開業支援マニュアル ラーメン屋編 Step06. 内装・外装工事

内装・外装工事

内外装を決めていくうえでも、やはり重要となるのがコンセプトです。
ご自身のコンセプトを現実化できる業者選びから費用に関すること、スケジュールなど内外装に関するポイントや注意点を説明していきます。
内外装工事に入る前には、近隣の企業や店舗に挨拶をおこなうようにしてください。通常は、元請の工事業者が行いますが、オーナーが一緒に行くことで心証が良くなります。
また、オープンの前には再度オーナーが挨拶回りをおこなってください。近隣と良好な関係を築けるかどうかは、商売に大きな影響を与えます。
内装工事業者は、飲食店の施工を中心に請け負っている業者を選ぶことがトラブル回避につながります。

開業スケジュール

前準備物件申し込みから引き渡し
約1〜2か月
内装・外装工事期間
約2、3週間〜2か月
工事引き渡し後
約1週間
オープン後
内外装内装業者の選定・現調概算見積内外装工事
※大方の目安です。大型物件や一からの建設の場合は該当しません。

業者の選び方

内装工事会社の種類

内装工事会社には、デザインを行う「デザイン・設計会社」、施工(工事)のみを行う「施工会社」、デザインと施工両方を行う「設計・施工会社」3つのタイプがあります。

1.デザイン・設計会社

デザイン設計会社は店舗の設計やデザインを手掛け、施工は別の会社へ依頼します。

メリット

  • デザインのプロであるため、ブランディングや動線も含めてデザインのクオリティが高い。
  • デザインと工事が別になるため見積りを数社からとって比較できる。
  • 監理と施工の役割分担がはっきりすることによってしっかりした工事監理を期待できる。

デメリット

  • デザイン・設計会社と施工会社の両方を選ぶ必要があるため、業者選びに時間がかかる。
  • デザイン・設計会社と施工会社の両方とのやりとりの手間が発生する。
  • デザインが気に入っても、予算をオーバーして諦めなければならない場合もある。

2.施工会社

自社内では基本的にデザイン設計は行わず、実際に施工する職人さんを管理する会社です。

メリット

  • 実際に施工する職人さんへ直接依頼するため、費用を抑えることができる。
  • 設計図をもとに複数の業者から相見積りを取ることで、金額や、工事内容を比較できるため、納得のいく業者を選定できる。
  • 居抜きで内装をほぼそのまま使う場合などは、スピードも早く、安くオープンを迎えることができる。

デメリット

  • デザイン設計も受注している施工会社は、外注している場合も多く、その場合二度手間が発生する上、外注先は自分で決められないため、好みのデザインにならない可能性がある。
  • 自社でデザインしていることもあるが、質という面では高くないこともある。

3.設計・施工会社

店舗のデザイン設計だけではなく、施工も自社できます。

メリット

  • 窓口が1つなため、設計から工事完了までの打ち合わせなどがスムーズにおこなえる。
  • 工事期間を短縮できる。
  • デザインと施工のズレが生じにくい。

デメリット

  • トータルの工事費が高くなる可能性がある。
    ※設計と施工を別々に依頼する場合は、安い施工会社を自分で探すことができるため

一括発注と分離発注

内外装工事をする際には、「デザイン・設計会社」と「施工会社」を別々に選ぶ「分離発注」と、設計から工事まで行える「設計施工会社」を選ぶ「一括発注」のどちらにするかを決める必要があります。

一括発注(「設計・施工会社」)がおすすめのかた

  • メンテナンス時などの連絡を簡単にしたい
  • 開店までの時間を短縮したい

分離発注(「デザイン・設計会社」+「施工会社」)がおすすめのかた

  • 価格や内容で「デザイン・設計会社」「施工会社」を価格や内容を比較して選びたい
  • デザインにこだわりたい
  • スケジュールに余裕がある

注意すること

内装工事業者を選ぶ際には、必ず飲食店の設計・施工経験が豊富な業者を選ぶようにしてください。
飲食店の内装工事をするためには、専門的な知識が必要になるため、知識や経験が浅い業者を選んでしまうと、いろいろなトラブルが発生してしまう可能性があるためです。

また、見積もりが出た後に工事中に追加工事が必要となる要因が見つかった際は、独断で進めずに必ず相談してもらうこと、料金を明確に提示することを前もって伝えておきましょう。

内装・外装工事に関する失敗談
店主

店主

建築・内装・電気屋と分離して工事した為、工事費が高くなった上に追加工事費もかかってしまい、予算よりも高くなった。

アドバイザー

アドバイザー

まとめて工事してくれる内装業者さんを探せばよかった。

店主

店主

全て自分で分離発注をしたので手間と時間がかかった

アドバイザー

アドバイザー

業者はまとめたほうが後々スムーズです。

店主

店主

防水工事をしなかった為、地下に水漏れした

アドバイザー

アドバイザー

古いビルの場合は配管が既存配管の劣化で、どこから漏れているか原因不明になることがある。 FRP防水だけでなく、場合によってはアスファルト防水をした方が良い事もある。

店主

店主

住宅専門の内装をしている知人がいたので、その人に手配をしてもらった。 内装も無事完成し営業していると、配管のつまりや、ガスの勢い等が弱く、何度も店を休業して調整をしてもらった。 話を詳しくしてみると住宅と飲食では配管の勾配や、ガス圧などが違ったようで不具合を起こしており、調整後に別途金額がかかった

アドバイザー

アドバイザー

内装屋を選ぶときは飲食店の実績を確認しておいた方がいい。どういう店をやったことがあるのか、 実際に足を運べるならそこに行ってみるのもいいかも

店主

店主

工事が終わったあと、仕込みを始めてすぐに、水道管が破裂して、調理が出来なくなった。熱に強い水道管を使っていなかったので、麺の機械の水道管が熱で破裂した。

アドバイザー

アドバイザー

飲食店の工事は、一般住宅とは別物。飲食店を何年も工事している、自分の業態を工事した事があるか、など 工事の依頼をする前に業者さんに確認する事が重要です。

店主

店主

フードダクトの業者を飲食店経験のない業者に頼んでしまい、導入したい機器を入れられなかった。

アドバイザー

アドバイザー

飲食店経験のある業者に依頼する

費用に関すること

工事費用は、居抜きかスケルトンかによって大きく変わってきます。

スケルトン物件の場合

15坪程度のスケルトン物件の場合で、おおよそ1坪当たり30~50万円というのが相場とされています。
飲食店の場合は厨房設備がかかるため、坪45~60万円が一応の目安と考えていいでしょう。
坪単価は一律ではなく、規模が大きくなるほど単価は低額になります。
※坪単価とは、1坪(3.3㎡)あたりにかかったコストのことです。内装工事で坪単価を出す場合は、工事費を店舗の床面積の合計で割った数字になります。

居抜き物件の場合

居抜き物件であれば、電気やガスなどの設備工事は不要ですから、大幅に費用を削減できます。
しかし、居抜き物件でも業種が違うと電気の熱量が足りない、ガスの火力が弱すぎるなど様々な不具合が生じて、追加工事が必要になることがあります。

内装工事

改装工事費用と設計費・設計監理費がかかります。
改装工事費用は一坪あたり平均して20~50万円程、設計費・設計監理費は工事費の5~15%程かかります。

デザイン設計
35万円~70万円程度。
デザイン設計は、デザイン設計専門の業者に依頼する場合と施工会社が一緒に行う場合とあります。

設計管理
25万円~50万円程度。

内装工事
50万円~150万円程度。
デザイン設計の業者と違う業者の場合、設計と一致しているかをこまめに確認することをおすすめします。

厨房工事
30万円~300万円程度かかります。
業態によって設備が大幅に変わるので、工事費用にも幅があります。

内装・外装工事に関する失敗談
店主

店主

厨房の内装に関して、厨房とバックヤードに段差がなく、掃除の際、水を流すとバックヤードが水浸しになった。

アドバイザー

アドバイザー

打合せ、引き渡しの際に内装の詳細をしっかり確認する。

内装会社からのワンポイントアドバイス

ベックスデザイン様

低コスト出店するには”施工箇所を減らす”事が大切!!
低コスト出店をする場合はとにかく施工箇所が少なくて良いテナントを探す事が大切です。
一見、コストが抑えられそうな居抜き物件であっても「厨房区画を変更したい」「解体したい部分が多い」等、施工箇所が多いとその分コストもかかります。
少し我慢をして営業できるのであれば、既存の設備や区画を活用し、事業が軌道に乗ってから希望通りに改装するのも手かもしれません。
施工会社と現場を見る時に、どうすれば施工費が抑えられるか相談してみるのもいいでしょう。

外装工事

外装工事とは、外壁の塗装や張り替え、お店の顔となる正面デザインや看板サイン工事など。店舗の広さやデザインにより差が出てきますが、外装工事費用の相場としては、約100万~200万円と言われています。
店舗の外観は重要な集客ツールの一つでもあるため、集客できる看板や正面デザインを考えることが必要です。

内装会社からのワンポイントアドバイス

ベックスデザイン様

お客様が入りたくなる”美味しそう”な外観が大切です。お客様はお店の外観を見る時に、無意識に「美味しそう」「おしゃれだな…」「デートで使えそう」など 
お店の評価をしています。今まで全く流行らなかったテナントなのに”美味しそう”な雰囲気のお店ができたら大繁盛…なんて事も珍しくありません!!
自己満足ではなく「お客様が気になるお店」を意識してデザインしましょう。

造作譲渡費用

造作譲渡費用は、居抜き物件の店舗にある内装や設備などのいわゆる造作物を、新しい借主が買い取る際の費用です。
造作譲渡費用を決めるのは実際に造作物にかかった費用や使用年数ではなく、物件の立地や集客力などによって設定されます。

減価償却

減価償却は建物や設備などの固定資産を耐用年数に応じて、何年かに分けて費用として計上することです。

内装・外装工事に関する失敗談
店主

店主

看板の工事が思っていた以上に高額になり、資金が足りなくなった。

アドバイザー

アドバイザー

看板の予算も最初から予算にいれておく。

店主

店主

厨房機器ばかりに目がいき、空調関係に意外と予算が掛かった。

アドバイザー

アドバイザー

空調関連も含めた、予算編成をする。

コンサルタントからのワンポイントアドバイス

宍倉 たける様

内装・設備は最小限にし必要なものとそうでないものの区分けがポイントになります。
内装を安くするポイントは仕上げ・化粧は『木』で見た目もよくデザインすることと厨房機器は意外とこんなものも自動でできるんだ…というものがあるので、作業動線を細かく決めることが大事です。
低コスト高リターンの始まりはここからです。

コンサルタントからのワンポイントアドバイス

DEF様

5年で返せる金額の範囲内にすることがポイントです。
始めた時に痛手を負わないように譲れないポイントに絞って工事してもらいましょう。
相見積は必須ですが、安いからいいとは限ません。

内装会社からのワンポイントアドバイス

ベックスデザイン様

最初に出てきた見積りが全てではありません!!
あくまでも施工会社が”必要だと思われる物”を想定して作っています。
完成した後に「これは必要なかったな…」「この仕上材、こんなに高かったのか…」などと後悔する事のないよう、しっかり見積りを確認し、不明点は質問してみて下さい。仕上材や、施工内容の変更でコストが下がる事もあります。
予算をオーバーしている場合などは、「○○万円の予算で抑えられる施工は可能ですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。
しかし、コストダウンし過ぎると店舗のデザインが希望とかけ離れてしまう事もあるので、その点には注意が必要です。

スケジュール

内装工事にかかる期間は、一般的には着工してから2・3週間~2か月ほどですが、物件の規模や状態によってはより多くの時間を要する場合もあります。 中には、日中の工事に制限があり夜間にしか工事ができない建物もありますので注意してください。

1. 内装業者との打ち合わせ(コンセプト提示)

店舗の場所、設備器具の仕様・状態、客席数や想定する回転数、提供するメニュー、イメージする店内の雰囲気などをはっきり伝えます。
予算を提示し、融資を受ける場合はその旨も伝えます。
コンセプトと内装のイメージを把握してもらうためには、言葉だけでなく、写真や画像などを示して、よりわかりやすく伝えるようにします。

2. パース(完成予想図)や見積りを提示してもらう

提示したコンセプトやイメージに応じて、パース(建物の外観や店内を立体的に描いたイメージ図)や店内のレイアウトなどを制作してもらいます。物件の内見時に、内装業者に同行してもらい現場調査をして概算見積もりを出してもらいます。
概算見積りは、数社を比較検討します。
※後々にトラブルにならないために、見積りを検討する際には追加工事の必要がないことを確認しておきましょう。

3. 業者を決定・契約

十分に検討した結果、施工会社を決定したら契約を締結します。
契約時に費用の半金を支払い、残りの半金は完成後に支払うのが一般的です。

4. 着工

契約が締結したら、デザイナーと施工担当者、依頼主の3者で打ち合わせを行い、着工という運びになります。
着工前に、消防署と保健所に前相談をしておきましょう。
また、工事を始める7日前までに「防火対象物工事等計画届出書」を管轄の消防署に提出する必要があります。
工事期間中は、できるだけ現場に足を運んび進行状況を確認し、変更したい箇所がある場合は早めに相談しましょう。早い段階であればやり直しがききますが、完成間近になってからでは対応してもらえないことがあります。

5. 完成・引き渡し

工事引き渡し前に、消防と保健所の検査があり、検査合格後に引き渡しとなります。
工事が完成したら、施工会社立会いのもとで点検を行います。
塗装のはがれ、壁のクロスの浮き、汚れやキズなどの有無をチェックし、必要であればその場で修整してもらいます。
その後引き渡しとなり、費用の残りを支払います。

保健所・消防署の検査
保健所の検査は、業態や場所などによってチェック項目が異なります。
消防署の検査は、消火設備・警報設備・避難設備・消防活動用設備が中心になります。
保健所と消防署の手続きは、施工会社に代行してもらうことができます。

内装工事に関する用語

平面図
いわゆる間取図のことで、床と水平の断面を図面にしたものです。平面図は設計に関わる最も基本となる図面です。
平面図では店の面積、入り口や窓といった開口部やショーウィンドウなどの位置および寸法がわかります。

パース(イメージパース)
遠近法を意味する英語パースペクティブの略です。建物の外観や室内を、遠近法を用いて立体的な絵にしてあるので、図面だけでは想像しにくい全体像をイメージするのに役立ちます。
パースは、物件の完成予想図に使われています。

ファサード
建物を正面から見た外観を意味する単語です。

A工事・B工事・C工事
工事区分の種類をあらわす言葉です。これらの工事には、誰がどの業者に依頼するのか、工事の費用を誰が負担するのかなどの違いがあります。

A工事
個別の店舗ではなくてビル本体に関わる工事で、ビルのオーナーが費用を負担してビル指定の業者に依頼するものです。

B工事
ビル指定の業者に店舗入居者が工事依頼をします。費用は入居者が負担しますが、所有権はビルのオーナーにあります。

C工事
入居者が費用を負担して工事を依頼します。業者は入居者が選び、所有権も入居者が持ちます。ただし、工事にはオーナーの承認が必要です。

内外装のポイント

内装

満足度の高いデザインにするためのポイント

1.店舗のコンセプト

デザイン会社の担当者と打ち合わせでは、しっかりとコンセプトを伝えるようにしましょう。

2.参考資料を集める

思い描いている店舗の完成イメージに近い店舗の写真や図面を目に見える形で用意しましょう。口だけで伝えるより目に見える形で伝えるほうが、デザイン会社の担当者に伝わりやすく、イメージの相違によるトラブルも回避できます。

ラーメン屋の内装で重要なこと

  1. お客様が入りやすいこと
  2. スタッフがスピーディーに移動できる動線を確保すること
  3. 効率がよく無駄のない厨房

スケルトンから内装設計を行う場合には、設計図面を引いてもらう際に、レイアウトだけでなく、席数の根拠、お客様の動線、スタッフの動線はこれがベターなのか、などを設計会社にしっかりと質問し、納得の上で進めるようにしましょう。

ホールと厨房の比率

  • 厨房40%:ホール60%・・・レストラン / 和食などの高級店
  • 厨房30%:ホール70%・・・居酒屋/イタリアン/フレンチ/ラーメン
  • 厨房20%:ホール80%・・・そば・うどん/焼肉/カフェ/バー

※トイレ・更衣室・バックヤードは「厨房」に含めた比率になっています
※15坪以下のラーメン屋でカウンター席のみだと厨房(ホール)比率50%と広めにするケースも多いです。
広々とした客席を作ることも大切ですが、スピードを求められるラーメン屋においては料理を早く出せるように厨房を広く作ることを優先したほうがよい場合もあります。

客席

ホールに対する席数の目安
  • ゆったり型/高級店舗・・・1.5~1.7席/坪  →※ラーメン屋ではあまりありません
  • 標準型/一般店舗・・・2.0席/坪
  • 狭くギッチリ詰め詰め型/大衆店舗・・・2.5~3席/坪単価は一律ではなく、規模が大きくなるほど単価は低額になります。

計算式

店坪数 × ホール比率 (業種) × 1.5~3(ホールに対する席数の目安)
  例)20坪のラーメン屋で一般的な店舗
    20坪 × 70% × 2.0 = 28席
    ※あくまでも目安です。

席数の一般的な適正は1坪あたり1.5席とされていますが、ファストフードやラーメン屋のように滞在時間の短い業態は、1坪あたり2席が目安とされています。
コンセプトのターゲットによって、カウンター席のみにするのか、2人掛や4人掛テーブルを用意するのかを決めましょう。
テーブルを配置する場合は、人数に応じてテーブルをつなげるなどの対応がしやすいように配慮してください。

動線の確保

テーブル席を配置する際に気を付けることは、効率のよい動線を確保することです。(動線とは、店内でスタッフが移動する方向や頻度などを示す線のことです。)

  • 注文時と配膳時の客席と厨房間の移動
  • レジでの会計業務とお客様の送迎
  • テーブルの上を片付ける

上記のような作業をスムーズに行えるかで、回転率に差が出ます。
通路の幅は、お客様と楽にすれ違うことができるよう60cmはとるようにします。

コンサルタントからのワンポイントアドバイス

阿部 大様

動線次第で人件費が変わるので調理動線やサービス動線はとことんまで考えたほうがいいです。
また、席数が多い時は下膳の動線をしっかり決めましょう。

レイアウト

カウンターは機能性抜群
ほとんどのラーメン屋に設置され、とても機能性が高いのがカウンターです。以下のようなメリットがあります。

  • 一段高い位置に割り箸や醤油、薬味を置き、料理の受け渡しもできるため、片付ける手間も最小限ですむ。
  • テーブル席だけの店舗に比べれば少ないスタッフで回すことができるため、人件費の削減にもなる。
  • お客様とカウンター越しに会話を交わすことができるので、親近感をもってもらえる。
  • お客様の反応をダイレクトに知ることができる。
オープンキッチンのメリットとデメリット

メリット

  • 湯切りをしたり、中華鍋を振るダイナミックな動きを、ライブ感覚で楽しんでもらえる。
  • 調理の過程をオープンにすることでお客様に安心感、信頼感をもってもらえる。
  • 従業員は衛生管理の意識が高まる。
  • お客様とカウンター越しに会話を交わすことができるので、親近感をもってもらえる。

デメリット

  • 厨房内がお客様に見られるため、全て新品の厨房機器を揃えるなど初期投資が大きくなりやすい。
  • 気化した油や煙が客席に流れていかないようにするための設備費用がかかる。
  • たえず整理整頓を心がけなければならないので、気が休まらない。

オープンキッチンにするかどうかは、お店のコンセプトに合わせて判断することが大切です。
ビジネスパーソンをターゲットに、活気のある店づくりをコンセプトにしているのであればオープンキッチンのほうが適しています。
カップルやシニア層など、落ち着いた空間を好むお客様が多いお店であれば、調理の音や食器の触れ合う音が届かないクローズドキッチンが向いています。

厨房

厨房での作業動線の確保

使い勝手のよい厨房とは十分なスペースがあり、水回りや床が整備されていることです。
ラーメン屋の厨房にはゆで麺機、スープレンジ、ガスコンロ、冷凍冷蔵庫、コールドテーブル、2層シンク、グリストラップ、従業員用手洗い器などがあります。
麺をゆでるところから最後にトッピングして提供するまでの作業をスピーディーにこなせるように、動線や作業効率を考えてレイアウトします。
餃子やチャーハンなどのサイドメニューは調理スペースを別にして、動線が交差しないようにすれば効率はさらにアップします。

床は、湯切りをするため常に濡れているうえ、油や醤油、酢などが飛び散って滑りやすいうえ、酸化したコンクリートの凹には雑菌が繁殖状態になっています。
それを防止するには「ウレタン系塗床材」が有効です。抗菌性があり、衝撃にも強い床材で、最近は多くのラーメン屋やうどん店で採用されています。

内装・外装工事に関する失敗談
店主

店主

壁に耐震固定をしたときに、業者が壁の中のガス管に穴をあけてしまった。オープンが1ヶ月伸びた。

アドバイザー

アドバイザー

厨房屋さんと設備屋さんの打合せを十分に行ってもらう。

コンサルタントからのワンポイントアドバイス

阿部 大様

厨房レイアウトする前にメニュー構成を決めておくと配置が決めやすくなります。
また、ドリンク場の効率化は重点的に。製氷機、シンク、グラス棚や冷蔵庫は三歩以内にすることがポイントです。

外装

満足度の高いデザインにするためのポイント

1.店舗のコンセプト

デザイン会社の担当者と打ち合わせでは、しっかりとコンセプトを伝えるようにしましょう。

2.参考資料を集める

思い描いている店舗の完成イメージに近い店舗の写真や図面を目に見える形で用意しましょう。
口だけで伝えるより目に見える形で伝えるほうが、デザイン会社の担当者も伝わりやすく、イメージの相違によるトラブルも回避できます。

外装のポイント

ラーメン屋の外装工事は、内装工事とはまた違った狙いで「視認性」や「集客」を考慮してデザインなどを考える必要があります。

1.外壁を広告として利用する

ラーメン屋の外装工事でよく使われるのが、外壁を利用したラーメン屋の広告です。
外壁、壁一面もしくは一部を広告として利用することで視認性を高め、道を歩く人達の印象に残るようにします。
外壁の広告には、道を歩く人達の興味を惹くような一言を加えることで、より集客効果が狙えます。

2.店舗周辺の環境に合わせる

立地条件によって、看板サイン工事や外装工事には気を遣いましょう。
周辺環境に合わせて、ご自店の周辺の環境を考慮し、より視認性が高く、より伝わりやすく、そしてよりわかりやすい外装デザインにすることが必要です。

集客アイテムの活用

行ったことのないラーメン屋であれば、外観やのれん、看板といったアイテムで判断されます。つまり、この部分をしっかりと整えていけば、集客に繋げることも可能です。

看板

ラーメン屋の顔となる部分です。看板は、集客の大きな役割を担い、重要なポイントとなります。
看板には、「入り口前の看板」と「建物の上の看板」の2種類があり、それぞれおすすめとなる看板が異なってきます。

建物の看板

建物の看板は、お客様への目印となります。
大きさ、位置、高さ、色など様々な場所から調べ、確認して設置しましょう。
そして、店の第一印象を決めるポイントにもなっているので「目立つ場所」に「目立つデザイン」で店の名前を入れるようにしましょう。
特に以下の点を心がけてください。

  1. 人の目につきやすいデザインである
  2. 一目でラーメン屋と分かるデザインである
店の前の看板

店の前の看板の場合だと、特に店名を入れたりする必要はありません。
情報を発信のツールと考え、ご自店のウリとなる情報が表示しましょう。
シズル感のあるメニュー写真で訴求したり、価格を表示すると安心して入店してもらいやすくなります。

のぼり

のぼり旗は、遠くからでも目立ち、風で揺れることで人目を引くことができます。 同じ場所に長期間設置することで、人々の記憶に残りやすく、宣伝効果が長く期待できます。
また、比較的安価で作ることができるので手軽に始めることができます。

のれん

のれんは丈の短いのれんを選びましょう。初めて入るラーメン屋の場合だと中の様子が気になり、店内の様子が確認できると安心して入店できるものです。
 のれんは開店時にお店の入口に掲げ、閉店時に下げる使い方が一般的なので、営業時間を知らせる役割も果たします。

提灯

お店の演出、宣伝に一役買います。中に電球を灯せば、夜間の訴求効果も高まります。

内装・外装工事に関する失敗談
店主

店主

大手チェーン店を真似てファミリー層を狙いお座敷席を作ったが配膳や掃除のときに靴を脱がなければならず生産性非常に低くなった。

アドバイザー

アドバイザー

テーブル席で十分だと思う。

店主

店主

外装にお金をかけて、内装にはあまりお金をかけなかったら、写真でのギャップがありすぎた。

アドバイザー

アドバイザー

居抜きでも、最低限の内装にも費用をかけるべき。今はSNSでの集客につながるため、見た目も大事。

店主

店主

複数店舗経営のオーナー様が、先に厨房機器を決め、内装業者の手配をかけた。 本来ならば納品後にカウンターを設置し予定だが、工期が早まったので先に造作してしまい、納品時に一度分解して搬入した。

アドバイザー

アドバイザー

商品の寸法やサイズなどはオーナー様のほかに内装業者様にも共有する。

店主

店主

丼の高さを計算しておらず、テーブルの高さが高くなってしまった。

アドバイザー

アドバイザー

事前に規格の寸法を確認してもらう

店主

店主

オープン当日、届いたテーブルの色がイメージと全然違いました。

アドバイザー

アドバイザー

写真での判断ではなく、何かしらサンプルを取り寄せて貰ってから決定します。

店主

店主

通路が狭く、従業員がすれ違うとぶつかる

アドバイザー

アドバイザー

従業員の調理や配膳の流れも考えて厨房をつくるべきだった。

店主

店主

ガラス張りの店舗で、冬になるとガラスが曇って見えない

アドバイザー

アドバイザー

換気、吸気の工事不良があったので、事前に打ち合わせ、特にガラス張りでラーメン業態は注意して聞くようにする

店主

店主

店舗の見え方として、近隣の飲食店の看板が邪魔をして自分のお店の看板が目立たない状況だとオープンしてから気が付いた。

アドバイザー

アドバイザー

近隣の飲食店がオープンする時間帯にお客様目線で散策することによって各店舗の看板位置や人通りの多さなどを調査する。

店主

店主

エアコンをケチって小さい容量を入れたため、夏に「暑い」と大クレームでグーグルの口コミにも書かれてしまった。

アドバイザー

アドバイザー

きちんと業者に相談する。

店主

店主

最初はなるべく費用を抑えて、儲かったらお金をかけて直せばよいと思った。 実際ボロボロで小汚くても流行っている店はあるのだし、きちんと掃除をして綺麗にすれば多少の問題は大丈夫と思った。 だが壁紙や床材も写真やカタログで見るイメージとは違うしそれはお客さんにも働く従業員にも違和感になって印象に残ったのかうまくいかなかった。

アドバイザー

アドバイザー

せめて実際に使用する素材などを使用している店舗に赴き、仕上りを目で見て確認するべきだった。

店主

店主

お客さんの荷物を置く場所を考えてなくて、オープンしてから荷物置きが必要だと気づいた。場所を追加で用意出来なかったので、荷物を入れられるイスに交換するはめになった。

アドバイザー

アドバイザー

飲食店の工事経験があまりない方に依頼すると、重要な部分を見落として工事してしまう事があります。経験豊富な業者に依頼する事、または自身で他の店をたくさん回って細かくチェックして、要望を業者さんに伝える事が重要です。

店主

店主

デザイン性の高いサイン工事を選択したが、目立たず。

アドバイザー

アドバイザー

基本的なのぼりで対応した。

店主

店主

看板を大きく建てたつもりだったが、片側車線からしか見えていなかったため集客がうまくいかなかった

アドバイザー

アドバイザー

両側の車線から見えるように設置する。大通りに設置する。

お問い合わせ

テンポスドットコムでは飲食店内装工事業者のご紹介、厨房機器一式見積りも承っております。

飲食店ではBGMも大切です。USENと契約することでお店に最適なBGM環境を作ることができます。
忘れてはならないのが通信回線。できるだけ速く経済的に通信環境を整えるならビジョンです。