飲食店を開けない場所とは?契約前に確認すべき5つのポイント

出店・開業

飲食店の開業において、立地選びは非常に重要です。
人通りや競合状況などに目が向きがちですが、実は「そもそも飲食店が営業できない場所」があることをご存じでしょうか?

この記事では、飲食店が開業できない主なケースや、物件選びで失敗しないために事前に確認しておくべきポイントについて、わかりやすく解説します。

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目次

飲食店が開業できない主なケース

飲食店の物件選びでは、「人通りがあるか」「駅から近いか」といった条件も大切ですが、それ以上に重要なのが「そもそもその場所で飲食業を営めるのかどうか」です。

以下のようなケースでは、飲食店として営業許可が下りなかったり、大規模な改修工事が必要になったりすることがあります。
失敗しないためにも、それぞれの要因についてしっかり理解しておきましょう。

用途地域の制限(都市計画法)

市区町村では、地域の用途を定める「用途地域」という区分が設けられています。
これは都市計画法に基づき、住居・商業・工業など、エリアごとに建てられる建物や業種を制限する制度です。

飲食店の営業が難しい、または禁止されている代表的な用途地域には、以下のようなものがあります。

第一種低層住居専用地域

主に住宅のための地域で、学校や診療所など一部の施設以外は原則として店舗営業が認められていません。静かな住環境を守るために、飲食店は基本的にNGです。

第二種低層住居専用地域

少しだけ緩和されており、小規模な店舗(床面積150平方メートル以下など)の営業が可能な場合もありますが、騒音やにおいが問題になる飲食業には不向きです。

第一種住居地域、第二種住居地域

条件付きで飲食店の営業が認められることがありますが、住宅街のため周辺住民とのトラブルリスクが高く、自治体によっては厳しい規制がある場合があります。

用途地域は、各市区町村の都市計画課やホームページの地図サービスなどで確認できます。

建物の構造や設備が飲食店向けでない

たとえ用途地域の条件を満たしていても、物件そのものの構造や設備が飲食営業に適していない場合は、開業できないことがあります。

たとえば以下のような点が問題になります。

・給排水の容量が足りない
・換気扇やダクトの設置スペースがない
・グリーストラップ(油脂分離槽)が設置できない
・床や壁が耐水仕様になっていない
・冷蔵庫やガス機器のスペースがない

これらの設備が不十分な場合、すべての設備を新設しなければならず、大きな工事費用がかかるだけでなく、構造上そもそも施工できない可能性もあります。

飲食店用に設計された物件や、過去に飲食店として使われていた実績のあるテナントを選ぶのが安心です。

消防法による制限

飲食店では火気を使用することが多いため、消防法の基準を満たす必要があります。
とくに次のような項目に注意が必要です。

・調理場の火災対策(防火壁・ダクト火災対策)
・誘導灯や非常口の設置
・消火器や自動火災報知設備の設置義務
・避難経路が確保されているか

建物が古い場合や、テナントの構造が複雑な場合には、これらの基準を満たすことが難しく、営業許可が下りないことがあります。

また、消防設備の工事は専門業者による見積りが必要で、思った以上にコストがかかることもあるため、契約前に必ず確認しましょう。

保健所の営業許可基準に満たない

飲食店を開業するには、必ず保健所の営業許可が必要です。
この許可を得るためには、衛生面でさまざまな条件を満たす必要があります。主な基準は以下のとおりです

・独立した調理スペースがある
・食器洗浄用と手洗い用のシンクが分かれている
・壁・床・天井が防水・清掃可能な素材である
・害虫の侵入を防ぐための網戸やドアの構造
・冷蔵庫、ゴミ箱、食材保管庫などの配置

とくに中古テナントや他業種からの転用物件では、これらの基準を満たしていないケースも多く、改修が必要になることがあります。
事前に図面や現地の様子を保健所に持参し、相談するのが安全です。

管理規約や近隣とのトラブルリスク

マンションの1階や複合ビル、商業施設などでは、管理組合やオーナーによって「飲食業禁止」のルールが設けられていることがあります。
たとえば以下のようなケースです。

・マンションの管理規約で飲食業不可
・防音・防臭対策が求められるが施工できない
・施設全体のテナント構成とのバランス調整
・飲食業に対して苦情が過去に多かった物件

また、住居が近いエリアでは、においや煙、騒音に対するクレームが発生しやすく、営業継続が難しくなる可能性もあります。
地域住民との関係性も、店舗運営においては非常に重要です。

実際にあった「開業できなかった」事例

飲食店の開業には、物件契約や内装工事など多くのステップがありますが、「契約後に開業できないことが発覚した」というトラブルは決して珍しくありません。

ここでは、実際に起きた失敗事例をいくつかご紹介しながら、なぜそのようなことが起きたのか、どのように防げたのかを解説いたします。

事例1:用途地域の制限でイートイン営業が不可に

概要
30代男性が、郊外の住宅街にある空き店舗物件を見つけ、賃料の安さと立地の静かさに惹かれて契約しました。
物件には以前、小さな事務所が入っており、内装もきれいだったため、カフェとしてそのまま使えると判断しました。

問題点
契約後、内装工事を始める段階で保健所と消防に相談したところ、物件が「第一種住居地域」に該当し、イートイン形式の飲食営業には適さないと判明しました。
さらに、排水設備やトイレの数も保健所の基準に満たしていないことが発覚。

結果
イートイン営業を断念し、持ち帰り専門のテイクアウトカフェに業態を変更。
想定していた収益モデルに大きなズレが生じ、半年後に閉店。

教訓
用途地域や保健所の基準を契約前に確認しておけば、こうした無駄な投資を避けられる可能性が高いです。

事例2:排煙ダクトの設置ができず営業許可が下りなかった

概要
40代女性が、駅近の雑居ビル1階にある居抜き物件を見つけ、焼き鳥店として開業しようとしました。
内装や厨房機器もそろっており、開業までの期間を短縮できると期待して即決。

問題点
火を使う業態であるにもかかわらず、排煙ダクトの排出口が隣接ビルの空調取り入れ口と近接しており、煙と臭いの影響でクレームが出ると判明。
ビルの構造上、ダクトの取り回し変更も困難で、防火基準にも抵触する可能性があると消防から指摘を受けました。

結果
消防署からの指導により、火を使う調理設備は使えず、焼き鳥業態そのものが不可能に。
内装に投資した金額の多くが無駄となり、事業計画の見直しを余儀なくされました。

教訓
居抜き物件であっても、そのままの状態で使用できるとは限りません。
火気使用や煙の排出に関する制限は特に注意が必要です。

事例3:管理規約で飲食業不可、違約金を支払うことに

概要
20代の起業家が、駅前のマンション1階にあるテナントを借りて、カジュアルな軽食スタンドを開業しようとしました。
不動産会社から「以前も物販店舗だったので問題ない」と言われて安心して契約。

問題点
着工前にマンションの管理組合から「飲食業は禁止されている」と連絡があり、管理規約を確認したところ、確かに「調理を伴う飲食営業は禁止」と明記されていました。
不動産会社はその点を見落としていたか、確認を怠っていた可能性が高いです。

結果
すでに契約金や準備費用を支払っていたため、違約金が発生。
解約手続きを進めるとともに、別の物件を一から探し直すことになりました。

教訓
管理規約の確認は、不動産会社任せにせず、必ず自分の目で確認することが重要です。

事例4:保健所の構造基準を満たさず、工事費が高額に

概要
30代夫婦が、小さなベーカリーを開業しようと、以前飲食店として使用されていた物件を契約。
すでに厨房があるため、最低限の設備投資で済むと見込んでいました。

問題点
保健所に事前相談したところ、パンの製造販売に必要な専用の作業スペースやシンクの数が足りないことが判明。
加えて、壁や床が衛生基準を満たしておらず、全体の内装工事が必要となりました。

結果
追加工事費として想定の倍近い費用がかかり、当初の開業資金計画が大きく狂ってしまいました。
結果として、開業まで半年遅れ、収益化にも遅れが出ました。

教訓
過去に飲食店だった物件でも、現在の保健所基準に合っているとは限りません。
必ず事前に保健所と現地確認を行うことが大切です。

事例から学ぶ「契約前確認」の重要性

これらの事例から分かるように、物件契約前の確認不足が、飲食店開業にとって致命的なリスクとなることがあります。

・用途地域
・消防・保健所の基準
・排煙・臭いの影響
・管理規約や近隣環境

これらをすべて確認した上で契約を進めることで、無駄なトラブルや費用を防ぐことができます。
わからない点があれば、自治体や専門業者に早めに相談しましょう。

飲食店開業が可能かどうかを確認する方法

飲食店を開業するには、物件選びだけでなく、その場所で法律や条例上、営業が可能かどうかを多方面から確認する必要があります。

以下では、開業可否を判断するための具体的な確認手順と、見落としやすいポイントをご説明いたします。

まずは「用途地域」を確認する

物件がある場所の「用途地域」が、そもそも飲食業を営めるエリアかどうかを確認することが第一歩です。
用途地域は都市計画法に基づいて定められており、市区町村ごとに区画されています。

確認方法

・各自治体の都市計画課の窓口に問い合わせる
・自治体のホームページにある「用途地域マップ」や「都市計画図」を見る
・不動産会社に用途地域の種別を聞き、地図で該当区域をチェック

ポイント

・「第一種低層住居専用地域」では原則として飲食店は不可
・「商業地域」「近隣商業地域」は飲食店の出店がしやすい

同じ「住居地域」でも、自治体によって細かい運用が異なる場合があるため、念のため役所に確認するのがおすすめです。

建物の構造と設備が基準に合っているかチェック

物件が飲食店営業に適した構造・設備を備えているかも非常に重要です。以下の点は特に注意が必要です。

チェックポイント

・グリーストラップ(油分分離装置)は設置されているか、または設置可能か
・給排水の口径や容量は、厨房機器の使用に耐えられるか
・排煙・換気ダクトの設置が可能か、隣接物件に迷惑がかからないか
・厨房区画と客席を明確に分けられる構造か
・厨房床が水を流せる構造(防水・排水)になっているか

確認方法

・物件を内覧する際、建築図面と実物を照らし合わせる
・厨房業者や設計士と一緒に現地を見てもらう
・ビル管理会社やオーナーに過去の使用履歴や工事履歴を確認する

保健所で事前相談を受ける

飲食店を開くには、営業許可を保健所から取得する必要があります。
その前段階として、必ず「事前相談」に行くことをおすすめします。

相談時に持参すると良いもの

・店舗の図面(できれば厨房レイアウトを含む)
・設置予定の機器一覧(シンク、冷蔵庫、調理台など)
・物件の現況写真(厨房、客席、出入り口、トイレなど)

確認される主なポイント

・調理場と手洗い場の区分け
・二槽以上のシンクの有無
・壁・床・天井の素材と清掃性
・ゴミや汚水の管理方法
・害虫の侵入を防ぐ構造かどうか

事前相談のメリット

・現段階で問題点を指摘してもらえるため、余計な工事を避けられる
・開業スケジュールを正確に組み立てられる
・担当者との信頼関係を築くことで、許可取得後も相談しやすくなる

消防署で火気使用の可否を確認

火を使う調理を行う場合には、消防法の規定に従う必要があります。
物件によっては、火気使用に制限がある場合もあります。

確認すべき項目

・厨房に防火壁や耐火構造が必要かどうか
・換気ダクトの防火対策(ダンパーの設置など)が必要か
・消火器や火災報知機の設置義務の有無
・非常口や避難経路が確保されているか

確認方法

・管轄の消防署に事前相談を申し込む
・店舗図面を持参して、設備や構造を説明
・想定している業態(例:焼肉、揚げ物、ガスコンロ使用など)を正確に伝える

管理規約・オーナーの意向を確認

ビルやマンションの1階テナントなどの場合、建物の管理規約やオーナーの承諾条件によって、飲食業が制限されていることがあります。

確認すべき点

・規約上「飲食業禁止」と記載されていないか
・臭いや煙の発生に関する制限がないか
・看板・外装工事などに関するルール
・ゴミ処理方法や営業時間の制限など

確認方法

・契約前に、管理規約を必ず書面で確認
・不動産会社だけでなく、オーナー本人にも直接確認
・できれば、過去に飲食店が入っていたかを確認する

専門業者や行政書士に相談するのも有効

複数の許可や基準が関係するため、初めて飲食店を開業する方には非常に分かりにくい部分もあります。
そうした場合は、店舗設計に強い建築士や厨房設備業者、行政書士などの専門家に相談することで、スムーズに確認作業を進めることができます。

契約前に「確認すべき5つの窓口」

1.市区町村の都市計画課(用途地域)
2.物件のオーナー・管理会社(使用条件)
3.保健所(衛生基準・営業許可)
4.消防署(火気・防火対策)
5.専門業者(設備・工事・費用の妥当性)

これらを事前に一つひとつ確認しておくことで、「契約したのに営業できない」といった最悪の事態を回避できます。
焦らず、しっかりと確認作業を行いましょう。

契約前に確認すべき5つのチェックポイント

物件契約後に「この場所では営業できない」と判明するのは、飲食店開業において最大のリスクです。
以下の5つのポイントを契約前に必ず確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

チェックポイント1:その場所で「飲食業」ができるか(用途地域・都市計画)

まずは、その場所が法律的に飲食業を営める地域かどうかを確認する必要があります。

都市計画法に基づく「用途地域」によって、飲食店が出店できるかどうかが決まっています。

確認方法
・自治体の都市計画課で用途地域を確認しましょう。
・インターネットで都市計画図を検索し、自分の物件所在地を調べましょう。

注意点
・「第一種低層住居専用地域」では原則、飲食業は不可になります。
・「商業地域」や「近隣商業地域」は飲食店出店がしやすいです。
・小規模な飲食店なら認められる場合もあるので、詳細は自治体に確認をしましょう。

チェックポイント2:建物の管理規約とオーナーの意向

マンションやテナントビルなどの建物では、管理規約で飲食業を禁止しているケースがあります。
また、オーナーによっては業種制限を設けていることもあります。

確認方法
・契約前に管理規約の写しを見せてもらいましょう。
・オーナーに「飲食業は可能ですか?火気や臭いは問題ありませんか?」と直接確認しましょう。

注意点
・「過去に飲食店が入っていた」からといって安心せず、必ず書面で確認をしましょう。
・テイクアウト専門やカフェはOKでも、焼肉や揚げ物業態はNGの場合もあります。

チェックポイント3:保健所の構造基準を満たしているか

飲食店を営業するには、保健所の定める構造基準をクリアする必要があります。
厨房の配置やシンクの数、トイレの有無などが主なチェック対象です。

確認方法
・事前に保健所へ相談し、図面や写真を持参してアドバイスをもらいましょう。
・「二層シンクがあるか」「調理場と客席の仕切りはどうか」など、基準に合っているか確認しましょう。

注意点
・居抜き物件でも、構造が現在の基準に合っていない場合があります。
・修繕や工事が必要になると追加コストが発生します。

チェックポイント4:排気・臭い・煙の対策が可能か

飲食店では、調理中に出る臭いや煙の処理が大きな課題となります。
排気ダクトの設置場所や、隣接物件との距離などに注意が必要です。

確認方法
・既存の排気設備の有無と状態を確認しましょう。
・排気ダクトが設置できるか、ビルの構造や近隣環境を確認しましょう。
・できれば厨房設備業者と一緒に現地調査を行いましょう。

注意点
・匂い・煙のクレームが原因で営業停止や業態変更を迫られるケースもあります。
・換気扇を強くすれば良いという単純な話ではありません。

チェックポイント5:消防・避難・ガス設備の安全性

火気を使用する飲食店では、消防法やガス設備に関する基準を満たす必要があります。
特に雑居ビルや古い建物では、安全対策が不十分なケースもあります。

確認方法
・消防署に事前相談をして、厨房やダクトの設置が基準に適合するかを確認しましょう。
・非常口、避難経路、火災報知器、消火器の設置状況をチェックしましょう。
・ガスの供給容量や元栓の位置も確認しておくと安心です。

注意点
・消防法違反は営業許可の取り消しにつながる可能性があります。
・火を使わない業態でも、電気容量や安全面の確認は必須です。

チェックリストを活用して、物件契約は慎重に

飲食店の物件契約前には、以下の5つのポイントをチェックリスト形式で確認しましょう。

物件を決定する前に、専門家や行政機関に相談することで、後悔のない開業準備ができます。
ご自身だけで判断せず、早めに行動を起こすことが、成功への第一歩です。

万が一、契約後に開業できないとわかった場合

飲食店の開業準備が進んでいたにもかかわらず、「実は営業ができない場所だった」と判明した場合、多くの時間と費用が無駄になるばかりか、精神的なショックも非常に大きくなります。

ここでは、万が一そうなってしまった際の対処法や、損害を最小限に抑える方法について詳しくご紹介します。

契約書の内容をまず確認しましょう

最初に行うべきは、賃貸借契約書の内容確認です。
契約書には通常、「用途制限」や「契約解除条項」、「特約事項」などが記載されています。

確認すべきポイント
・用途欄に「飲食業可」と明記されているか
・特約事項に「保健所や消防等の許可が取れなかった場合の解除」について記載があるか
・解約時の違約金や敷金返還について明記されているか

これらの項目によっては、開業不可となった場合でも違約金なしで契約解除ができるケースもあります。

オーナーや管理会社に事情を説明する

次に行うべきは、オーナーや管理会社に状況を正直に伝えることです。
事情を丁寧に説明し、双方の合意により円満に契約解除できる可能性もあります。

交渉の際のポイント

「〇〇役所で営業不可と明言された」など、客観的な証拠を示す。
・保健所や消防署からの指摘があれば、それを持参して説明する。
・今後のトラブル回避のため、書面での解約同意を必ず取り交わす

オーナー側も「問題を抱えたままテナントを引き渡したくない」と考えるケースが多いため、誠意を持って交渉すれば理解を得られる可能性は十分にあります。

初期費用の損失を最小限にするには

すでに支払ってしまった保証金・敷金・礼金・仲介手数料・内装費の一部などは、状況によっては返金されないこともあります。
少しでも回収するためには、以下の行動が有効です。

損失を減らすための対策

・原状回復義務が発生する前に早期解約を申し出ましょう。
・内装工事が未着工なら、施工業者とキャンセル交渉しましょう。(キャンセル料がかかる場合もあります)
・居抜き物件であれば、第三者に譲渡できるか相談しましょう。(※再び借り手が見つかれば、敷金や内装費の一部が戻ることも)
・仲介業者に状況を相談し、次の物件探しに協力してもらう。

トラブルの際は専門家に相談を

トラブルが深刻化し、自力では解決が難しい場合には、専門家への相談も検討しましょう。

相談先の一例

・行政書士(契約や営業許可関連の法的助言)
・弁護士(契約解除や損害賠償の交渉支援)
・商工会議所(開業支援やトラブル相談)
・地元の飲食組合・開業支援センター

専門家の意見を取り入れることで、冷静な判断ができるようになりますし、無用な損失や対立も避けやすくなります。

今後に活かすために「記録を残す」

万が一のトラブルを経験した後は、同じ失敗を繰り返さないためにも、今回の経緯を記録として残しておくことをおすすめします。

記録に残すべき情報

・どの段階で何が判明したか(用途地域、保健所、消防など)
・相談した窓口・担当者の名前と内容
・契約書のどの条項が問題となったか
・オーナーや不動産会社とのやり取りの履歴(メールやメモ)

これらの記録は、次に物件を選ぶ際の重要な判断材料になりますし、第三者に相談する際にも役立ちます。

最悪の事態でも、冷静な対処で次につなげる

契約後に開業できないと判明するのは大きなダメージですが、「そこで終わり」とは限りません。
早めに事実確認を行い、誠実に対応し、専門家の力も借りながら損失を最小限に抑えましょう。
そしてこの経験を糧に、次はもっと確実な準備で再スタートを切っていただきたいと思います。

まとめ:立地選びは「集客」だけでなく「法的条件」も重要です

飲食店を開業する際、多くの方が重視するのが「人通りの多さ」や「視認性の良さ」「競合店とのバランス」などの“集客力”に関する条件です。
確かに、どれも商売の成功を左右する非常に大切な要素です。

しかし実際には、「この場所で本当に営業できるのか」「飲食店として法律や規制をクリアできるのか」という法的・制度的な条件を確認せずに契約を進めてしまうケースも少なくありません。

その結果、以下のようなトラブルに直面する可能性があります。

・用途地域の制限により、飲食業そのものが禁止されていた
・建物の管理規約で「飲食業不可」と定められていた
・保健所の構造基準を満たせず、営業許可が取れなかった
・排気や煙で近隣からクレームが入り、営業継続が困難になった
・消防設備の不備で、許可が下りなかったり、多額の改修費が発生したりした

これらはすべて、「事前の確認不足」によって発生するトラブルです。
つまり、いくら理想の立地条件が揃っていても、“営業できなければ意味がない”というのが現実なのです。

「売れる立地」=「開業できる立地」ではない

たとえば、駅前の人通りが多い場所や住宅街に近いエリアは一見魅力的に見えますが、それだけで判断するのは危険です。
以下のような落とし穴が潜んでいる可能性があります。

【駅前ビル】

既存テナントとの業種バッティングでNG

【住宅街】

第一種低層住居専用地域で飲食業そのものが不可

【ビル1階】

排気設備が取り付けられず、重飲食が不可能

【古い建物】

消防基準未達で開業に大規模改修が必要

だからこそ、「立地=集客力」だけではなく、「立地=法的・設備的に営業ができる場所かどうか」という視点が欠かせないのです。

開業成功のためには「プロと連携すること」がカギ

初めての物件探しでは、全てを自力で調べきるのは難しいこともあります。
そのため、物件選定の段階から以下のような専門家と連携することがとても重要です。

・保健所・消防署への事前相談
・厨房設備業者による現地確認
・不動産業者との用途・規約の確認
・行政書士や開業コンサルタントによる契約書チェック

これらを踏まえたうえで、「この場所は集客もできて、かつ飲食営業も法的に問題がない」という物件を選ぶことが、成功する店舗運営の第一歩になります。

最後に:冷静な判断で後悔のない開業を

飲食店の立地選びは、一度決めるとそう簡単にはやり直しができない、非常に重要な決断です。
だからこそ、「ここで本当に営業できるのか?」という視点を常に持ち、冷静に・慎重に進めることが求められます。

集客力ももちろん大切ですが、それと同じくらい「法的・設備的な開業の可能性」を確認することが、安心してお店を始めるための最大のポイントです。

開業を夢に終わらせないためにも、「契約前の確認」を習慣にして、トラブルのない店舗づくりを目指しましょう。

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