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「調理に興味」で始めたはずが現実は過酷。業務設計の見直しが人材不足解消の鍵に
アイエスジー株式会社の環境事業部では、20~30代で飲食店の厨房にてアルバイト経験がある方を対象に、「飲食店厨房アルバイトのやりたくない仕事ランキング」に関する調査を行いました。
人手不足が深刻化する飲食業界では、アルバイトが担う役割の大きさが増す一方で、悪臭や汚れのある厨房内の清掃業務も任されることが多く、それが離職やモチベーション低下を招く要因にもなっています。
実際に、飲食店の厨房でアルバイトをした経験がある方たちは、この業務をどのように捉えているのでしょうか。
また、その負担を軽減し、人材の定着を図るにはどのような工夫が求められているのでしょう。
そこで今回、アイエスジー株式会社(https://www.isgnet.jp/)は、20~30代で飲食店の厨房にてアルバイト経験がある方を対象に、「飲食店厨房アルバイトのやりたくない仕事ランキング」に関する調査を行いました。

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概要
調査概要:「飲食店厨房アルバイトのやりたくない仕事ランキング」に関する調査
【調査期間】2025年5月23日(金)~2025年5月26日(月)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)
【調査人数】1,003人
【調査対象】調査回答時に20〜30代で飲食店の厨房にてアルバイト経験があると回答したモニター
【調査元】アイエスジー株式会社(https://www.isgnet.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
飲食店の厨房で「やりたくない」業務の第1位は?

はじめに、「飲食店の厨房で働こうと思った理由」について尋ねたところ、『調理の仕事に興味があったから(44.7%)』と回答した方が最も多く、『飲食業の経験を積みたかったから(33.1%)』『接客よりも裏方の仕事の方が合っていると思ったから(31.7%)』と続きました。
「調理への関心」や「経験を積みたい」といった回答は、将来的な目標やスキル習得への意欲を反映していると考えられます。
一方で、「接客よりも裏方志向」という回答も多く、コミュニケーションよりも業務を重視する傾向も見られました。
厨房業務といってもさまざまな作業がありますが、その中でも「やりたくない」と感じたものは何だったのでしょうか。
「厨房業務の中で、「やりたくない」と感じたもの」について尋ねたところ、『グリストラップの清掃(45.0%)』と回答した方が最も多く、『排水口のヘドロ掃除(40.0%)』『床の油汚れ掃除(31.6%)』と続きました。
衛生面や肉体的な負担が大きい業務に対して抵抗感があること、特に、「ニオイ」「汚れ」「手間」が絡む業務が上位に並び、厨房内の「清掃」が敬遠されがちであることがうかがえます。
そのような業務の頻度が高いことで、アルバイトを辞めたくなったことなどはあるのでしょうか。
厨房業務の中で、「やりたくない」と感じたものを回答した方にうかがいました。

「「やりたくない」業務の頻度が高く、アルバイトを辞めたくなったことや、実際に辞めた経験はあるか」と尋ねたところ、約6割が『ある(63.0%)』と回答しました。
約6割が「辞めたいと感じた」「実際に辞めた」と回答しており、業務内容と離職の相関性が無視できないレベルにあることが明確です。
これは、労働条件以前に業務の心理的・物理的負担が労働継続意欲を低下させている可能性を示しており、不快感の強い作業が日常的に割り当てられる職場では、離職意向を高める要因となっているといえるでしょう。
グリストラップ清掃経験者の約9割が不快と回答
次に、グリストラップ清掃の担当経験について聞きました。

「グリストラップの清掃を担当したことはあるか」と尋ねたところ、『ある(75.4%)』『ない(24.6%)』という回答結果になりました。
約8割が、グリストラップ清掃という負荷の高い業務を経験しており、この高い経験率は、グリストラップ清掃が従業員の日常業務として広く認識されていることを示す反面、離職要因やストレス要因となっている可能性もあります。
では、グリストラップの清掃を担当したことがない方が抱くイメージはどうでしょうか。
前の質問で『ない』と回答した方に、「グリストラップ清掃のイメージ」について尋ねたところ、『ニオイがきつそう(33.6%)』と回答した方が最多で、『ヌメヌメしていて触りたくない(19.8%)』『油や生ゴミがたまっていて処理が大変そう(16.6%)』となりました。
ニオイや触感などが挙がり、業務の必要性よりもまず感覚的な不快さが強い傾向が見て取れます。
また、職場内での「やりたくない仕事」という認識が共有されていることも、業務へのモチベーション低下に影響している可能性を示唆しています。
では、この負荷の高い清掃業務に対して、どのような教育がなされていたのでしょうか。
ここからは、グリストラップの清掃を担当したことが『ある』と回答した方にうかがいました。

「グリストラップの清掃方法について、事前に十分な説明や研修があったか」と尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『しっかり説明があった(38.7%)』
『簡単な口頭説明だけだった(51.1%)』
『説明がなく、見よう見まねでやった(10.2%)』
十分な説明があった方は約4割にとどまり、『簡単な口頭説明だけだった』『説明がなく、見よう見まねでやった』が多いことから、業務の重要性に反して教育体制が不十分である実態が明らかになりました。
では、実際に清掃を行った際、不快に感じた方はどの程度いるのでしょうか。
「グリストラップ清掃時の不快感」について尋ねたところ、約9割が『かなり不快感があった(39.9%)』『少し不快感があった(47.0%)』と回答しました。
「かなり」と「少し」の割合に程度の差はありますが、ほとんどの方が心理的に抵抗があったようです。
こうした結果から、グリストラップ清掃が単なる面倒な業務を超えて、アルバイトにとっての強いストレス源となっていると思われます。
グリストラップ清掃の際にどのような部分が不快だったのか、具体的に聞きました。
■グリストラップ清掃時に感じた不快感とは?
・におい、見た目がよくない(20代/女性/兵庫県)
・油のギトギトとにおいがきつくて不快だった(30代/男性/神奈川県)
・汚れがこびりついて落とすのが大変だった(30代/男性/山形県)
・ベタつきが取れにくく、靴やズボンに油がつくことがあった(30代/男性/神奈川県)
グリストラップ清掃における不快感が、「五感への負担」に強く基づいていることが見て取れます。
「ニオイ」「見た目」など、視覚・嗅覚・触覚に訴える要素が複合的に作用しており、「油のギトギト」や「ベタつき」「落としにくさ」といった要素が、作業の手間以上に、心理的・身体的ストレスの強さを反映しているといえるでしょう。
約9割が「専門業者に依頼すべき」と回答!その理由は「衛生面の向上」
では、グリストラップの清掃は専門の業者に依頼するべきだと思う方はどの程度いるのでしょう。

「グリストラップの清掃は専門業者に依頼するべきだと思うか」と尋ねたところ、約9割が『とてもそう思う(41.2%)』『ややそう思う(45.4%)』と回答しました。
専門業者への委託は、清掃作業の質だけでなく、アルバイトの心理的な負担を軽減する手段として広く支持されていることがわかります。
では、専門業者に依頼することで、どのような効果が期待できると思うのでしょうか。
前の質問で『とてもそう思う』『ややそう思う』と回答した方に、「グリストラップの清掃を専門業者に依頼することでどのような効果が期待できると思うか」と尋ねたところ、『清掃作業の質や衛生面が向上する(59.0%)』『清掃にかかる時間を短縮できる(44.8%)』『厨房内の悪臭の改善につながる(39.8%)』などが上位になりました。
専門業者に依頼することで、衛生管理の質が向上することへの期待が最も強く、次いで時間的・心理的な負担の軽減が挙げられました。
また、作業の効率化にとどまらず、アルバイトの「離職防止」や「モチベーション向上」という回答も一定数見られたことから、グリストラップ清掃という特殊な作業を外部の専門業者に委託することで、人材の定着率も高まっていくでしょう。
まとめ:アルバイトの約6割が辞めたくなった飲食店の厨房業務の実態が明らかに!
今回の調査で、多くの方が「調理への興味」や「経験の蓄積」といった前向きな理由から厨房勤務を選んでいたにもかかわらず、実際の現場では「やりたくない業務」の存在が心理的負荷として強く影響し、離職意向にまで結びついていることが浮き彫りになりました。
「やりたくない」と感じた業務の上位に挙がったのは、「グリストラップの清掃」「排水口のヘドロ掃除」「床の油汚れ掃除」といった、身体的・感覚的負担の大きい作業が中心です。
特に、グリストラップ清掃は「ニオイ」「ヌメり」「汚れが落ちにくい」といった多面的な不快感が集中しており、経験者の約9割が「不快だった」と回答するなど、業務への拒否反応が顕著でした。
加えて、そのような業務に対して「簡単な口頭説明しかなかった」「見よう見まねでやった」といった回答も目立ち、教育体制の不備も大きな課題として浮き彫りになりました。
こうした「やりたくない」業務を理由に辞めたいと感じた、あるいは実際に辞めた経験があるという回答が約6割を超えていたことからも、心理的負担が人材定着に与える影響は見過ごせません。
そのような経験から、約9割が専門業者への依頼に肯定的であり、「衛生面の向上」「時間の短縮」「悪臭の改善」「離職防止」「モチベーションの向上」といった効果が期待されています。
業務の一部を外部に委託するという選択は、飲食業界の人材不足問題を解消するための有効な手段となることが示唆されました。
調理スキルの習得を目指す若年層の意欲を損なうことなく、安全かつ衛生的で持続可能な労働環境を整えることが、今後の飲食業界における最重要課題の一つといえるでしょう。
出典:アイエスジー株式会社

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