見逃し注意!これが無いと開業できない?!開業に必要な資格・許認可まとめ

経営ノウハウ

ここでは、飲食店を開業するために必要な保健所、警察署、消防署、税務署での手続きや、従業員雇用の際に必要なことなど、開業にあたり必ず行うべきことをご紹介していきます。
資格・許可は業態、また自治体によって多少異なる場合がありますので、物件を探す際に同時に確認しておくと良いでしょう。資格は、講習日が予約が1ヶ月先で取れない、ひと月に1回しかない場合もあるため、早めに取得するようにしてください。

飲食店開業に必要な資格とは?

すでに栄養士免許や調理師免許を持っている人は、新たに取得する必要はありません。
また、飲食店の開業には、調理師免許は必須ではありません。
調理師免許、栄養士免許をもっていない場合は、「食品衛生責任者」の資格を取得しましょう。

食品衛生責任者の資格は必須!

飲食店を開業するにあたり、必須条件になるのが「食品衛生責任者」の資格です。
営業許可書を取得するには、「食品衛生責任者」「調理師」「栄養士」のいずれかの資格が必要ですが、「食品衛生責任者」がもっとも簡単に取得できる資格です。
※すでに調理師、栄養士などの免許を持っている場合は食品衛生責任者養成講習会を受講することなく、申請だけで資格の取得が可能です。
「食品衛生責任者」は、食中毒や食品衛生法違反を起こさないように管理運営をする責務があります。
基本的に、店舗に常駐する人が取得し、複数の店舗を運営する人は、店舗数と同じ数の資格保有者が必要です。

収容人数が30人以上の場合は防災管理者が必要

防災管理者は、火災による被害の予防、防火管理を行う責務を持った責任者のことです。
収容人数が30人未満の場合は、不要となります。
収容人数が30人を超え飲食店を開業する場合のみ、必要な資格です。

食品衛生管理者と食品衛生責任者の違いって?

食品衛生管理者とは、食品や添加物を製造・加工する施設で、食品の衛生を管理する国家資格のことを言います。
指定の講習を受けることで取得することができます。
食品衛生管理者の資格は、主に食品メーカーや学校、病院の調理施設で活用され、職場内での食中毒の防止に務め、衛生管理を徹底させます。
食品衛生責任者との違いは、下記になります。
食品衛生責任者=販売・製造に関する衛生管理
食品衛生管理者=加工・製造に関する衛生管理

飲食店開業に必要な許認可とは?

飲食店開業には、保健所、消防署、税務署など届け出なければならないことがいくつかあります。
事前に計画を立てておくことは、スムーズに開業するためのポイントとなります!
手続きに漏れがないよう、保健所や消防署、内装工事業者など関係各所に前もって相談して進めましょう。

保健所での申請について

飲食店を開業するにあたり、営業許可証は必須条件です。
営業許可証が無い場合、飲食店の開業はできません。
しかし、管轄の保健所に申請すれば営業許可を得ることができるのです!
申請の流れを説明していきます。

保健所への申請

飲食店営業許可:必須
飲食店の開業にあたり、営業許可は必須です。飲食店営業許可を取得していなければ、飲食店の営業はできません。
営業許可を得るためには「人」と「店舗」、2つの要件があります。
それぞれ重要な項目なので、抜け漏れがないよう開業前に確認するようにしましょう。

人に関する要件
・営業許可の申請をした人が過去に食品衛生法違反で処分を受けてから2年たっていない
・店舗の営業許可を取り消されてから2年たっていない
上記2つの内1つでも当てはまっている場合、保健所から営業許可を取得することはできません。

店舗に関する要件
・店舗に食品衛生者の配置
店舗の構造、設備に対して、法律のもと要件が決められています。
保健所は店舗を訪問して検査して要件を満たしているのか確認を行うため、定められているルールに従いましょう。

飲食店開業申請の流れ

1.事前相談

保健所の管轄がそれぞれ決まっているため、あらかじめ窓口となる保健所を調べておきましょう。
内装工事の前に、店舗の図面をもって一度相談に行きます。
許可条件などは各保健所により異なることもありますので、事前に詳しい説明を受けておきましょう。
工事の前に確認することで、後々の手直しや日程の無駄を防ぐことができます。
居抜きの開業においても、新たに営業許可を取得する必要があります。
前テナントが許可を受けていても、そのまま許可がおりるとは限りませんので注意です。

2.営業許可申請

申請提出場所:保健所
提出時期:店舗が完成する10日ほど前
必要書類:必要な書類などは各保健所により異なるため、必ず事前に管轄の保健所に確認するようにしましょう。
必要な書類一覧
・飲食店営業許可申請書
・営業設備の大要・配置図
・内装の配置の平面図
・店舗の案内図
※最寄駅から店舗までが分かるもの。(住宅地図のコピーでも可)
・(法人が申請する場合)登記事項証明書
・(貯水槽や井戸水を利用する場合)水質検査成績書
※通常家主が持っているため、コピーをもらいましょう。
・食品衛生責任者の資格を証明する書類(「食品衛生責任者手帳」や「調理師免許」など)
上記の書類を確認してもらい、問題が無ければ手数料を納入し、調査の日時を決めます。

3.実施審査

保健所の担当者が店舗を訪れ、構造が規定通りであるか、所定の設備がついているか、食品衛生法の定めた基準を満たしているかなど細かくチェックします。
審査の基準は、地方自治体、業態によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
万が一基準に達していない場合、改善した上で再度保健所の立ち入りを調査する必要があります。

4.営業許可の交付

調査が問題なく終わった場合、営業許可証が発行される予定日と引換証が担当者から渡されます。
交付までには約1週間かかります。
発行予定日になったら引換証を持って保健所に行き、許可証を受け取りましょう。

5.営業開始

営業許可証は店内の目立つところに掲示し、期限が切れる1か月前には更新の手続きを行うようにしましょう。
また、営業者の名前・住所を変更した場合や、店内の一部設備、店舗名(屋号)、食品衛生責任者を変更した場合は、その都度届出が必要になります。
店舗を譲渡や増改築、移転をした場合は営業許可を新たに取得する必要があります。
※営業許可には期限があります。営業許可の更新手続きをせずに営業するのは違法行為にあたります。食品衛生法、風営法の違反にあたり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課せられます。
更新期限は、飲食店営業許可書の下部に有効期間が記載されているので、その有効期限までには更新手続きを行うようにしてください。

消防署での申請

開業を問題なく進めていくためにも、図面が出来上がったら消防署へ一度相談するのが良いでしょう。
自身で申請を行うことも可能ですが、専門知識が必要なため、知識がある業者へ依頼したほうがスムーズに行うことができます。
別途費用がかかりますが、内装工事業者が代行してくれる場合もあります。
また、以下の申請が必要になります。

1.防火対象設備使用開始届

ビルなどの建物や、建物の新築・増築・改築をした店舗の場合に必要な書類です。
建物や建物の一部を新しく利用するに当たっての、防火・消火活動に関する申請です。

・防火対象物工事計画届書
対象となる建物がいつから工事を始めるか消防署に知らせます。
内装工事を始める前に提出が必要になります。
※内装工事をしない場合には不要です。
提出期限:工事開始7日前まで

・防火対象物使用開始届出書
対象となる建物の利用を、いつから開始するかを知らせる書類です。
提出期限:使用開始7日前まで
「防火対象物工事等計画届書」と一緒に提出することも可能です。
※届け出を提出しなかった場合、内装工事が終わった後に追加で工事が必要になることもあります。消防法には建物に関して細かな規定があり、それらに適していない場合は営業ができません。

2.防火管理者選任届

※収容人数が30人以下の店舗では申請の必要はありません。
「防火管理者」が在籍していることを報告する届け出です。
提出期限:店舗の開業前まで
・消防計画
火災を起こさないようにするだけでなく、火災が発生した場合、スタッフ一人一人が何をすれば良いかをあらかじめ定めておくことです。選任された防火管理者は、消防計画を作成し、届け出る必要があります。

3.火を使用する設備等の設置届

火を使用する設備を設置の場合、設置の前に消防署への届出が必要です。
厨房設備、炉、温風暖房機、ボイラーなどを使用する場合が該当するので注意が必要です。
飲食店であれば、ほとんどの店舗で必要であると思われるため、忘れずに届出をしましょう。

警察署での申請

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書

深夜12時以降もお酒を提供する場合、届出が必要です。
届出が必要なのはお酒がメインの店舗です。
しかし、この線引きにはあいまいな部分もあるため、事前に確認してくとよいでしょう。
検査はありませんが、深夜酒類提供飲食店は風営法により規制の対象になっています。
そのため、提出する書類は店内の詳細図面や求積図など複雑なものが多いです。
審査も厳しいため、行政書士など知識のある専門の方に作成を依頼するのもよいでしょう。
提出期限:営業開始10日前まで

税務署への申請

個人事業の開廃業届書(開業届)

個人事業を始める際、店舗住所を所轄税務署へ提出します。
提出をしなくても罰則はありませんが、税金が安くなる等、恩恵を受けることができます。
メリットとしては、節税効果、屋号で銀行口座開設可能、事業資金融資の対象になることが挙げられます。
届出に必要な書類はダウンロードが可能です。
提出期限:開業後1ヶ月以内

青色申告承認申請書

確定申告には、青色と白色の2種類があり、青色申告の方が詳細な帳簿付けをする必要があります。しかし、白色申告よりも節税効果が高いのでおすすめです。
青色申告承認申請書を提出をしていない場合は自動的に白色申告となります。
青色申告のメリットとしては、下記の4つになります。

・特別控除を受けられる(青色申告特別控除)
青色申告によって確定申告する際に白色申告と比較して手間がかかるため、特別に所得の計算において55万円(e-Taxで申告の場合は65万円)または10万円の控除を受けることが可能です。

・赤字を3年間繰り越すことが可能(純損失の繰越控除)
青色申告を受けることにより、その年に発生した純損失の金額をその翌年から3年間で発生する黒字と相殺することが可能です。

・親族への給与が経費に計上が可能(青色事業専従者給与)
個人事業主は原則として、生計を同じくする配偶者や親族に対して給料を支払っても経費に計上することは不可能です。
しかし、青色申告をする場合には通常の従業員に支払う金額と同程度の給料を支払うことで、経費に計上することができます。

・30万円未満のものを一括でその年度の経費にできる※300万円まで(貸倒引当金の計上)
青色申告をする際、中小企業者であるなど一定の条件を満たしている場合は、30万円未満の原価償却資産については、一括してその年の経費とすることができます。※300万円まで
提出期限:開業から2ヶ月以内
「開業届」を提出するのと一緒に「青色申告承認申請書」も提出しておくと良いでしょう。

労働保険(雇用保険・労災保険)について

労働保険(雇用保険・労災保険)

個人営業・法人営業、どちらにしてもアルバイトやパートを1人でも雇う場合は「労働保険」への加入の義務があります。
雇用保険
労働者の安定と就業促進を目的として設けられた保険です。
失業した際に一定期間給付金を受けることができる失業給付が一般的には有名なため、失業保険や給付金のことを失業手当と呼ぶこともあります。
①1週間の所定労働時間が20時間以上
②31日以上継続で雇用される見込みがある
上記2点を満たしている場合、雇用保険の加入義務があります。
雇ったアルバイトやパートと1か月以上の雇用契約や期間を定めない雇用契約を締結する必要があります。
教育訓練給付、育児給付金、介護給付金などもこちらの保険で行っています。
注意点としては、昼間学生の場合は原則、雇用保険の加入対象になりません。
週20時間以上の所定労働時間で31日以上の雇用形態でも対象外です。
ハローワーク=公共職業安定所にて加入手続きを行います。
提出するものは下記です。
・雇用保険適用事業所設置届
・雇用保険被保険者資格取得届
・雇用保険被保険者証(前に勤めていた会社で雇用保険に入っていた場合のみ必要)
「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」は労働基準監督署にある書類です。
事前に受取り、書き方の説明を伺った方が間違いないでしょう。

会社で用意する書類は下記です。
・保険関係成立届
・賃金台帳
・出勤簿
・労働者名簿
・登記簿謄本に事業所の住所が確認できる書類(公共料金の請求書等)

労災保険(労働者災害補償保険)
労働者の仕事中のケガや病気に備えるための保険です。
労災とは労働災害を指しています。
勤務時間中はもちろん、出勤・退勤の際の負傷や事故も含まれます。
万が一負傷した場合は、費用は国から支給されます。
支給により、働けない期間の休業補償や障害が残った場合の補償なども対応してくれます。
死亡の場合も遺族給付金なども出ます。
労災保険は、アルバイトやパートが加入するものではなく、アルバイトやパートを雇う事業主の加入が必要になります。
また、保険料も事業主が負担することになります。
飲食店所在地を管轄する労働基準監督署にて、事業開始の翌日から10日以内に手続きを行いましょう。
提出するものは下記です。
・保険関係成立届
・概算保険料申告書
・登記簿謄本

まとめ

いかがでしたでしょうか。
飲食店を開業するには色んな資格や許認可が必要になります。
抜け漏れが無いよう、事前にチェックをして準備をしていきましょう。
また、法改正により、必要な届け出や書類、提出先が変更する可能性もありますので、随時チェックをするようにしましょう。

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