「メニュー表は、料理名と値段を告知するもの」——そう思っていませんか?
ですが実は、メニューはお客様の心をつかむ“最強の営業マン”なのです。
特に個人経営の飲食店では、限られた席数・人員・時間の中で、効率よく売上を作るために「メニュー設計」が重要なカギを握ります。
本記事では、売れるメニュー作りの基本から具体的な改善方法、厨房機器との連携まで、実践的なポイントを徹底解説します。
お店の特徴を活かしながら、ファンを増やすヒントをぜひ参考にしてください。

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目次
売れるメニューを作るための5つの基本ポイント

メニュー作成にはセンスよりも「戦略」が必要です。以下の5つの視点から、自店のメニューを見直してみましょう。
【1】 ターゲット客層の明確化
【目的】お客様のニーズに合ったメニューを作るため。
誰に来てほしいのか(年齢層、性別、職業など)をはっきりさせましょう。
どんなシーンで利用してほしいか(ランチ、飲み会、家族利用など)を想定します。
例)ビジネス街でランチ営業なら「早くて旨くて安い」が求められます。逆に住宅街でのディナーなら、シェアできる料理や子ども向けのメニューが重視されます。
【2】 看板メニューの設定
【目的】店の個性を打ち出し、集客とリピートにつなげる。
「あの店といえばコレ!」と言われるような一品を用意しましょう。
ネーミングにひと工夫を加えると印象に残りやすくなります。
例)ただの「唐揚げ」ではなく、「中毒注意!ザクザク醤油唐揚げ」など、味や食感が想像できる名前にすることで、よりお客様の興味を引くことができます。
また、料理の開発秘話や食材へのこだわりをメニュー表やPOPに添えると、商品の魅力がぐっと伝わりやすくなります。
【3】 利益率の高い商品を主力に
【目的】売上よりも「利益」を意識した構成にする。
食材原価が安く、調理時間が短いメニューは利益率が高くなります。
例)「枝豆+自家製ピクルス+ミニポテサラ」などの盛り合わせを前菜として押し出せば、原価を抑えつつ客単価を底上げできます。
見た目を整え、写真で魅力を伝えることも大切。視線を集める配置(右上・中央・最初のページなど)に配置しましょう。
【4】 季節性や限定性の活用
【目的】お客様の来店動機をつくり、飽きを防ぐ。
四季に合わせて旬の食材を取り入れましょう。
例)夏は「冷やし坦々うどん」、冬は「濃厚牡蠣グラタン」など。
「今だけ」「限定〇食」といった打ち出しで、注文率を高められます。
店頭POPやSNSでの発信もセットで行うと効果的です。
関連記事:【お悩み解決】季節のトレンドメニュー、どの言葉なら売れる?
【5】 調理オペレーションを考慮した設計
【目的】厨房の負担を減らし、提供スピードを安定させる。
同じ調理器具を同時に使用するメニューが重ならないよう構成しましょう。
例)フライヤーを使う料理ばかりがランチタイムに集中してしまうと回らなくなるため、オーブン料理や和え物など調理法が異なる料理を組み合わせます。
共通食材を使用することで仕込みの効率化や在庫ロス防止にもつながります。
メニュー構成のコツとメニューブック・メニュー表のデザインの工夫

カテゴリ分類
前菜・主菜・一品料理・ドリンク・デザートなど、カテゴリー分けは明快にしましょう。
お客様が見やすく、選びやすいメニュー構成は、注文数の増加にもつながります。
見た目で「選ばせる」技術
メニューのデザインは、お客様の行動を左右する“販促ツール”です。
見た目の印象がよいと、注文点数と客単価が自然と伸びます。
写真のクオリティ
スマホでも自然光を活かせば美味しそうな写真が撮れます。
1品でも良いので、推しメニューは写真付きにしましょう。
写真は実物に近く、食欲をそそるものを使用しましょう。
料理の温かさや香りを想像させる構図やライティングを意識するのがポイントです。
色使い・フォント
メニュー表のデザインが雑だと、料理の印象まで下がります。落ち着いた雰囲気を出したいなら黒ベースに金文字、元気な店なら赤や黄色をアクセントにするなど工夫をしましょう。
フォントは読みやすさを重視します。手書き風・ポップ体は使いすぎに注意してください。
色使いは「赤=食欲」「青=冷たい印象」など心理効果も意識しましょう。
紙 or デジタル
紙メニューは安心感があり、デジタルメニュー(QRコード・タブレット)は外国語対応や更新性に優れます。
予算や客層に応じて併用も検討しましょう。QRコードでその日のおすすめを表示するなどの工夫も可能です。
その他
価格は見やすくし、数字の端数処理(980円 vs 1,000円)で印象を操作しましょう。
また、迷わせないレイアウト(A4両面、三つ折りなど)であることも選定ポイントです。
現場で使える!注文率・客単価を上げる工夫
いくら中身が良くても、見せ方を誤れば売上にはつながりません。ここでは、現場で即実践できるメニュー表のデザインテクニックを紹介します。
視線の動きを意識したレイアウトに
お客様はメニューを「上から下」ではなく、「Zの字」や「Fの字」で視線を動かすと言われています。そのため、売りたいメニューはZの始点=左上か、中央付近に配置するのが効果的です。
- 左上に「店主のおすすめ」「看板メニュー」を
- 右下には「ドリンク」や「サイドメニュー」を配置し、追加注文を促す
写真は“厳選して”大きく見せる
すべての料理に写真を載せると、かえって情報過多で選びづらくなります。本当に売りたい数品だけを厳選し、大きく・美味しそうに掲載しましょう。
- 背景はシンプルに、料理が主役になる構図で撮影
- 湯気や断面カットなどで“できたて感”を演出
メニュー名と説明文で“味の想像”をかき立てる
ネーミングや説明文の工夫で、料理の魅力は何倍にもなります。
- 「唐揚げ定食」より「外はカリッ、中はジューシー。自家製ダレに漬け込んだ唐揚げ定食」
- 五感に訴える表現(例:ふんわり、ジューシー、香ばしい など)を活用する
価格は“相対的に”お得に見せる
メニュー表の価格配置も戦略次第です。あえて高価格帯の商品を並べることで、標準価格の商品が割安に見える「アンカリング効果」が期待できます。
- 高価格な“特別メニュー”を最初に提示し、次に定番メニューを掲載
- セットメニューを「単品よりお得」に見せる価格設計も効果的
客単価アップを狙った「セット・オプション提案」
主力メニューにオプション(サラダ・デザート・ドリンクなど)をセット化して提示することで、自然な客単価アップが狙えます。
- 「+300円でドリンクセットに」など、わかりやすく記載
- オプションは視認性の高い位置に配置し、目に留まりやすく
関連記事:「できる限りお金をかけない」飲食店の手書きメニューのコツは?売上アップが狙えるポップデザインも解説!
メニュー分析と改善のサイクル
ABC分析
売上・頻度・利益率で各商品を分類。売れているけど儲からないメニューは改善か削除、利益率が高いのに注文されていないメニューは配置や名前を見直します。
関連記事:繁盛飲食店への第一歩!ABC分析を活用してメニューの見直しを
メニューマトリクスの活用
4象限に分類し、スター商品は露出を強化、問題児は改善、負け組は撤退など戦略的判断ができます。
スタッフの声を活用
現場の声は宝です。「このメニューは出ると時間がかかる」「お客様がメニューを探しにくそう」など、スタッフからの小さなフィードバックを拾いましょう。
改善頻度の目安
最低でも3ヶ月ごとに1回はメニューの見直しを行いましょう。季節ごとに限定メニューを入れ替えるタイミングと連動させると無理なく実行できます。
メニュー改善チェックリスト

個人経営の飲食店がメニューを見直す際に、自分で「現場目線」で確認できるチェックリストを用意しました。項目ごとに、なぜ重要か・どう改善すべきかも簡潔に記載しています。
基本設計編
□ ターゲット客層が明確になっているか?
「誰に売るか」が定まっていないと、メニューの軸もブレがちです。年齢層、利用シーン、好まれる味の傾向など、具体的に設定しましょう。
□ 看板メニューが1つ以上あるか?
「あの店といえばコレ!」と記憶に残る料理があると、SNSや口コミで話題になりやすくなります。
□ 利益率の高い料理が主力になっているか?
手間がかからず、原価の安いメニューを軸にすることで、少ない来客でも利益を出せる体質に。
見せ方・構成編
□ 売りたいメニューが目立つ位置にあるか?
視線が集まりやすい「左上・右上・中央」に配置し、写真や装飾でアイキャッチを狙います。
□ メニュー名・価格表示がわかりやすいか?
「ネーミング+一言説明+税込価格」で明確に。特にテーブル注文が主の個人店では、お客様が迷わない表記が重要です。
□ 視覚的に食欲をそそる写真やイラストを使っているか?
スマホ撮影でもOK。光と角度に気をつければ、十分魅力は伝わります。背景はシンプルに。
運用・改善編
□ 季節やイベントに応じた限定メニューを用意しているか?
「春野菜」「クリスマス」「梅雨明け」など、ちょっとした季節感で新鮮さが生まれます。
□ メニューの売上分析をしているか?
「出ているけど儲からない」「儲かるけど出ない」料理を数値で把握しておくと、次の改善が的確になります。
□ 厨房の動線や調理時間に無理がないか?
特にワンオペや少人数体制の店では、複数メニューを同時に出せる仕組みが重要です。
□ メニュー変更に合わせて厨房機器も見直しているか?
「新しい料理に対応できない」「今の機器では回らない」などのギャップは、思わぬ機会損失になります。
□ お客様やスタッフの声を取り入れているか?
接客中の何気ない一言、アルバイトのオペレーションの声などに、改善のヒントが隠れています。
このチェックリストは、季節ごと・新商品導入前・売上が落ちたタイミングなどに確認するのが理想です。紙に印刷して、店のバックヤードに貼っておくのもおすすめです。
メニューの抜けや弱点を体系的に見つけ出すことができます。改善の第一歩として、現状を可視化することから始めましょう。
よくあるメニュー作りの失敗例とその対策
失敗例1:メニュー数が多すぎて選びにくい
解決策:メニューは多ければ多いほど良いわけではありません。
おすすめや人気メニュー、利益率の高いものを中心に、お客様の選びやすさを意識しましょう。
失敗例2:コンセプトがあいまいで統一感がない
解決策:店舗のコンセプト(和・洋・アジア系など)や客層に合ったメニューに統一し、ストーリー性を持たせると効果的です。
失敗例3:価格設定が不適切
解決策:原価と客単価を踏まえて、価格帯に一貫性を持たせましょう。地域相場との乖離もチェックが必要です。
また、原価が高すぎると益が出ません。材料費の見直しや、組み合わせで原価率を調整する工夫をしましょう。
盛り合わせやセット販売で原価調整が可能です。
失敗例4:厨房オペレーションを無視したメニュー設計
解決策:実際の調理動線や仕込み負担をスタッフと確認し、効率よく出せるメニューへ見直しをしましょう。
調理工程の重なりを避け、時間帯ごとのオペレーションに合ったメニュー構成に変更するのもよいでしょう。
失敗例5:見た目が地味で印象に残らない
解決策:色のコントラストや盛り付け、写真の撮り方を工夫。ネーミングやストーリー性でも魅力を補完しましょう。
まとめ|メニュー改善は“売上UP”と“業務効率化”の最短ルート
飲食店経営において、メニューは売上を左右する「戦略の要」です。ターゲットに合わせたメニュー設計、オペレーションを考慮した商品構成、魅力的なデザイン、そして継続的な分析と改善。このサイクルを回すことで、売上だけでなく業務効率の向上にもつながります。
特に個人経営の飲食店では、メニュー次第で売上や客層が大きく変わります。まずはターゲットの明確化と看板メニューの設定からはじめ、定期的な見直しと改善を重ねていきましょう。
厨房機器との連動、現場スタッフとの連携も忘れずに。小さな改善の積み重ねが、大きな成果につながります。
関連記事:儲かるメニュー表の法則!価格設定と配置のテクニック5選

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