「焼肉屋って、1日にどのくらい売り上げるんだろう?」
開業を考えている人なら、一度は気になるテーマではないでしょうか。
焼肉業態は客単価が高く、うまく運営すれば高収益も狙える反面、原価や人件費の負担も大きい業種です。
今回は、焼肉店の「1日売上の目安」から「利益の仕組み」「売上を伸ばすポイント」まで、リアルな数字をもとに解説します。

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目次
■ 売上を決める3つの要素

焼肉屋の1日の売上は、「客単価」「回転率」「席数」という3つの基本要素でほぼ決まります。
どれも単独ではなく、バランスよく管理することで安定した売上を作ることができます。
要素1:客単価 ― 売上の“質”を決める要素
客単価とは、1人あたりが平均して支払う金額のことです。
焼肉店では、一般的に3,000円〜5,000円前後が相場です。
家族連れが多い郊外型の店舗では3,000円程度、ビジネス街や繁華街の店舗では飲み放題や希少部位などが加わり、5,000円を超えることもあります。
また、セットメニューやコース料理を設けることで、単価を安定的に上げることができます。
ドリンクメニューの強化や“もう一品”提案も効果的です。
要素2: 回転率 ― 席をどれだけ活かせるか
回転率とは、1日のうちに1つの席が何回入れ替わるかを示す指標です。
夜営業中心の焼肉屋では、1.5〜2回転が標準的です。
ランチ営業を行う店舗であれば、昼に0.8〜1回転、夜に2回転で合計3回転前後を目指すことも可能です。
注文・配膳のスピードを上げたり、退店後の片付けを効率化したりといった工夫が、回転率アップに直結します。
要素3:席数 ― 店舗規模そのものを表す要素
席数は、売上の“器の大きさ”を決める要素です。
小型店であれば30席前後、中規模で50席前後、大型店なら80〜100席というケースが一般的です。
ただし、席数が多ければ売上も上がるという単純な話ではなく、客層やスタッフ配置、厨房との距離などを考慮した「無理のない席数設定」が重要です。
▶ 売上の基本式を押さえよう
この3要素を組み合わせた、焼肉屋の基本的な売上計算式は以下の通りです。
1日の売上 = 客単価 × 席数 × 回転率
シンプルな式ですが、どの要素も少しの改善で大きな変化を生みます。
「単価を500円上げる」「回転率を0.3上げる」といった小さな積み重ねが、最終的な売上アップにつながるのです。
■ 店舗規模別の1日売上モデル

焼肉店の1日の売上は、店舗の規模や席数、客単価によって大きく変わります。
ここでは、実際の飲食業界の平均値をもとに、小規模・中規模・大規模の3タイプに分けてモデルを見ていきましょう。

小規模店(10〜20席・個人経営タイプ)
小規模な焼肉店では、1日あたりの来店客数は20〜40人前後となることが多いです。
1人あたりの客単価が4,000〜5,000円程度の場合、1日の売上は8万円〜20万円前後が一般的な目安です。
ただし、こうしたお店は「家族経営」や「スタッフ2〜3名」で回すケースが多いため、人件費を抑えられる分、利益率が高い傾向にあります。
反対に、仕入れ単価が高い部位を扱いすぎると原価率が上がり、すぐに利益を圧迫してしまう点には注意が必要です。
中規模店(30〜50席・駅近立地)
中規模店では1日の来店数が60〜120人程度、客単価は4,000〜6,000円が相場です。
この規模になると、1日の売上は25万円〜60万円程度が目安と考えられます。
人件費や光熱費の負担も増えますが、その分「回転率を意識した席配置」「ランチ営業による稼働時間の延長」などで効率化する余地が広がります。
また、近年は少人数グループ向けの“個室風テーブル”を設けて、単価を上げながら回転数を保つ工夫をしている店舗も増えています。
大規模店(70席以上・チェーン店タイプ)
大規模な焼肉店では、1日の来店数が150〜300人に達することもあります。
客単価を4,000円とすると、1日あたり60万円〜120万円の売上が期待できます。
ただし、この規模ではスタッフ数も多く、月間の人件費が数百万円規模になることも珍しくありません。
原価・人件費・家賃を合計した「FLRコスト」が売上の70%を超えると利益が出にくくなるため、コスト管理の徹底が必須です。
▶規模に合った運営が利益を生む
焼肉店は「広ければ儲かる」わけではなく、規模に見合った回転数と単価のバランスが利益を左右します。
たとえば、小規模店なら原価を抑えつつ高品質な部位で固定客を増やす戦略が有効ですし、大規模店ではオペレーション効率を上げて回転率を高める方が成果につながります。
売上モデルを参考にしつつ、自店の立地・客層・人員体制に最適なスケール感を見極めることが、安定経営への第一歩です。
■ 売上の中身 ― 利益はどれくらい残るのか?

焼肉店は見た目の売上が大きくても、実際に残る利益は決して多くありません。
ここでは、一般的な焼肉店の売上構成と利益の仕組みを、具体的な数字を交えて見ていきましょう。
売上から引かれる3つの主要コスト
焼肉店の経営では、売上からまず「原価」「人件費」「家賃・光熱費」などの経費を引く必要があります。
この3つをまとめて「FLRコスト」と呼び、全体の売上に対して70%以内に収めるのが理想と言われています。
原価(肉・野菜・調味料など)
売上の30〜35%前後
人件費(スタッフの給与)
売上の25〜30%前後
家賃・光熱費・水道代など
売上の10〜15%前後
この段階で全体の7割近くが経費として消える計算になります。
利益率の目安は10〜15%
上記のようなコスト構成を踏まえると、焼肉店の営業利益率はおおむね10〜15%前後が一般的です。
たとえば1日の売上が30万円の場合、最終的に手元に残る利益は3万〜4.5万円程度。
月換算にすると約90万〜135万円の営業利益となります。
ただし、これは「順調に売上が立っている」ことが前提です。
閑散期に売上が2〜3割落ちると、すぐに赤字転落することもあります。
肉の仕入れと原価率のバランスがカギ
焼肉店では肉の品質が売上を左右しますが、原価率が高くなりやすい業態でもあります。
たとえば、A5ランク和牛などを多く扱う高級志向店では、原価率が40%を超えるケースも珍しくありません。
一方で、ホルモン中心や食べ放題スタイルの店舗では、原価率を25〜30%程度に抑えて利益を確保しています。
つまり、「どんな肉をどんな価格帯で売るか」によって、利益の出方が大きく変わるのです。
“売上=利益”ではない現実を理解する
焼肉店の1日売上を見て「30万円もあるなら儲かる」と感じる人は多いですが、実際にはそこから人件費や仕入れなど多くのコストが引かれます。
結果として、手元に残るのは売上の1割程度というのが現実です。
だからこそ、単に売上を増やすだけでなく、「原価をどう抑えるか」「回転率をどう上げるか」といった経営の工夫が不可欠です。
売上の中身をしっかり把握することで、安定した利益を確保し、長く続く焼肉店経営が実現できるのです。
■ 売上を伸ばすポイント

焼肉店の売上を伸ばすには、単に「おいしい肉を出す」だけでは不十分です。
売上は「客数 × 客単価 × 回転率」の掛け算で決まるため、それぞれの要素を高める仕組みを作ることが重要です。ここでは、現場で実践しやすい売上アップのポイントを紹介します。
ポイント1. 客単価を上げる「提案力」
まず注目したいのが、客単価の向上です。
焼肉店では追加注文が多いため、スタッフのおすすめトークや盛り合わせ提案が売上を左右します。
たとえば「最初の一皿は盛り合わせで」「今日は特上カルビが入ってます」など、会話の中で自然にアップセルを促すことで、1人あたりの単価を数百円〜1,000円以上上げることも可能です。
また、ドリンクメニューの見直しも効果的です。
焼肉と相性の良いワインやクラフトビールを導入し、ペアリング提案を行うことで客単価アップにつながります。
ポイント2. 回転率を上げる「導線と仕組み」
次に大切なのが回転率の改善です。
焼肉店では食事時間が長くなりがちですが、注文から提供までのスピードを上げるだけでも1日あたりの回転数が変わります。
そのためには、卓上注文タブレットの導入や、焼き場とホールの連携改善など、オペレーション効率を高める工夫が欠かせません。
さらに、ランチ営業や早割・遅割キャンペーンを実施することで、ピーク時間以外にも来客を分散させると、トータルの客数を底上げできます。
ポイント3. リピーターを増やす「体験づくり」
売上を安定させるには、リピーターの確保が最重要です。
「味」だけでなく、「居心地の良さ」「接客の一貫性」「記念日の演出」など、お客様の心に残る体験を提供することが鍵になります。
また、LINE公式アカウントやSNSを活用して再来店を促す情報発信を行うことも効果的です。
限定メニューやクーポン配信を活用すれば、常連客の来店頻度を高めることができます。
ポイント4. 売上アップは“仕組み化”がポイント
一時的なキャンペーンではなく、日常的に売上が上がる仕組みを作ることが理想です。
スタッフ教育、動線設計、メニュー構成、価格戦略など、店舗全体の設計を見直すことで「売れる環境」が整います。
焼肉店は競合が多い分、差別化の工夫が結果に直結します。
「客単価・回転率・リピーター率」の3本柱をバランスよく伸ばすことで、1日の売上を着実に引き上げることができます。
■ 成功する焼肉店に共通するポイント
焼肉店は参入が多い一方で、数年で撤退してしまう店舗も少なくありません。
そんな中で長く繁盛しているお店には、いくつかの共通点があります。
ここでは、成功する焼肉店に見られるポイントを整理してご紹介します。
ポイント1. 「誰に売るか」を明確にしている
まず大前提として、ターゲットが明確であることが成功の鍵です。
「ファミリー層なのか」「仕事帰りのサラリーマンなのか」「カップルや記念日利用なのか」――この軸がぶれると、メニュー構成や価格設定がちぐはぐになります。
たとえば、ファミリー層向けなら食べ放題やキッズメニューを充実させる、カップル層なら照明や内装で雰囲気を演出するなど、狙う層に合わせた店舗づくりが売上に直結します。
ポイント2. 「原価管理」と「オペレーション」を徹底している
繁盛店ほど、数字に強い傾向があります。
焼肉店は原価率が高いため、仕入れ管理と在庫コントロールをどれだけ徹底できるかが利益を左右します。
また、肉のカットや盛り付けを誰でも同じ品質でできるように「作業マニュアル」を整備している店舗は、ブレのない味とスピードを実現しています。
結果として、ロスを減らしながら回転率を上げることができるのです。
ポイント3. “体験”で差別化している
成功している焼肉店は、「ただ食べる場所」ではなく、「楽しめる空間」を提供しています。
たとえば、スタッフが目の前で焼いてくれる演出や、希少部位を部位説明付きで提供するなど、お客様が話題にしたくなる体験を意識しています。
こうした取り組みはSNSでも拡散されやすく、新規客の獲得につながります。
リピーターにとっても「また行きたい」と思わせる動機づけになります。
ポイント4. スタッフの意識が高い
焼肉店の印象は、料理の味だけでなく接客品質にも大きく左右されます。
元気な挨拶、気配りのあるサービス、清潔な制服――こうした基本が徹底されているお店ほど、客離れが少なく、口コミ評価も高い傾向にあります。
スタッフ教育を定期的に行い、モチベーションを維持できる仕組みを作ることが、長期的な成功につながります。
ポイント5. “利益より継続”を意識している
最後に、成功店の多くは「短期的な利益」よりも「長く続くお店」を目指しています。
派手な宣伝よりも、日々の品質・接客・仕入れの安定を重視する姿勢が、結果として信頼とファンを生みます。
焼肉店経営は日々の積み重ねがすべてです。
「誰に」「どんな価値を」「どう届けるか」を明確にし、地道に改善を続けることこそ、焼肉店成功の共通点といえるでしょう。
■ 「売上」より「利益率」を意識することが大切
売上を追うだけでは、経営は長続きしません。
人件費や仕入れが増えすぎれば、どれだけ繁盛しても赤字になることもあります。
重要なのは「どのくらい残るか」。
売上目標を立てる際は、原価・人件費・固定費を差し引いた“純利益”を基準にすることが大切です。
数字を見ながら日々のオペレーションを改善すれば、売上が安定していきます。
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■ まとめ ― 「1日の売上」は経営のスタートライン
焼肉屋の1日の売上は、規模によって15万円から100万円以上まで幅があります。
しかし、数字だけを追うのではなく、「自店の条件でどこまで現実的に達成できるか」を冷静に見極めることが重要です。
客単価、回転率、席数――この3つを基準に、自分の店の売上モデルを一度シミュレーションしてみてください。
数字の裏にあるオペレーション改善や顧客体験の質を高めていけば、確実に安定した経営へとつながっていきます。

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