青森県は、豊かな自然と美味しい食材に恵まれた土地です。近年は、観光客の増加も目立ち、飲食店を開業する絶好の機会と言えます。しかし、飲食店経営は資金繰りが難しく、多くの場合、融資が必要となります。
そこで今回は、青森県で飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントと、開業までの流れを詳しく解説します。
目次
青森県の開業率は全国42位
2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含む青森の開業率は3.6％と全国で42位です。また廃業率は3.7％となっています。
青森県の開業率は全国平均を下回る3.6%であり、都道府県別では42位です。これは、青森県の人口が少ないため、開業できるチャンスが少ないことが原因と考えられます。また、青森県は高齢化率が高いため、人材確保が難しいことも、開業率が低い一因となっています。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう！
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資：金融機関
補助金：国や地方公共団体など
助成金：国や地方公共団体など
返済の必要性
融資：必要
補助金：不要
助成金：不要
利子
融資：必要
補助金：不要
助成金：不要
申請の難易度
融資：やや高い
補助金：やや高い
助成金：比較的低い
資金の使い道
融資：自由
補助金：指定された用途に限る
助成金：指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
青森県で利用可能な融資・補助金・助成金とは？
青森県で飲食店を開業する場合、資金調達手段として融資、補助金、助成金の活用が重要です。ここでは、それぞれの種類と特徴、申請方法などを詳しく説明します。
融資
青森県創業・起業支援資金
青森県内に本社または主たる営業所を置く中小企業者及び個人事業主が対象
創業資金及び事業資金に充当可能
融資額：最大300万円
金利：年利2.0%返済期間：最長5年
青森県産業活力創造融資制度
青森県内の中小企業者が対象
事業の設備資金、運転資金に充当可能
融資額：最大5,000万円
金利：民間金融機関の基準金利に基づき決定
返済期間：最長10年
青森県信用保証協会
青森県内の中小企業者に対する融資の保証を行う
融資額：最大5,000万円
保証料：0.7%～1.2%
補助金・助成金
青森県創業・起業支援事業費補助金
青森県内に本社または主たる営業所を置く中小企業者及び個人事業主が対象
創業及び起業に必要な経費の一部を補助
補助額：最大100万円
補助対象経費：設備費、人件費、販促費等
青森県中小企業等事業再構築等支援事業
青森県内の中小企業者等が対象
事業再構築等に必要な経費の一部を補助
補助額：最大3,000万円
補助対象経費：設備投資費、人件費、コンサルタント費用等
制度の活用方法
情報収集
青森県のホームページや金融機関、商工会議所などで、利用可能な融資・補助金・助成金に関する情報を収集しましょう。
相談
金融機関や商工会議所などの専門家に相談し、自分に合った制度を選ぶようにしましょう。
申請
各制度の窓口に必要書類を提出して申請しましょう。
※こちらは2024年1月10日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
青森県で飲食店を開業する際に融資を受ける場合、以下の点に注意する必要があります。
計画性
事業計画書を作成し、資金繰りをシミュレーションするなど、計画的に準備を進めることが重要です。
融資担当者に事業の魅力を効果的に伝えるために、事業計画書をしっかりと練りましょう。
自己資金
金融機関は、自己資金があることを重視します。自己資金が少ない場合は、融資を受けられる可能性が低くなります。
自己資金の割合は、一般的に20%以上と言われています。
担保・保証人
融資を受けるためには、担保や保証人を求められる場合があります。
担保や保証人がない場合は、融資を受けられる可能性が低くなります。
信用情報
金融機関は、融資先の信用情報を調査します。過去の返済履歴などに問題があると、融資を受けられる可能性が低くなります。
金利
金利は、返済する利息の割合です。金利は、金融機関や融資制度によって異なります。
金利の低い融資制度を選ぶようにしましょう。
返済計画
融資を返済できるだけの計画を立てることが重要です。
返済計画が不十分だと、返済に困窮する可能性があります。
専門家のアドバイス
融資制度は複雑な場合が多いため、金融機関や商工会議所などの専門家に相談することをおすすめします。
専門家は、自分に合った融資制度を選ぶためのアドバイスや、融資申請のサポートをしてくれます。
青森県の制度
青森県には、創業・起業支援資金や中小企業信用保証協会など、飲食店開業を支援する融資制度があります。
これらの制度を活用することで、融資を受けやすくなります。
情報収集
金融機関や商工会議所などのホームページやセミナーなどで、融資に関する情報を収集しましょう。
情報収集をしっかりと行うことで、自分に合った融資制度を選ぶことができます。
審査基準
金融機関は、融資の審査基準を設けています。審査基準は、金融機関によって異なります。
審査基準を理解することで、融資を受けられる可能性を高めることができます。
融資を受けるためには、これらのポイントをしっかりと理解し、準備を進めることが重要です。
青森県で開業する際の費用の相場とは？
青森県で飲食店を開業する際には、様々な資金調達方法があります。以下では、代表的な方法について詳しく説明します。
物件取得費
店舗の広さや立地条件によって大きく変動します。
繁華街
坪単価10万円～20万円
駅周辺
坪単価8万円～15万円
郊外
坪単価5万円～10万円
物件取得費は、物件の取得方法によって大きく異なります。物件を購入し、賃貸借契約を結ばない場合は、物件の購入費用のほか、登記費用や固定資産税などの費用がかかります。物件を賃貸する場合は、物件の賃料のほか、保証金や礼金などの費用がかかります。
内装工事費
店舗の広さやデザインによって異なります。
厨房設備
50万円～100万円
客席
10万円～30万円
内装
10万円～30万円
設備費
厨房機器、テーブル、椅子、食器などが必要です。
厨房機器
50万円～100万円
テーブル、椅子
10万円～30万円
食器
10万円～20万円
運転資金
開業後の家賃、食材費などを賄うための資金が必要です。
諸経費
月額30万円～50万円
その他
・許可・認可取得費
・広告宣伝費
・人件費
合計1,000万円～3,000万円
なお、飲食店の規模や業態によって、費用は大きく異なります。たとえば、小規模のカフェであれば、費用を抑えることができます。一方、大規模なレストランや居酒屋であれば、費用が高くなります。
また、物件の立地によっても、費用は異なります。繁華街や駅前などの立地条件の良い場所は、費用が高くなります。
青森県で飲食店を開業する際には、上記の費用の相場を参考に、資金計画を立てることが重要です。費用を抑える方法も活用しながら、計画的に準備を進めましょう。
青森県で開業する際の資金調達の方法
青森県で飲食店を開業する際には、様々な資金調達方法があります。以下では、代表的な方法について詳しく説明します。
自己資金
自己資金は、最も確実な資金調達方法です。開業資金の全てを自己資金で賄うことができれば、借入による金利負担を軽減することができます。
融資
金融機関から融資を受ける方法は、まとまった資金を調達できるというメリットがあります。しかし、審査基準が厳しく、融資を受けられない可能性もあります。
補助金・助成金
国や自治体が、事業の立ち上げや設備投資を支援するために補助金や助成金を交付しています。返済義務はありませんが、申請手続きが複雑な場合もあります。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人から資金を集める方法です。多くの人に事業を知ってもらうことができるというメリットがあります。
フランチャイズ
フランチャイズは、本部から事業ノウハウやブランドを使用する権利を購入することで、飲食店を開業する方法です。開業資金を抑えることができるというメリットがあります。
日本政策金融公庫を利用する
日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり、中小企業や創業者のための融資制度を多数用意しています。金利は民間金融機関よりも低く、返済期間も長いため、資金調達負担を軽減することができます。
日本政策金融公庫の融資制度
新創業融資制度
創業者が事業を立ち上げる際に利用できる融資制度です。融資額は最大3,000万円で、金利は1.7%～3.2%です。
創業・小規模事業等支援資金
小規模事業者が事業を運営するために利用できる融資制度です。融資額は最大5,000万円で、金利は1.4%～2.9%です。
日本政策金融公庫のメリット
・金利が低い
・返済期間が長い
・審査基準が比較的緩やか
・創業支援に特化した相談窓口がある
日本政策金融公庫のデメリット
・融資を受けるまでに時間がかかる
・審査基準を満たす必要がある
※こちらは2024年1月10日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式ＨＰなどで確認してください。
青森県で開業する際の実際の開業までの流れを解説
青森県で飲食店を開業する際には、以下の流れで準備を進めることをおすすめします。
コンセプトの策定
・どのような客層をターゲットとするのか
・どのような料理を提供するのか
・どのような雰囲気の店にするのか
などを具体的にイメージし、コンセプトを策定します。
事業計画書を作成する
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。
物件の選定
・コンセプトに合った立地
・必要な広さ
・予算
などを考慮して、物件を探します。
資金調達
・自己資金
・融資
・補助金・助成金
などを活用して、開業資金を調達します。
許認可の取得
・飲食店営業許可
・食品衛生責任者標識
・消防署への防火管理者選任届
などの許可・認可を取得します。
内装・設備工事
・厨房設備
・客席
・内装
などを設置・工事します。
メニューの開発
・コンセプトに合ったメニュー
・原価計算
・仕入先の選定
などを検討し、メニューを開発します。
スタッフの採用・教育
・調理スタッフ
・ホールスタッフ
などを採用し、必要な教育を行います。
プレオープン
・関係者を招待して試食会を行う
・オペレーションの確認
などを行います。
開業する
正式に開店します。
開業までのスケジュール
上記の各ステップにかかる時間は、状況によって異なりますが、一般的には半年から1年程度かかります。
ポイント
・早めに準備を始める
・専門家に相談する
・計画的に進める
ことが重要です。
青森で飲食店を開業するメリットデメリット
メリット
新鮮な食材が豊富
海の幸や山の幸などの新鮮な食材が豊富です。そのため、食材にこだわった料理を提供することで、競合との差別化を図ることができます。
四季折々の魅力
四季折々の自然の魅力が楽しめます。そのため、季節感を大切にした料理やイベントを開催することで、集客につなげることができます。
観光客への魅力
温泉地や観光スポットも多く、多くの観光客が訪れます。そのため、観光客向けのメニューやサービスを提供することで、新たな顧客層を獲得することができます。
補助金・助成金の活用
飲食店の開業や経営を支援する補助金・助成金が用意されています。これらの制度を活用することで、開業資金や経営資金の負担を軽減することができます。
支援機関の存在
飲食店の開業や経営を支援する機関が複数あります。これらの機関を利用することで、開業や経営に関する相談やアドバイスを受けることができます。
デメリット
競争激化
多くの飲食店が存在します。そのため、競争が激しい地域と言えます。
競争激化を乗り越えるためには、差別化を図ることが重要です。
人材確保
人口減少が進んでおり、人材確保が難しい地域です。
季節依存性
四季の変化が激しい地域です。そのため、季節によって売上が変動する可能性があります。
寒冷地対策
冬の寒さが厳しい地域です。そのため、寒冷地対策が必要となります。
交通アクセス
青森県は、交通アクセスが不便な地域です。そのため、集客に苦労する可能性があります。
青森県で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
青森県で飲食店を開業する際には、限られた資金で効率的に準備を進めることが重要です。以下、開業資金を抑えるためのコツをいくつか紹介します。
中古機器・什器の活用
厨房機器やテーブル、椅子などの什器は、新品ではなく中古品を活用することで、大幅に費用を抑えることができます。近年は、状態の良い中古品を販売する業者も多く存在するため、積極的に活用しましょう。
テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。
DIYによる内装・外装
内装や外装は、業者に依頼するのではなく、自身でDIYを行うことで費用を抑えることができます。DIYに自信がない場合は、友人や家族に手伝ってもらうのも良いでしょう。
格安レンタルスペースの利用
店舗を借りるのではなく、格安レンタルスペースを利用することで、賃料を抑えることができます。レンタルスペースは、時間帯や曜日によって料金が異なる場合もあるため、ニーズに合わせて利用することでコストを削減できます。
キッチンカーの活用
店舗を構えるのではなく、キッチンカーを利用して営業することで、初期費用を抑えることができます。キッチンカーは、場所を選ばずに営業できるというメリットもあり、集客効果も期待できます。
フードデリバリーサービスの活用
フードデリバリーサービスを利用することで、新たな顧客層を獲得し、売上向上を図ることができます。フードデリバリーサービスは、人件費や店舗運営費を抑えられるというメリットもあります。
補助金・助成金の活用
青森県では、飲食店を開業する際に利用できる補助金・助成金制度があります。これらの制度を活用することで、開業資金を軽減することができます。
クラウドファンディングの活用
クラウドファンディングを利用することで、多くの人から資金を集めることができます。クラウドファンディングは、開業資金を調達できるだけでなく、多くの人に事業を知ってもらうことができるというメリットもあります。
専門家の活用
開業資金を抑えるためには、専門家のアドバイスを受けることも有効です。税理士や会計士などの専門家に相談することで、資金計画や税務に関するアドバイスを受けることができます。
徹底的な計画
開業前に徹底的な計画を立てることで、無駄な出費を抑えることができます。事業計画書を作成し、必要な資金を明確にすることが重要です。
中古・DIYを活用する際の注意点
中古品やDIYを活用する際には、以下の点に注意が必要です。
中古品
中古品は、状態をよく確認してから購入する
DIY
DIYは、工具の使い方や安全面に注意する
青森県で飲食店を開業する際には、上記のポイントを参考に、資金を抑えながら効率的に準備を進めることが重要です。
まとめ
青森県で飲食店を開業する際には、自己資金、融資、補助金・助成金など、様々な資金調達方法を検討しましょう。融資を受ける場合は、計画書作成、自己資金準備、金利・返済期間の確認などが重要です。専門家の相談も有効活用しましょう。計画的に準備を進め、夢の飲食店開業を実現してください！
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。
