単価想定)

◆ポイント◆
この時点で「目指す店の姿」が具体的であるほど、後の工程がブレません。

飲食店の設計は、「おしゃれ」「雰囲気」だけでなく誰に何をどう売るかを明確にすることが重要です。
たとえば、
ターゲットが30代のランチ需要 → 回転率が重視されるため、厨房オペレーションが要。
といった風に、コンセプトと設備・人材設計は連動しています。

▼【5~10か月前】資金調達と物件探し

  • 日本政策金融公庫などへ融資相談
  • 金融機関の比較、資料準備(事業計画書・自己資金証明)
  • 飲食可物件の仲介業者へ相談、物件内覧(希望エリアの家賃相場・空き物件を調査)
  • エリア調査(競合・人口・導線・昼夜の人通りなど)

◆ポイント◆
物件選びは「勢い」で決めてはダメ。家賃は売上の10%以内におさめるのが鉄則です。

物件は、厨房レイアウトに致命的な制限をもたらすことがあるため、内見時点で厨房専門家のアドバイスが望ましいです。

テンポスでは、「この物件でどういう厨房機器が置けるか」などを現地確認含め無料でアドバイスいたしております。

資金調達・融資のご相談はこちら

物件情報をお探しの方はこちら

▼【4〜8か月前】契約と店舗設計

  • 賃貸借契約の締結(敷金・礼金・保証金・前家賃の支払い)
  • 設計士・内装業者の選定と打ち合わせ(図面作成)
  • 厨房機器のレイアウトと購入機器の確定(中古活用含む)
  • 許認可に関する事前相談(保健所、消防署など)

◆ポイント◆
厨房機器の選定は、予算の約30%を占める大きな支出です。
新品で揃えると数百万円規模になることもありますが、中古品でそろえた場合コスト半分以下も可能です。

【厨房設計の落とし穴】
コンセントの位置、水道管の位置、排水の流れなど、オペレーションに直結する要素はプロのアドバイスが必須です。

飲食店専門の内装工事をお考えの方はこちら

▼【3〜5か月前】工事と準備スタート、行政手続き・メニュー最終化

  • 内装工事開始(工期は規模によるが1〜2か月)
  • 厨房機器の納品・設置
  • 家具の手配
  • ロゴや看板の制作依頼
  • メニューの試作・価格決定(メニュー原価計算と仕入れ業者の選定)

◆ポイント◆
【原価率の目安】

  • ランチ業態:原価率30%未満
  • バルや居酒屋:原価率35〜40%程度
    → 高すぎると利益が出ません!

「営業許可」は保健所の現地確認を通過してから発行されます。
設計段階から保健所と調整するのが重要です。

関連記事:飲食店開業に必要な法的手続きと許可、申請について

▼【2ヶ月前】備品・広告・オペレーション構築

  • 食器、カトラリー、ユニフォーム、POSレジなどを購入
  • SNS開設(ホームページ、Googleマップ、Googleビジネス登録、InstagramなどSNSで集客施策をスタート)
  • スタッフ研修計画・マニュアル作成

◆ポイント◆
販促は「オープンしてから考える」では遅すぎます。
Googleビジネスプロフィールの登録、Instagramアカウントの育成はこの時期からが必須です。

「業務のマニュアル化」や「カウンター中心の小型店設計」も、現代の飲食店経営では重要です。

▼【1ヶ月前〜前日】プレオープンと本番オープンの最終調整

  • 保健所の立ち入り検査を受け、営業許可取得
  • プレオープン実施(関係者・友人・SNSフォロワーなど招待)
  • レセプション(プレオープン)対応、アンケート収集
  • グランドオープン日確定とPR強化

◆ポイント◆
プレオープンでは、客導線や提供速度の改善ポイントが見つかることが多く、本番前のリハーサルとして極めて重要です。

▼【いよいよ開業!】オープン当日の流れ

  • 花やPOPの準備
  • レジや釣銭の確認
  • Google口コミやSNSでの告知
  • オープニングキャンペーン実施

◆ポイント◆
【初日の売上より大切なこと】
「また来たい」と思わせる体験をつくることです。初期の常連が、店の運命を左右します。

業態別 開業支援

業種に合わせた開業を、テンポスが道案内いたします。

ラーメン店

カフェ

ケーキ・スイーツ

パン屋・ベーカリー

焼肉店

そば・うどん店

イタリアン

居酒屋

ホテル

粉もん屋

スケジュール作成を効率化する「7つのチェックリスト」

飲食店開業で漏れがちな項目を、以下のようにチェックしておきましょう。

□ 週単位で逆算表を作る(カレンダー形式)
□ 事業計画は第三者が読んでも伝わるか
□ 水道・電気・ガス工事の手配は早めに(地域によっては1ヶ月以上待ち)
□ 厨房機器の納期を確認したか
□ 店舗図面は、保健所の指導に沿っているか(営業許可のチェックシートを保健所で入手しておく)
□ 火気使用なら消防の届出を出したか
□ Google・Instagramなどの集客導線は整えたか

開業までにやるべきタスクまとめ

最後に、開業スケジュールに沿ったやることリストを簡単にまとめました。
進捗管理に活用してみてください。

□ コンセプトを決める
□ ターゲットを明確にする
□ 事業計画書を作成する
□ 資金調達(融資・補助金)をする
□ 出店エリアと物件を選定
□ 厨房レイアウト・設備を選定
□ メニューの設計・原価管理
□ 保健所・消防署に必要書類を提出
□ プレオープンの準備
□ 本オープンに向けて販促計画を立てる

スケジュールを遅らせる落とし穴とは?

▲物件を先に借りてしまい、無駄な家賃が発生

設計や融資が整っていないのに契約してしまい、工事まで何も進まず、半年で家賃だけで100万円以上の出費になることもあります。

【よくある対策】
・融資×審査が通るかどうかが未定の段階で物件契約をしない
先に物件を押さえたい場合は、「申し込み」や「仮契約」「内諾」などに留めて、本契約(賃貸借契約書への署名)をしないように調整します。
融資が通らず開業断念したところ、キャンセル料・違約金が発生する場合もあります。

・物件オーナー・不動産会社と「契約開始日の相談」をする
「すぐに契約開始」ではなく、設計や融資が通ってからの契約開始にできるか交渉しましょう。
たとえば「3か月後から賃料発生」や「内装工事期間中は家賃半額」などの特約が可能な場合もあります。

▲工事が遅れる・膨らむ

物件契約後に追加工事や構造変更が発生することも、よくある失敗パターンの1つです。

【よくある原因】
・ 設計前に契約してしまい、現地調査が不十分だった
・ 既存の配管・電気容量・排気ダクト等が想定外
・ 内装業者の選定が遅れ、工事着手が遅れる
・ 施工業者との意思疎通不足で工事が二度手間に
・ 納品遅延、在庫切れ、設置スペース不足

【対策】
内装・厨房工事は“現地調査”と“実測”がとても重要です。

・物件契約前に内装業者と「現地調査」へ行く
配管・電気・排水・梁・天井高などをチェックし、その物件でやりたい設計が可能か判断します。

・平面図や設計図を用意してから工事見積もりを取る
ざっくり依頼だと「あとで追加工事」が多くなりがちです。設計図があると正確な見積もりが出やすいです。

・工事契約書に「追加工事の条件」を明記
予算が膨らむ原因になる追加工事は、事前合意を義務づけておきましょう。「事前に書面で提示し、発注主の了承を得ること」などの文言を入れておくとよいでしょう。

・設計段階で使用機器を早めに確定・注文する
間取り設計の前に「何を使うか」を決めて、図面上で配置シミュレーションをしましょう。
大型機器(業務用冷蔵庫・食洗機など)は納期1~2か月かかるケースも。内装が始まる前に発注が理想です。
扉幅・階段・エレベーターなどに機器が通らないケースは非常に多いため、業者と現地同行での確認が必須です。

▲融資が思ったより時間がかかる

書類不備、追加ヒアリング、事業計画の詰め不足により融資に時間がかかることは多々あります。

【よくある原因】
・書類の不備(本人確認・見積書・通帳コピー等の漏れ)
・事業計画の精度不足(根拠が弱い、売上見込みが甘い)
・面談で追加質問が来る → 修正 → 再提出でタイムロス
・審査期間(特に公庫や銀行)は通常3~4週間かかる

【対策】
・事業計画書は“数字の根拠”を明確に
客単価・回転率・坪数・人件費など、現実的かつ裏付けがある計画にしましょう。曖昧な数字はNGです。

・必要書類のチェックリストを活用
提出書類(本人確認、見積書、設備リスト、収支計画など)は早めに揃えましょう。不備が多いと一発で遅れます。

・申し込みは「開業4か月前」には着手
面談・審査・融資実行までを逆算しましょう。最低でも開業2.5か月前までに融資決定が必要です。

・商工会議所や創業支援窓口で事前確認
プロが事業計画をチェックしてくれ、一発通過率が上がります。無料支援が多くおすすめです。

▲許認可(保健所)を甘く見てNG

「手洗いの場所がない」「冷蔵庫の温度計がない」など、軽視すると申請が通らず開店日を延期することになります。

【よくある原因】
・手洗い器の数・場所が基準を満たしていない
・冷蔵庫に温度計がない
・食器棚がむき出し/防虫防鼠対策が不足
・設計が保健所の基準に合っていない → 工事後に再施工

【対策】
・設計段階で保健所に「事前相談」
図面を持参して「この設備でOKか?」を確認しておくことで、工事前の段階でNG箇所を修正できます。

・開業エリアの「保健所基準」を事前にチェック
地域によって微妙に違います。東京都と他県で手洗い基準が異なることもあります。

・保健所の「確認申請」をギリギリにしない
書類提出から検査予約、実際の検査→許可証交付まで1~2週間かかることを念頭に置いておきましょう。

・開業1か月前までに設備設置を完了しておく
営業許可は現地確認後に発行されるため、余裕を持ったスケジュールが必須です。

まとめ|余裕を持ったスケジューリングが成功の鍵!

飲食店開業の成功は「立地」や「料理」だけでは決まりません。
もっとも重要なのは、すべての工程を遅れなく・無駄なく進める“段取り力”です。
飲食店の開業は、準備8割・当日2割。
しっかりとしたスケジュールを立て、段取りをミスなく進めることが繁盛店への第一歩となります。

飲食店開業、成功の鍵は「スケジュールの可視化」と「信頼できる相談相手」です。

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