スーパーなどの小売店でセルフレジを見かける機会が増え、「飲食店でも便利に使えるのではないか?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
飲食店向けのセルフレジ製品は多く提供されていて、実際に導入している店舗も少なくありません。
その一方で、「脱セルフレジ」を掲げる飲食店も増えており、不便さがあげられる点もあります。
今回は、セルフレジが廃止されている理由とは?飲食店が抱える問題について紹介していきます。

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目次
セルフレジ導入

飲食店におけるセルフレジの導入は、2010年代半ばから徐々に広まり始めました。特に、顕著な動きが見られたのは2018年以降で、人手不足の深刻化やインバウンド需要の増加により、業務の効率化と省人化が急務となった背景があります。
また、2019年の消費税増税と軽減税率制度の導入に伴い、レジ業務の煩雑さが増したことで、飲食店でもセルフレジ導入を検討する動きが加速しました。
さらに、大きな転機となったのが2020年の新型コロナウイルスの流行です。感染拡大防止の観点から、非接触での支払い方法が注目され、セルフレジやキャッシュレス決済の導入が急速に進みました。
これにより、ファストフード店、牛丼チェーン、カフェチェーンを中心に導入が一般化し、コンビニエンスストアやスーパーと同様に、飲食業界でも「セルフ会計」が新しい標準として受け入れられるようになっていきました。
代表的な導入例としては、マクドナルドが2018年から一部店舗でタッチパネル式のセルフオーダー端末を設置し、セルフ会計に対応したことです。
また、すき家や松屋などの牛丼チェーンも、早期から券売機やタブレット注文+セルフレジの仕組みを取り入れています。
現在では、中小規模の飲食店でもタブレットやスマートフォンを活用したセルフレジの導入が可能になっており、コストも以前より大幅に下がっています。
セルフレジ導入は、飲食店の経営環境を支える重要なツールとして、今後もさらなる普及が見込まれていくでしょう。
「脱セルフレジ」が増えている?
近年、セルフレジの導入が進んできた飲食業界ですが、ここにきて一部で「脱セルフレジ」の動きも見られるようになっています。
これは、完全な自動化や無人化の流れに対して、再び有人対応の価値を見直す店舗が出てきたことを意味しています。
特に、欧米ではその傾向が顕著です。イギリスの老舗スーパー「Booths」では、ほとんどの店舗からセルフレジを撤去し、有人レジに回帰しました。
理由は「セルフレジでは顧客体験が損なわれる」「スキャンミスや支払いトラブルが多く、結局人手が必要になる」などの実用面と、ホスピタリティを重視する姿勢が背景にあります。
また、アメリカの小売大手「Dollar General」も、店舗の約7割でセルフレジを廃止し、万引きやレジトラブルによる損失対策を図っています。
日本の飲食業界でも、セルフオーダー端末やレジ機器の導入が進んできたものの、「高齢の客が使いづらい」「画面操作に戸惑う」などの課題も指摘されているのです。
ファミリーレストランや、ラーメン店など、幅広い年代の利用者が訪れる業態では、完全なセルフ化が逆に顧客満足度を下げてしまうリスクもあります。
そのため、最近では「セミセルフレジ」や「有人との併用」など、柔軟な運用に切り替える店舗も増えています。
たとえば、注文はセルフでも支払い時にスタッフが補助する形や、ピークタイムのみ有人レジを稼働させるなど、状況に応じた対応が求められています。
今後の飲食業界においては、業務効率化と顧客体験のバランスが重要です。
「脱セルフレジ」は、単に機械を撤去するという話ではなく、顧客のニーズや店舗のブランドに応じた、最適な接客体制を再構築する動きといえるでしょう。
セルフレジが廃止されている理由とは?

セルフレジは、業務効率化や人件費削減を目的に導入が進められてきましたが、近年では一部の小売店や飲食店で「廃止」や「有人レジへの回帰」が進んでいます。
その背景には、単なるコストの問題ではなく、いろいろな実務上・心理的な課題が存在しています。
ここでは、セルフレジが廃止されている理由についていくつか紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。
スキャンミス・操作ミスの多発
セルフレジでは、利用者が商品のバーコードを自分で読み取り、支払いまでを行いますが、この過程で「読み取り漏れ」「数量の誤入力」「現金・キャッシュレス操作のミス」などが頻発します。
特に、高齢者や機械に不慣れな方にとっては、複雑な操作がストレスとなり、結果的にスタッフのサポートが必要になるケースも多く、かえって業務効率が落ちてしまうことがあるのです。
万引き・不正行為の増加
セルフレジの導入により、万引きや不正会計が増加したという報告もあります。意図的にバーコードをスキャンせずに商品を袋に入れるなど、「セルフレジ特有の窃盗行為」が問題となっており、海外の大手スーパーでは実際にこれが理由で撤去に踏み切った例もあります。
不正を防ぐための監視カメラやスタッフ配置は、結果としてコスト増加につながります。
顧客体験の低下と「温かみの欠如」
有人対応と比べ、セルフレジではスタッフとの会話がなく、店舗独自の「接客の温かさ」が失われやすいと指摘されています。
特に、地域密着型の店舗や、常連客を大切にしている飲食店などでは、こうした人と人とのふれあいがブランド価値の一部となっており、セルフ化によって顧客満足度が低下する恐れがあります。
機械トラブルやメンテナンスコストの負担
セルフレジは、ハードウェアとソフトウェアの両方が必要な精密機器です。通信エラーやシステムダウン、ICカードリーダーの不具合など、トラブルが発生すれば、スタッフによる対応が必要となります。
また、定期的な保守点検や機器の更新費用も発生し、導入から数年後に「想定以上に維持費がかかる」として廃止を検討する店舗も出てきています。
このように、セルフレジは一見効率的に見えても、現場ではさまざまな課題を抱えており、全ての店舗に適しているわけではありません。
今後は、「セミセルフ」や「ハイブリッド型」など、柔軟な運用が求められる時代になっていくでしょう。
セルフレジに使う調理器具や食器
テンポスで扱っている、セルフレジを作る際に使う調理器具や、おすすめの食器をご紹介!
タッチパネル式券売機

POSレジ オーダーエントリーシステム tenposAir

まとめ
今回は、セルフレジが廃止されている理由とは?飲食店が抱える問題について紹介してきました。
セルフレジが廃止されている理由として、スキャンミス・操作ミスの多発や、万引き・不正行為の増加などがあげられます。
利用のしやすさ、不便さを考え今一度導入するかどうか検討する必要があるでしょう。
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