開業支援マニュアル 焼肉屋編 Step00. はじめに

はじめに

メリット・デメリット

焼肉屋の開業にあたってのメリット・デメリットをご紹介します。

焼肉屋を開業するメリット

1. 老若男女問わず幅広い世代に人気の業態
焼肉は、子どもから大人まで年齢や性別を問わず好まれるメニューです。そのため、市場が安定しています。元より人気のあった焼肉ですが、”肉ブーム”が到来により、”肉フェス”など肉をテーマにしたイベントや「熟成肉、赤身肉、ジビエ」など食のトレンド発信も多く、焼肉業界の更なる成長にもつながっています。

2. 特別な日の外食などで安定的に利用される定番の業態
焼肉屋は、誕生日などの記念日や学校行事の後に外食に選ばれることが多く、外食市場の低迷に影響を受けにくい業態だといえます。一番の魅力は、自分のこだわりを詰め込んだ、思い通りの店を作れるところでしょう。お肉好きの顧客による”一人焼肉”ブームも焼肉業界の新たな需要となっています。


3. 他の業態と比較して、圧倒的に客単価が高い

焼肉は、コースや複数のメニューを注文されることが多く、ドリンクの注文も受けやすいため、他の業態と比較すると圧倒的に客単価が高い業態と言えます。


4. 調理の手間の低減と、調理スタッフが少なく済むため人件費の削減ができる

主にお客様自身が調理(肉を焼く)する、セルフクックスタイルですので、調理の手間や調理スタッフの削減が可能です。

焼肉屋開業のデメリット

1. 大手の焼肉チェーン店が台頭し、個人店は押されぎみ
好調な焼肉業界は、外食産業では注目の業態となっているため、大手チェーンの出店も相次いでいます。

2. 必要とする設備が多く、初期費用が高くなりがち
焼肉屋は、テーブル一台ごとに無煙ロースターや七厘フードといった調理器具が必要なうえ、吸排気設備や、それを設置するためには屋外の排気ダクト工事が必要なため初期費用が高額になりがちです。機械を導入する場合、製麺機や周辺機器を揃えるだけでも多くの費用がかかります。

3.  業界全体での人件費や食材の高騰
飲食業界全体おいて、人件費および国産牛など食材の高騰によるコスト増加の傾向が続いています。そのため、業務の効率化やコストダウンなど対策を講じる必要があります。

4. 消費者の節約志向と中食市場の拡大
背景には消費者の強い節約志向、内食および弁当や総菜などのテイクアウトやデリバリーなど中食市場の拡大により、外食産業の成長は鈍化しています。どのような点で失敗しやすいのか、また成功するためにはどこに気をつけるとよいかをご紹介いたしますので、リスク回避の材料にしていただけたらと思います。

失敗と成功の分岐点

成功のポイント

どのような点で失敗しやすいのか、また成功するためにはどこに気をつけるとよいかをご紹介いたしますので、リスク回避の材料にしていただけたらと思います。

1. 業態の現状の把握

事前の準備・調査が重要です。

競合の多い焼肉業界で生き残っていくためには、焼肉業界の現状の把握や市場調査が重要になります。
どのような焼肉屋にするかが決まったら、出店予定エリアの競合店調査を行いましょう。

競合店調査では、①どのような飲食店が繁盛しているか、②内外装やスタッフの接客、③メニュー内容、④平日と休日、時間帯別や曜日別のお客様の動向などを調べます。

2. 明瞭なコンセプトの設定

メインとなるコンセプトを設定することはとても重要です。ブレのないコンセプトは、顧客の心をつかみます。
焼肉屋といっても、客単価2000円程のリーズナブルな店舗から、客単価数万円の高級店まで様々に展開されています。
成功している既存する店舗では、安さに特化した店舗や、「熟成肉」「希少部位」などを扱った高級店など専門性を持った店舗の2極化が進んでいます。
どのような人たちをターゲットとするか、出店する地域や内外装、メニューなどコンセプトから逸れないことが大事です。

3. 資金計画

焼肉屋の開業は、印象業態の中で開業資金が高額になりやすい業態です。焼肉屋開業に必要な設備や厨房機器・備品を揃えるためには、前もって計画を立てましょう。

4. 衛生管理

お客様は、お店の「メニューや味」「価格」に次いで「安全性」や「清潔感」を重要視されます。焼肉屋は内装を清潔に保つことが難しいですが、衛生的でないお店はいずれ潰れることになります。衛生面のチェックやメンテンナンスは怠らないようにしましょう。

失敗しやすいポイント

どのような点で失敗しやすいのか、また成功するためにはどこに気をつけるとよいかをご紹介いたしますので、リスク回避の材料にしていただけたらと思います。

1.こだわりすぎて初期投資が大きくなりすぎる

事前の準備・調査が重要です。

競合の多い焼肉業界で生き残っていくためには、焼肉業界の現状の把握や市場調査が重要になります。
どのような焼肉屋にするかが決まったら、出店予定エリアの競合店調査を行いましょう。

2. 十分な運転資金を用意していない

飲食店経営には、ランニングコスト(運転資金)が掛かります。お客様が定着し軌道に乗り始めるまでは、一般的に半年以上かかると言われています。運転資金が尽きてしまうと、高額の投資をして開業した店舗の「廃業」を余儀なくされてしまいます。多く借りて不要となった分は前倒しでも返済できますので、1円でも多く借り入れし、運転資金は最低でも6ヶ月分は用意しておくようにしてください。

3. しっかりシミュレーション出来ていなかった

開店後想定していた程お客様が来ないという状況になる可能性の方が高いということを覚悟しておきましょう。
最悪なケースの想定もしておくことは必要でしょう。経営していく上では『柔軟な判断』も必要となってきます。

3. 人手不足

飲食業界は人手部不足の状態が長く続いています。スタッフを確保できず営業がままならなくなり、繁盛していたにも関わらず閉店を余儀なくされたというオーナーのお話はよく聞きます。求人をしてもなかなか人が集まらず、飲食業界は「人手不足」に悩まされています。

人手が足りなければ、その負担が他のスタッフにかかってしまうため、労働環境の悪化→離職→新しく人が入っても定着しない→サービス低下によるお客様離れ・・・と負のスパイラルに陥ってしまいます。人口減少、人件費の高騰という課題は今後ますます続いていくでしょう。そのため、より少ない人員で運営できる体制づくりや、省力化を考えた店舗づくりは必須項目です。人口減少、人件費の高騰という課題は今後ますます続いていくでしょう。そのため、より少ない人員で運営できる体制づくりや、省力化を考えた店舗づくりは必須項目です。

3. 当初の開業理念が薄れてしまう

開業から数年たち経営が軌道にのってくると、開業当初の集客の必死さや、顧客満足の追及が薄れてしまいがちです。

リピーターが離れることの無いよう大事に育てつつ、新しい顧客獲得をしていく必要があります。
経費削減のつもりで、材料の質を少しずつ落としたり、従業員の人数を減らすことを安易に行わないようにしてください。

利益の追求に走った料理の味や接客サービスの質の低下には、必ずお客様に気付かれます。
一度離れてしまったお客様を再び取り戻すのは容易ではありません。



同業態での経験の必要性

焼肉は、複雑な調理の必要がなく、始めやすい飲食業態と思われるかもしれません。しかし、開業前に焼肉屋で働くというステップを踏むことで、失敗するリスクを大きく減らすことができます。修行の期間は最短でも1年、個人のスキルや店によっては数年かかることもあるでしょう。しかし、将来開業することを考えれば、その経験は決して無駄にはなりません。人気の焼肉業界を生き抜くためには、まずはしっかりと現場での経験を積み、肉に関する知識、仕入れ先、経営ノウハウなどのスキルを身に着けておきましょう。焼肉屋に関することを学べる教室やセミナーを活用するのも1つでしょう。

焼肉屋では、肉の良し悪しが経営に大きく影響します。仕入に関するコネクションがなったり、経験や肉に関する知識が少ないと、質の悪い肉しか手に入らない場合もあります。肉に関する知識や人脈を作る上でも、実際に焼肉屋で経験を積み、仕入先や実際に食肉センターや産者、競合他社へ行って勉強しておくことが重要になります。

身につけられるスキル

  • お肉に関する知識
  • メニューの作り方
  • メニュー以外の業務
  • 雇用や経理、宣伝といった経営のノウハウ
  • 調理器具の扱い方
  • 回転率、平均客単価

3つの開業方法

単独店とFCとVC

開業するには、単独で開業する以外にもフランチャイズ、ボランタリーチェーンと3つの方法があります。
それぞれの違いをご紹介いたしますので、メリット・デメリットを見極め、ご自分に合った方法での開業を考えてください。

開業方法1:単独店

メリット

最大のメリットは、全てを自分のイメージに合わせて店作りできるという点です。メニューはもちろん、店内の内装や家具、サービス内容に至るまで、自分の思い通りに揃えていくことができます。
また、自身の求める素材や味を納得のいくまで追求し、こだわることができる自由度の高さがあります。

デメリット

開業手続き、開業資金と物件の確保、店舗の設備や調理道具・食器購入、仕入れ先や人材の手配など、開業するために必要なことはたくさんあり、全てを自分でやらなければいけません。
また、個人店の場合は、自店のPRのための営業スキルも求められます。

開業方法2:フランチャイズ(FC)

フランチャイズとは、親企業からブランド名、確立されたサービスや商品を使う権利をもらい、その対価をフランチャイズ本部に支払い営業する仕組みです。

メリット

未経験でも開業できる

通常自分で店舗を持とうとすると、まずはその職種に関する業務や経営の下積みや経験が必要となります。 フランチャイズでは、仕入れ・販売・集客・採用・商品開発などをパッケージ化し、経営や運営についてのノウハウ提供や研修制度の充実、 業務がマニュアル化など基盤がしっかりと整備されていることが多いので、全くの未経験でも店舗運営が可能になっています。
店舗数が多いほどノウハウの蓄積も多いため、本部からのサポートの制度がより高くなることが期待できます。

資金の融資が受けやすい
フランチャイズで開業する場合も資金が必要です。開業資金は、加盟するフランチャイズによって違いますが、安いところで100~200万円、高いところでは2,000万円以上です。
フランチャイズに加入するには、100~300万円程の加盟金が必要ですが、中には加盟金が0円のところもあります。
自己資金を十分に準備できていない場合は融資を受けることになりますが、大手企業のチェーン店として申請をすれば融資を受けやすくなります。
また、フランチャイズでは、本部側で大量に購入するため安く購入できるので、内外装工事費、食材、食器、備品、什器などの初期費用を単独店より抑えることができます。 

リスクの軽減
本部が開発した仕入法・調理法・接客やサービスのマニュアルなどの経営ノウハウについて事前に研修を受けてから開業できます。そのため、個人で開業する場合と比べてビジネスリスクははるかに低くなります。
本部の販促活動支援に加え、知名度が高いほど集客力が高いため、宣伝広告費にかける費用を抑えることができます。
設備の面でも、過去の店舗の実績に基づいた、最適化された店舗設計や備品の提供を受けることができます。

継続的なサポート
加盟店の売上を伸ばして経営を安定させるために、定期的・長期的に 本部から担当者が訪れて支援を行います。加盟店側はスタッフの育成や業務改善などについて相談に乗ってもらえるので安心です。
全店舗の食材・備品を一括で仕入れて各加盟店に供給していることがほとんどなので、全くゼロから仕入先を探し購入するよりも、手間・価格ともに小さくなります。また、フランチャイズによっては、「セントラルキッチン」とよばれる工場での一括仕込みをおこなっており、料理の味の均一化と店舗での省力化が可能になります。 
 その他にも、経営上重要な「集客」を、本部が主体で宣伝活動を行ったり、本部から加盟店へのチラシの配布・アドバイスなどの支援も受けることもできます。

デメリット

加盟金・ロイヤリティーなどの支払い義務
様々なノウハウやサービスを受け取る代わりに、加盟店オーナーは『ロイヤリティ』を本部に支払わなければなりません。
利益に関係なく、家賃や光熱費、材料費に加えて本部にロイヤリティーを支払わなければならないため、大きな負担になることがあります。
そのブランドに加盟するにあたり、適当だと思えるロイヤリティを設定しているフランチャイズを選ぶことが重要です。
フランチャイズで飲食店を開業するには、さまざまな諸費用を支払う必要があります。加盟者が支払う費用の例は次の通りです。

  • 加盟金:契約時に、本部から商標やブランドを提供してもらうため必要となる初期費用
    (小型店舗では100万前後、大型店舗では300~500万程が相場。中には加盟金0円のところもあり)
  • 保証金:ロイヤリティや仕入費用等の担保金
    (保証金は債務がなければ、契約終了後に返還されるのが一般的)
  • 店舗取得費用:物件費用、内外装設備費用、消耗品費などお店作りに必要な資金
    (加盟金なども含めて1,000万円以上の開業資金が必要。本部が負担する場合は、300万~500万円前後で開業可能)
  • ロイヤリティ:ブランド使用権や、指導・援助を受けるために定期的に支払う費用
    (毎月売上の4~5%程度の支払いが一般的。「月額固定」「ロイヤリティ不要」のところもあり)

上記の他にも研修費や開業準備金などの費用が発生する場合もあります。

経営の自由度が低い
フランチャイズは、ブランドイメージの保守・経営効率の向上のため、多くの制限を設けています。
契約期間中は自店でのオリジナルメニューの提供や、独自の販促キャンペーンなど本部の方針から外れた運営を行うことはできません。
地域性や客層に合わせた独自メニューの開発やサービス展開は、オーナーの独断ではできない可能性が高いです。
自分の好きなように店舗経営を行いたい場合は、自由度が低いフランチャイズは向いてないといえます。

ブランド毀損による影響を受けやすい
フランチャイズのメリットはそのブランド力ですが、ひとたびブランドに傷がつくと全加盟店が影響を受け、イメージダウンは免れません。たった1店舗の不祥事で、全店舗がマイナスの影響を受けてしまうことが起き得ます。SNSなどでの情報拡散が瞬時に起こってしまうネット社会の現代では、そうしたリスクもあることを認識しておく必要があります。

競合避止義務や契約期間の存在 と守秘義務
各フランチャイズ本部は、契約期間を設けています。契約途中に契約解除する必要が出た場合は、違約金を支払う義務が生じます。
通常、フランチャイズ本部のノウハウの流出を防ぐため、契約終了後も同業種での営業を禁止した「競業避止義務」が規定されています。
競業の範囲や競業禁止の期間など契約内容を確認し、10年後、20年後の将来のことを考えた選択をしておく必要があります。
また、フランチャイズ加盟により得た知識やノウハウには守秘義務がありますのでご注意ください。

開業方法3:ボランタリーチェーン(VC)

ボランタリーチェーンとは、加盟店同士が組織を結成して本部を形成し経営を行っていく事業形態です。
フランチャイズよりも仕組みが非常にゆるやかで、店名・内外装・看板デザイン・価格・営業時間・店休日など比較的自由なスタイルで店舗運営をしていくことができます。

フランチャイズとの共通点

  • 本社や本部といった事業をまとめて運営する『本部組織』と、店舗を営業する立場の『加盟店』の2つの立場から成り立っています。
  • 加盟店は、本部から一括して商品を仕入れて店舗を運営するため、フランチャイズとボランタリーチェーンどちらの場合も余計なコストがかかりません。
  • 加盟店は基本的に本部組織から商品(食材)を仕入れることになります。
  • 基本的にボランタリーチェーンのほうが規則やノルマは緩い傾向にあります。

フランチャイズとの相違点

  • フランチャイズチェーンは本部と各加盟店がそれぞれで契約を結ぶ縦のつながりなのに対して、加盟店同士(もしくは卸会社と加盟店)が組織を結成したボランタリーチェーンは横のつながりが強いところが主な違いです。
  • ボランタリーチェーンの本部は、各加盟店同士が互いに出資しあって本部を形成しています。そのため、本部とは上下関係ではなく、みな同じ立場という関係性があります。
  • ボランタリーチェーンの場合は、お店の屋号、看板、内外装、施工業者、営業時間、価格設定なども自由にできるようになっており、個々の事業者の個性を発揮していくことができます
  • ロイヤリティはないケースが一般的ですが、発生する場合でもフランチャイズよりは低価格であることが多いです。

メリット

店舗展開が比較的自由
本部からのノルマや規則などが比較的緩いため、各店舗によって独自のメニュー開発やサービス展開を行い独創性を打ち出していくことができます。

仕入れコストの軽減
本部がメーカーからまとめて仕入れるため、コストを引き下げることができます。
仕入れコストが下がると、今までと同じ売上でも利益率はUPします。

POSシステムなどで情報共有
ボランタリーチェーンは、フランチャイズに比べて、加盟店同士の横のつながりが強い傾向にあります。
POSシステムいう、商品の販売情報の管理システムによって、商品情報を記録して売上の分析データを共有することができます。これにより、他店でのトレンドメニューや、市場での消費者ニーズを把握することもできます。また、加盟店同士での運営ノウハウやアドバイスの授受を行うことができます。

デメリット

経営力が必要
フランチャイズのように強固なバックアップがないため、店舗の経営努力がより必要になってきます。
運営ノウハウに関しては、加盟店同士での情報交換しか手段がないため、その店に合った的確なアドバイスをもらうことができず、経営ノウハウに詳しい事業者がいなければアドバイスを受けることもできません。
比較的自由度の高い運営が可能である反面、多くの問題をご自身の力だけで改善していかなければならないのです。
短期的な利益の追求だけでなく、しっかりとした長期的な戦略を組む必要性もあります。

知名度の低さ
大手のフランチャイズチェーンは、知名度が高いため、集客はしやすいでしょう。
しかし、現在のボランタリーチェーンでは知名度の高い飲食店は少ないため、看板の力を借りることができません。
自分たちで集客のための対策を考え、努力をしていく必要があります。

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