「いつかは自分のお店を持ちたい」と思っている方にとって、飲食店の開業は大きな夢の一つです。しかし、初めての飲食店経営は、理想だけではうまくいきません。
開業後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、しっかりとした準備が必要です。
この記事では、初めて飲食店を開業する方向けに、特に重要な5つのポイントを分かりやすく解説します。

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目次
まずは「目的」と「コンセプト」をはっきりさせる

飲食店を開業するにあたって、最初に取り組むべきなのが「目的」と「コンセプト」の明確化です。ここが曖昧なままでは、メニューづくりや内装のデザイン、集客方法にまでブレが生じてしまい、結果としてお客様に魅力が伝わりにくいお店になってしまいます。
●そもそも、なぜ飲食店を開業したいのか?
・まずは自分自身に問いかけてみてください。
・自分の料理を多くの人に食べてもらいたい
・家族との時間を大切にしながら働きたい
・地域に根ざしたお店をつくりたい
・趣味を仕事にしたい
このように「飲食店を開きたい理由」は人それぞれです。
大切なのは、その想いを明確に言語化することです。
この「開業の目的」が、将来的に経営の判断軸となり、ぶれないお店づくりにつながります。
●コンセプトは「誰に・何を・どうやって」を具体的に
コンセプトとは、お店の「軸」となる考え方です。
以下の3点を明確にすることで、より実践的なコンセプトが固まります。
誰に(ターゲット)
例:30代の働く女性、ファミリー層、観光客、近隣の会社員など
何を(提供価値)
例:無添加の手作りランチ、クラフトビールと軽食、本格イタリアンなど
どうやって(スタイル)
例:気軽に立ち寄れるカフェ風、テイクアウト専門、予約制コース料理
これらを組み合わせて「誰のどんなニーズに応えるお店なのか」を明確にしましょう。
たとえば、
「近所のママたちが子連れでも安心して通える、体に優しい和風ランチが食べられる店」
といったように、ひと言で伝えられるコンセプトが理想です。
●コンセプトが明確だと、すべてがスムーズに進む
明確なコンセプトは、メニュー開発や価格設定、店内のデザインやサービス内容にも大きく影響します。
広告やSNSで発信する内容も統一感が生まれ、お客様に覚えてもらいやすくなります。
また、スタッフを採用する際にも「うちのお店はこういうコンセプトでやっている」と説明できれば、価値観に共感してくれる人が集まりやすくなります。
「目的」と「コンセプト」は、飲食店経営の土台とも言える部分です。
焦らず、何度でも自分に問いかけながら、納得のいくものをつくりあげてください。
この作業をしっかり行うことで、開業後の成功の確率がぐっと高まります。
資金計画を立て、開業費の全体像を把握する

飲食店の開業において、最も重要かつ現実的なテーマのひとつが「資金計画」です。
夢やアイデアがあっても、資金が不足していては実現できません。
失敗しないためには、開業前の段階で必要な費用の全体像を正確に把握し、綿密な資金計画を立てることが欠かせません。
●飲食店開業にかかる主な費用項目
飲食店を始める際には、以下のような初期費用が発生します。

たとえば10坪前後の小型飲食店でも、すべて合わせると500万円〜1000万円前後になるケースが多く見られます。
●自己資金だけで足りない場合は?
自己資金だけでまかなうのが難しい場合には、以下のような外部資金の活用を検討しましょう。
日本政策金融公庫の創業融資
無担保・無保証人で借りられる制度もあり、開業資金として最も活用されている公的融資です。
自治体の制度融資
都道府県や市区町村によっては、利子補給や保証料補助の制度があります。
補助金・助成金
例えば「小規模事業者持続化補助金」など、設備費や販促費に使える補助金制度もあります。
ただし申請には事業計画書の提出が必要です。
親族やパートナーからの借入
トラブル防止のため、金銭の取り決めは契約書で明文化しておきましょう。
●資金計画書は「現実的」に作るのがコツ
資金計画では、理想だけで数字を組み立てるのではなく、現実的な見積もりを心がけましょう。
特に売上の予測は楽観的になりがちですが、開業当初は思ったよりお客様が来ないこともあります。
初月から黒字化を狙うのではなく、「数か月は赤字でも耐えられる体力」を持つことが経営の安定につながります。
また、利益が出るまでの期間や、売上が伸び悩んだときの対策なども、あらかじめ想定しておくと安心です。
資金計画をしっかり立てることは、単にお金の準備をするだけではありません。
将来の経営をシミュレーションし、リスクを事前に把握するための大切な工程です。
「なんとなく始めて、気がつけば資金が底をついていた」という失敗を防ぐためにも、数字と真剣に向き合いながら計画を進めましょう。
立地と物件は「人通り」だけで選ばない

飲食店を開業するうえで「どこにお店を出すか」は、売上や集客に大きな影響を与える重要な要素です。
「人通りが多ければお客様が来るだろう」と考えて、駅前や商店街などを優先的に探す方も多いのですが、実際には人通りだけでは成功の可否は決まりません。
●大事なのは「お客様の質」と「動線」
たとえば、同じく人通りが多いエリアでも、
・通勤・通学の通過点で立ち寄らない人が多い
・若者ばかりのエリアに高価格の和食店を出している
・平日は人が多いが、土日は閑散としている
というような状況だと、思うように来店数が伸びないことがあります。
つまり重要なのは、「その場所に、自分のターゲットとなるお客様が、どんな目的で、どの時間帯に通るのか」をしっかり見極めることです。
「誰に」「何を」提供する店なのかというコンセプトと立地の相性が合っているかを必ず確認しましょう。
●周辺環境や競合もチェックしましょう
立地を判断する際は、以下のような観点で周辺環境も確認するのがポイントです。
・近くに学校、オフィス、住宅街はあるか?
・競合店(同ジャンルの飲食店)が多すぎないか?
・似た価格帯・客層向けのお店はあるか?
・店前に自転車や車が停められるか?
たとえば、テイクアウト中心の惣菜屋さんであれば、駅前よりも住宅街の入口や学校帰りの通学路沿いが向いていることもあります。
また、同じジャンルの人気店が近くにあれば、それを避けるのではなく「差別化ポイントをつくって共存する」という考え方もあります。
●家賃や契約条件も慎重に
物件選びの際には、立地や広さだけでなく「家賃」や「契約条件」も非常に重要です。
・月々の家賃が売上の3割以上にならないように
・契約年数や更新料、原状回復義務なども確認
・飲食営業が可能か、排水や換気の設備条件は整っているか
家賃が高いと、それだけで毎月の経営にプレッシャーがかかります。
駅近や商業ビル内などの人気エリアでは家賃が高くなりがちですが、「本当にこの場所で黒字が出せるか?」という視点で見極めることが大切です。
立地は、飲食店経営において「固定できない最重要の資産」とも言えます。
開業前にじっくりと現地調査を行い、時間帯ごとの人の流れや客層の違いを把握しましょう。
「ただ人が多い」ではなく、「自分のお店にとって適しているかどうか」という観点から、慎重に選んでください。
立地選びの判断が、経営の明暗を分けると言っても過言ではありません。
厨房機器は「必要最小限+中古やリース」がおすすめ
飲食店を開業する際に大きなコストとなるのが、厨房機器の導入です。
新品で一式そろえると、数十万円から数百万円の費用がかかることもあり、開業資金を圧迫する大きな要因になります。
だからこそ、必要最小限にとどめ、無理のない導入方法を選ぶことが重要です。
●「最低限必要な機器」を見極める
開業時には「これも必要かもしれない」「あれがあれば便利かも」と考えがちですが、実際に使わない機器を最初からそろえるのは危険です。
まずは営業に最低限必要な機器だけに絞ることをおすすめします。
ジャンル別に必要な厨房機器の一例をご紹介します
カフェ
冷蔵庫、コーヒーマシン、オーブントースター、シンク
ラーメン店
ガスレンジ、スープ釜、冷蔵庫、製麺機(外注も可)
定食屋
冷凍冷蔵庫、フライヤー、炊飯器、作業台、シンク
開業後に「これは必要だ」と感じたら、そのときに追加購入を検討しても遅くはありません。
テンポスでは、業務用厨房用品や食器、家具にいたるまで多数取り揃えております。
● 中古機器を上手に活用する
厨房機器の中古市場は非常に活発で、状態の良い機器が新品の半額以下で手に入ることも多くあります。
とくに、冷蔵庫や作業台、フライヤーなどの大型機器は、中古を利用することで大幅に初期費用を抑えることができます。
中古品を購入する際のポイントは以下の通りです。
・信頼できる専門業者から購入する(保証付きが安心)
・年式や使用年数、整備状況を必ず確認する
・設置スペースや電源仕様と合うかチェックする
中古品でも十分に使える機器は多く、特に飲食業界では「初めての店こそ中古で賢く」が定番です。
中古厨房機器をお探しの際はこちらのページをご覧ください。
● リースやレンタルという選択肢も
まとまった資金が用意できない場合は、リースやレンタルの活用も検討してみましょう。
初期費用を抑えられるだけでなく、機器のメンテナンスや入れ替えがしやすいというメリットもあります。
たとえば、
「短期的に試してみたいメニューがある」
「数年後には別の形態に切り替えるかもしれない」
「修理や交換の手間を減らしたい」
といった方には特におすすめです。
厨房機器専門店や飲食店向けリース業者では、1日単位から借りられるレンタルプランや、月額払いのリースプランなど柔軟なサービスが用意されています。
厨房機器の導入は、「完璧な状態でスタートしなければならない」と考える必要はありません。
まずは必要最低限で始め、運営しながら必要に応じて買い足すくらいの柔軟な姿勢が、長く続けるうえではむしろ堅実です。
中古品やリースを賢く活用することで、開業時の資金負担を抑え、経営の余裕を持たせることができます。
厨房機器選びは、無理せず、見栄を張らず、現実的に進めていきましょう。
許可や届出、資格の取得は早めに行動
飲食店を開業するには、事前にさまざまな許可や届出、必要な資格の取得が求められます。
これらの手続きには時間がかかることも多く、申請漏れや準備不足があると、予定していた開業日に間に合わないこともあります。
そのため、開業準備の初期段階からスケジュールに組み込んで、早めに取りかかることがとても大切です。
● 飲食店に必要な基本的な許可・届出
飲食店を営業するうえで、主に以下の許可や届出が必要になります:
飲食店営業許可(保健所)
・必須の許可です。店舗所在地を管轄する保健所に申請します。
・申請には、営業施設の図面や設備の仕様書などの提出が必要。
・食品衛生責任者の設置が条件となっています。
・許可が下りるまでに1〜2週間ほどかかる場合があります。
食品衛生責任者の資格
・すべての飲食店に、1名以上の設置が義務づけられています。
・調理師・栄養士などの有資格者でない場合は、保健所が実施する「食品衛生責任者講習会」を受講して取得できます。
・講習は1日で修了できますが、申込から受講までに1か月以上待つこともあるため、早めの申し込みが重要です。
防火管理者の選任(収容人数30人以上の場合)
・店舗の広さや収容人数によっては、防火管理者の資格が必要になります。
・消防署で講習を受けて、甲種または乙種防火管理者の資格を取得します。
開業届(税務署)
・事業開始後1か月以内に、「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出します。
・青色申告を希望する場合は、「青色申告承認申請書」も併せて提出が必要です。
その他必要な届出
業態や営業形態によっては、次のような追加届出が必要になることもあります:
酒類提供がある場合:酒類販売業免許または飲食店営業許可での提供届出
深夜営業(深夜0時以降に酒類提供)を行う場合:深夜酒類提供飲食店営業開始届出書(警察署)
音楽の使用がある場合:著作権使用料の手続き(JASRACなど)
● 許可取得までの流れと注意点
許可の取得には、まず物件が決まっていることが前提です。
そのため、店舗選定後にすぐに申請準備を始める必要があります。
また、厨房や内装の工事が保健所の基準に合っていないと許可が下りないこともあるため、設計段階で保健所に相談しながら進めるのが安全です。
● スムーズな開業のために
飲食店の許可・届出関係は、「ギリギリになって慌てる」のが最もよくある失敗です。
とくに、
・物件が見つかったらすぐに保健所へ相談
・工事前に図面を見せて事前確認をとる
・食品衛生責任者講習の予約は早めに済ませる
といった、段取り重視の進め方が大切です。
許可・資格取得は、「出店の夢を形にする第一歩」です。
確実に、そして計画的に進めて、安心して開業日を迎えられるようにしましょう。
まとめ|成功のカギは「準備と継続力」
初めて飲食店を開業する方にとって、最初の一歩はとても大きな決断です。
夢をカタチにするには情熱が欠かせませんが、それと同じくらい重要なのが、綿密な準備と、開業後も続けていくための地道な努力=継続力です。
● 開業までの準備で「つまずかない」ために
飲食店の開業は、物件を借りて内装を整えれば完了するというものではありません。事業の方向性を明確にする「コンセプト作り」から始まり、資金計画、立地選定、厨房機器の選定、必要な許可の取得など、多くのステップがあり、それぞれに判断力と行動力が求められます。
「何から始めればよいかわからない」という方は、まず全体の流れを把握したうえで、段取りを整理した“開業チェックリスト”を作ってみると、計画がぐっと進みやすくなります。
また、実際に営業を開始してから「想定外のトラブル」に直面するケースも少なくありません。
そうした事態を回避するためにも、準備の段階での情報収集やプロへの相談は非常に大切です。
● 継続する力が、最終的な「差」になる
開業はゴールではなく、スタート地点です。飲食業は日々のオペレーションに加え、季節変動や人件費の高騰、物価上昇などの影響を大きく受ける業界です。
だからこそ、「継続する力」が問われます。
・地域のお客様の声を反映して、メニューや接客を改善する
・売上が厳しい時期も、コストを見直して踏ん張る
・SNSや口コミを活用して、着実にリピーターを増やす
こうした日々の積み重ねこそが、数年後の“繁盛店”を生み出します。
最初は小さくても、誠実な経営と継続的な改善を積み重ねることで、確実にお客様の信頼を得ることができます。
開業前は「理想」に目を向けがちですが、成功する飲食店の多くは、「現実に即した準備」と「地道な改善」を丁寧に積み重ねています。
あなたの理想の店を長く続けるためにも、準備の段階から“現実的な視点”を持ち、そして開業後も一歩ずつ着実に歩んでいきましょう。
夢を叶えるカギは、準備と継続にあります。
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